動物看護師解説 犬が水飲まないのは何時間大丈夫?牛乳を与えるのはOK?対策と予防法

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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犬を飼っていると、お水を飲みすぎている・お水を全然飲まないなど、飲水に関して一度は気にされたことがあるかと思います。犬の飲水量は多くても少なくても問題があるため、しっかりと正常を知って対策しましょう。

また、水飲まない時の対策として牛乳を飲ませる飼い主さんが多く感じますが、実際それは有益なのでしょうか。
今回はその疑問も含めて、犬の水に関して詳しく解説していきます。

 

犬に与えるのはミネラルウォーター?水道水?

まず、大前提に犬には「水道水」が一番適しているといわれています

犬の体を思ってミネラルウォーターやイオン水などを飲ませている飼い主さんも多いかと思いますが、実はそれが原因でミネラル過多になり、将来的に尿路結石などの病気を発症し、健康に被害がでてきてしまう可能性があります。
もちろん一時的に飲ませることに危険性はありませんが、日常的にミネラルウォーターを飲んでいるとリスクが高まります。

また、日本の水道水には細菌の繁殖を防ぐ加工がされているのに対して、ミネラルウォーターはその加工がないため、食中毒などの消化器症状の原因となることもあります。
特に夏場にお水をこまめに変えることを怠ってしまったらと思うと怖いですよね。

水道水を与えるのも気になるという飼い主さんは、人間用ではなくペット用のミネラルウォーターが売られているのでそれを与えましょう。

 

犬の飲水量の平均

まず、愛犬の飲水量が多いのか少ないのか把握することが大切です。

犬が1日必要なお水の量は体重によって異なります。
また、活動量によっても個人差があるので一概に何mLとは明記できないのですが、実際に獣医療現場で使われる計算式としては

体重×50~70=1日必要飲水量 となっています。

ですので、5㎏の犬では250~350mL飲むと平均的な数値と判断することになります。

愛犬の飲水量は定期的に測る習慣をつけ、増えたり減ったりしたことに気が付けるようにしておきたいですね。

 

犬の飲水量が多い原因(多飲)

では、多飲になる原因としては何が考えられるのでしょうか。

多飲も病気の初期サインであることが多いので、あまり様子見せずに獣医師に相談しましょう。

運動量が多い

単純に運動量が多いとお水をよく飲むことがあります。

人でも運動した後にはのどが渇き、水分をたくさん取らないと脱水症状になってしまいますよね。犬も同じくお散歩のあとやドッグランのあとなどはお水をしっかりと取らせてあげましょう。

ストレス

ストレス状態にあると犬は緊張してのどが渇くことがあります。
そのせいで一時的にお水を飲む量が増える傾向にあります。

しかし、ストレスにより逆にお水を飲まなくなることもあるため、ストレスでの多飲かどうかの判断は非常に難しいため、一時的なのかどうか判断し受診を検討するのが望ましいですね。

薬の副作用

お薬の副作用でお水をよく飲むようになるケースもあります。

代表的なものでいえば副腎皮質ホルモン剤、いわゆる「ステロイド剤」ですね。
ステロイド剤を服用している間は食欲も増え、飲水量も増える傾向にあります。
ステロイド剤の服用を辞めれば、自然に飲水量も落ち着いてくることが多いです。

関連記事:犬のステロイドの副作用は?いつまで続く?症状や対策

糖尿病

糖尿病の代表的な症状の一つに多飲多尿が挙げられます。
たくさんお水を飲み、たくさんおしっこをするのが続いた時は、一度糖尿病も視野に入れて受診しましょう。

また、糖尿病は肥満がリスクを高める危険性があるので、体重管理は徹底しましょう。

さらに、高血糖状態が続くと「糖尿病性ケトアシドーシス」という非常に命が危うい状態になってしまうこともあるため、あまり様子を見ずに早めに検査をすることをおすすめします。

関連記事:犬の糖尿病は余命が短い?原因や症状を徹底解説

慢性腎臓病

慢性腎臓病を患っている場合もお水をよく飲む症状が現れます。

腎臓疾患は猫ではメジャーで、治療を続ければ4年以上の余命があるのに対して、
犬では一度腎臓を悪くすると予後があまりよくないといわれています。

しかし、適切な治療を継続すれば諦めずに済みますので、付き合っていきましょう。

関連記事:犬の慢性腎臓病の症状や余命は?どんな検査をすればいいの?

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)でも多飲多尿の症状がでます。

さらに特徴的なのは腹囲膨満といい、お腹がぽっこり張っている状態にもなります。
多飲多尿で愛犬の容姿が少し変わったかなと感じたら動物病院を受診しましょう。

クッシング症候群は無治療で放っておくと糖尿病に移行するリスクがあり、治療をおすすめする病気です。

子宮蓄膿症

女の子の病気で子宮蓄膿症という病気があります。
この病気も多飲の症状が現れます。

子宮蓄膿症の最大の予防は若年例での避妊手術です。

避妊手術で子宮と卵巣を取り除けば、子宮蓄膿症だけでなく乳腺腫瘍にかかる確率も格段に下がります。
年齢を重ねるとリスクも高まり、子宮蓄膿症を発症してしまった場合は外科的に手術することが第一選択となります。
犬では乳腺腫瘍も50%の確率で悪性といわれているため、妊娠を望んでいない場合は早めに避妊手術を行いましょう。

尿崩症

尿崩症という多飲多尿を明確に生じる病気があります。
慢性化すると脱水症状を起こす可能性があるため、この場合はお水を制限することはあまりおすすめしていません。
治療薬により生活の質を改善できることがあります。まずは獣医師に相談しましょう。

関連記事:犬が水を飲み過ぎるのはなぜ?ストレス?病気?副作用?

