あなたの愛犬は膀胱炎になったことはありませんか?
犬のおしっこの異常は以外にも多く、おかしいな?と気づく飼い主さんも多いと思います。
犬の病気の中でかかる子が多いメジャーな膀胱炎ですが、実際の症状や治療法はどんなものがあるのでしょうか。
今回は犬の膀胱炎について詳しく解説していきたいと思います。
膀胱炎とは?
膀胱炎とは、何らかの原因で、膀胱内で炎症が起きている状態のことを指します。
猫では下部尿路疾患として罹患する猫が多く注意が必要ですが、犬でも同じくかかる率の非常に高い病気のひとつです。
膀胱炎は治療することで完治することも多いですが、食事療法や定期的な尿検査など付き合っていく必要も出てくる可能性もあります。
膀胱炎の原因
膀胱炎の原因としては大きく3つが挙げられます。
細菌感染
まず多いのは細菌感染による膀胱炎です。
陰部と肛門が近いために女の子に多いとされておりますが、男の子でも尿道に菌が入り込むことで感染性膀胱炎は成立します。
細菌感染は尿検査で発覚します。
基本的に治療は抗菌薬の投与、輸液療法で尿量を増やして、悪いおしっこを早めに体外に排泄する目的で行われます。
陰部を常に清潔しておくことが求められますね。
ストレス
ストレスがかかることによって膀胱炎を発症する犬もいます。
例えば、ペットホテルに預けたりお留守番が長かったり、雷や家の付近で工事をしているなど、犬の性格によってどれがストレスに感じるかは個体差がありますが、先ほど挙げた例はストレスに感じる犬が多い傾向にあります。
犬はストレスを感じると下痢や嘔吐の消化器症状を呈する子も多いですが、中には膀胱炎の症状を呈する子もいます。
ストレス性膀胱炎では、抗菌薬の投与はしませんが消炎剤の投与や抗不安薬の投与を行うことがあります。
また、原因となったストレスの除去も早めに行うようにしましょう。
関連記事:犬のストレスとは?ストレスサインとその原因、解消法
尿路結石
尿路に結石があると膀胱炎を繰り返し発症するケースがあります。
尿路結石は尿路閉塞に繋がることがある非常に危険な状態です。
尿路閉塞は放っておくと、命の危険があるためおしっこが出ていない時はすぐに動物病院を受診しましょう。
尿路結石はエコー検査やレントゲン撮影で見つかることがあります。
また、尿路結石になる手前の結晶がおしっこに排出されているかどうかは、尿検査で発覚しますので定期的に健康診断の一環で、尿検査をしてもらうようにしましょう。
結石は食事療法で溶解する治療や外科手術になるケースもあり、獣医師と相談の上方針を決定していきましょう。
関連記事:犬の尿石症の原因は?食べてはいけないものや療法食治療が良い?など解説
膀胱炎になりやすい犬種・特徴
膀胱炎はすべての犬でかかるリスクがありますが、特に高い犬の特徴をお伝えします。
該当している犬を飼っている人は特に注意深く見てあげるといいですね。
メス犬・子犬
細菌性膀胱炎を発症しやすいのは子犬とメス犬です。
子犬は免疫がまだ弱く、感染症のリスクは成犬に比べて高まります。
メス犬は肛門と尿道口の距離が近いため、膀胱内に細菌が侵入してしまう可能性がオス犬よりも上がります。
トイレの後は常に清潔に保っておくことが求められますね。
尿路結石は男の子が要注意!
結石性の膀胱炎は逆にオス犬が要注意です。
オス犬はメス犬に比べて尿道が細く、石が詰まってしまう危険性が高まります。
また、オスは尿道が長いため、詰まるリスクはメスよりもはるかに高いとされています。
尿検査で結晶尿を確認したら、結石になる前に治療やメンテナンスを行い、尿路閉塞にならないよう管理したいですね。
なりやすい犬種
- ミニチュアシュナウザー
- ヨークシャーテリア
- ラサアプソ
- ダルメシアン
が挙げられます。
中でも、ダルメシアンは尿酸アンモニウム結晶ができやすい犬種として有名ですよね。
結石ができやすいと膀胱炎のリスクは高まるため、膀胱炎にかかりやすい犬種といえるでしょう。
膀胱炎の症状
では、膀胱炎の症状としてはどんなものが挙げられるでしょうか。
下記で紹介する愛犬の症状、一度は見たことがある人も多いのではないでしょうか。
頻尿
トイレに何度も通う、一日のおしっこの回数が多くなった、一回の量がちょっとで何回も分けておしっこをする、このような状態を頻尿といいます。
普段からマーキングをする犬であれば、判断が難しいかもしれませんが、基本的な愛犬の一日の正常なおしっこの回数を把握しておきましょう。
子犬の間は回数が安定せず多いですが、大人になると大体回数は安定します。
理想は1日5~6回していると安心ですが、非常に多い場合や少ない場合はおしっこのトラブルがないか確認しておきましょう。
関連記事:犬の頻尿の原因は?ストレス?副作用?高齢では注意が必要!
血尿
おしっこに血が混じる血尿が出ることもあります。
膀胱に炎症が起きていると膀胱壁が肥厚し血が出ます。
その血がおしっこに交じっていると赤色のおしっこをするようになります。
血尿は飼い主さんが気づくことが多く、異常だと判断が容易なので早めに受診できるケースがほとんどです。
血尿が確認出来たら採尿して獣医師に診てもらいましょう。
関連記事:犬の血尿の原因は?高齢だから?膀胱炎?
粗相をする
トイレではない場所や隠れておしっこをするという場合にも膀胱炎の症状であることがあります。
中でもストレス性の膀胱炎は、隠れておしっこをしたり布でおしっこをしたりしてしまうことも多く、飼い主さんに叱られることがありさらに排尿がしにくくなってしまうこともあります。
よって、膀胱内の環境が悪化してしまう恐れがあるのです。
愛犬が粗相してしまっても、無視して無言で片づけ決して怒らないようにしてくださいね。
排尿痛がある
私たち人も膀胱炎になると排尿時にツーンとした痛みがありますよね。
犬も同じく排尿痛があるケースがあります。
排尿時に姿勢がおかしかったり、ギャン!と悲鳴をあげたりしている時は膀胱炎の疑いがあります。特に排尿痛は、おしっこを我慢してしまったりと悪化する方向に向いてしまうことがあり、痛みでQOLの低下にも繋がるため早めに消炎剤などの投与が好ましいですね。
膀胱炎の治療
膀胱炎になってしまったら、どのように治療をするのでしょうか。
輸液療法
尿路閉塞ではないことが確認出来た際は、輸液療法を実施することがあります。
体内に水分を入れることで尿量を増やし、膀胱内の悪いおしっこを体外に早めに排出させる目的で行います。
尿路閉塞の可能性がある場合は逆効果の治療になるため、しっかりと検査を行ったうえで治療してもらいましょう。
内服薬の投与
膀胱炎の治療で最も多いのは内服薬の投与です。
内服薬の服用が難しい犬や嘔吐の症状がある犬では、注射での薬剤投与も行います。
基本的に消炎鎮痛剤の投与や細菌性であれば抗菌薬を投与します。
1週間~2週間服用して再度尿検査を実施し、治っているかどうかを判断します。
療法食の推奨
結晶尿が出ている犬では、療法食で食事療法をおすすめするケースが多いです。
結晶の種類で多いのはストルバイト結晶・シュウ酸カルシウム結晶の2種類で、この結晶がどちらなのかでおすすめの食事は変わります。
尿検査を定期的に実施しながら、適した食事を与えて尿の環境を整える治療の一環となります。
どれくらいで治る?
膀胱炎は個体差はありますが、基本的には約2週間程度で治ることが多いです。
抗菌薬が合わなかったりストレス性で長引くことも多いですが、内服薬をきちんと服用し、飲水量を確保、さらに運動を取り入れるなどの生活習慣に注意し、しっかりと指示通り行うことで
2週間ほどで完治することが多いです。
尿路閉塞や結晶尿・結石がある場合には一時的に2週間で治っても付き合っていくメンテナンスが必要な病気です。
膀胱炎の予防法
では、膀胱炎の発症を予防する方法はあるのでしょうか。
実は簡単に始められることもあるのでぜひ取り入れてみてくださいね。
フードを変える
尿路に配慮したドッグフードを与えて、食事から膀胱内の環境を整えていくことも有効な予防法のひとつです。
ただ、結晶尿が出ている場合はどの結晶かによって与えるフードが異なるため、獣医師の指示に従って変更するようにしましょう。
トイレを常に清潔にしておく
トイレを常に清潔にしておくこともとても大切です。
トイレは放っておくと細菌が繁殖してしまう絶好の場所となってしまいます。
その細菌が繁殖しているところに陰部を限りなく近づけて再度排泄をすると、そこから菌が侵入してしまうことがあります。
そのため、トイレはする度に片づけて常にきれいにしておきましょう。
水分摂取をする
しっかりと尿量を保つためには、水分を一定量取る必要があります。
水分摂取が少ないと、尿が作られる量も少なくなってしまうことで排尿の回数が減ってしまいます。
排尿の回数が減ると、膀胱内に停留する時間が長く尿が濃縮されてしまいます。
そのため、膀胱炎の原因となる結晶が作られやすくなりリスクが高まってしまうのです。
関連記事:犬が水飲まないのは何時間大丈夫?牛乳を与えるのはOK?対策と予防法
サプリメントを使用する
尿のphを整えたり、膀胱内の環境を整えるためにはサプリメントを服用するのもおすすめです。
例えば、クランベリーやウラジロガシエキスが配合されているサプリメントはおしっこの健康をサポートしてくれます。
獣医師に相談すれば、おすすめのサプリメントも紹介してもらえますので気軽に問い合わせてみましょう。
膀胱炎の治療にかかる費用の目安
膀胱炎の治療は、基本的に診察料・尿検査料・内服薬など、平均1回の通院で5,000円~10,000円程度が相場です。
さらに、エコー検査やレントゲン撮影などの検査が加わるとプラス料金がかかりますし、たいていは1回の通院では終わらないことが多いため、しばらくはかかると思って用意していきましょう。
まとめ
膀胱炎は多くの犬がなる病気ですが、特に注意したいのはメス犬と子犬です。
さらに膀胱結石や尿路閉塞はオス犬がかなり危険性が高く、おしっこが出ていないようであればすぐに動物病院へ連れていきましょう。
膀胱炎の原因としては細菌性・ストレス性・結石が考えられ、治療は内服薬の投与がメインとなります。
症状としては、頻尿・血尿・排尿痛・粗相をするなど、下部尿路の症状が顕著に現れます。
予防するには定期的に尿検査を実施し、水分をしっかりとる・運動をする・フードを見直す・トイレを綺麗にする・サプリメントを服用するなどして、膀胱炎の発症をなるべく抑えるように取り組んでみましょう。
関連記事:猫の特発性膀胱炎とは?よくある症状と治療法・予防法について解説
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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