 

犬の飲水量が少ない原因

次に、水を飲まないことの原因を紹介します。
水を飲んでくれない犬に対して悩む飼い主さんは多いかと思います。
今一度なぜ飲まないのか理解できると対策しやすいですよね。

高齢

単純に年齢を重ねたことで活動性が低下し、お水を飲む量が減っていることが考えられます。
老化現象で飲水が減っていると感じたら、動くことが億劫になっている可能性もあるため、定期的にお水を口元に持って行ってあげるなどしてみるといいですね。

愛犬の一日必要飲水量をクリアしていそうであれば、あまり気にせず、好きな時に飲ませ得てあげるのもいいでしょう。

ストレス

先ほど、ストレス状態にあると多飲になると説明しましたが、逆にストレス状態にあるとお水を飲まなくなるケースもあります。
愛犬のストレスがかかっているかの把握は難しいですが、来客などの不安の種などがはっきりしている場合はなるべく取り除いてあげましょう。

水分が十分足りている(のどが渇いていない)

実際、お水を飲んでいるところを全然見なくて心配されていても、水分が十分にとれているためにあまりお水を飲まないということも考えられます。

例えば、ウェットフードを日々与えているとウェットフードの水分は80%以上のものもあり、かなりの水分摂取になります。そのため、のどが乾かないのです。

季節

冬場になると活動性の低下などによって、動きたくなくなることやのどがあまり乾かないことによってお水を飲まない犬もいます。
私たち人でも冬場はコタツにずっと潜っていたかったと動くことを少し億劫に感じてしまいますよね。
犬も同じく動きが弱くなり飲水量も減ってしまいます。
冬場でも家を暖かくして運動させるなど、お水を飲むように工夫したいですね。

 

犬が水飲まないのは何時間OK?

犬は何時間水を飲まなくても平気なのでしょうか。

一概に何日と明言はできないのですが、食欲や元気もある場合、様子見をするのは2~3日程度で考えておきましょう。
脱水症状が出ると危険な状態になることもあるため、元気でもまったくお水を飲んでないなと感じたら獣医師に相談することをおすすめします。

 

脱水症状の確認方法

愛犬のお水が足りているかどうかの判断は飲水量計測以外にも、家でも簡単にチェックできる方法のひとつに「ツルゴールテスト」というものがあります。

愛犬の皮膚を持ち上げて手をパッと離すと皮膚が戻りますよね。その戻り方が一瞬かそうでないかで脱水加減を把握することができます。

標準の戻り方がわからない場合は自分の手の甲の皮膚をつまみ上げて離してみてください。一秒もかからずに一瞬で元に戻ると思います。愛犬との差を感じたら愛犬は少し脱水気味の傾向があるかもしれません。

 

犬の飲水量を増やす方法

お水を飲んでほしいけどどうしたら飲んでくれるかなと試行錯誤している飼い主さんも多いかと思います。

飲水量を増やす方法をいくつか紹介しますので、試していないものがあればぜひ取り入れてみてくださいね。

ウェットフードを与える

ウェットフードには水分量が80%程度含まれているため、食事から水分摂取することができます。
しかし、ウェットフードはドライフードに比べてカロリーが低い傾向にあるので、ウェットフードを導入する際はカロリー計算をしっかりして体重を落とさないようにしましょう。

味をつける

お水を飲んでほしい場合に、お水に味をつけるという方法があります。
多いのは、液状のおやつ溶かして作る「ちゅーる水」と呼ばれるものですね。
まずは少ない量からスタートして与えてみましょう。

ただ、お水に味をつけるのを毎日行うのはおすすめしません。
味をつけないとお水を飲まなくなってしまいます。
それでは元も子もないので、どうしてもお水を飲ませたいときの奥手として使うのがいいですね。

ウォーターボウルを変える

いつもお水を入れているウォーターボウルを見直してみるのもひとつです。
毎日こまめに洗い、清潔な状態をキープしましょう。

また、ステンレスの器よりも陶器の器の方が実はお水を美味しく感じることをご存知でしたか?
陶器でできたお水がおいしくなる器が売られているので、検討してみてはいかがでしょうか。

水の設置場所を変える

お水の位置を変えてみるのも一手です。

例えば、日の当たる場所や暑さが籠る窓の近くなどに設置しているとお水がすぐに悪くなってしまいます。そんな時は場所を変えてあげることで飲水量が増える可能性もあります。

一度、置く場所も気にしてみてはいかがでしょうか。

落ち着ける環境を用意する

ストレス状態にあり飲水量が左右している場合は、不安の除去と落ち着ける環境を用意してあげることが求められます。
例えば、引っ越し後などにお水を全く飲んでくれない犬は多くいます。
そんな時はなるべく早めに環境を整えてあげたり、犬用フェロモン剤や精神薬などを使用したりするのも一つですので、獣医師に相談してみましょう。

 

牛乳はNG?

お水を飲まない対策として牛乳を与える飼い主さんが多く感じますが、結論から言うと牛乳を与えることはあまりおすすめできません。

犬は牛乳を飲むと「乳糖不耐性下痢」を引き起こしてしまう原因になります。

牛乳を与えたいのであれば犬用ミルクを用意し与えるようにしましょう。

犬用ミルクなどでもお腹を壊すなど、日ごろからお腹があまり強くない犬には、オリゴサッカライド・ラクリス菌などが配合されているサプリメントを使うのがおすすめです。

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まとめ

犬がお水を飲まなくなる・お水をよく飲むことの原因はさまざまな理由が考えられることがわかりました。原因が把握できたら、それに対して対策を練ってみましょう。

異常に気付くためには、愛犬の必要な飲水量を知り、日々計測することが大切です。

また、脱水症状になると危険な状態になることもあるため、あまり様子見しすぎずに獣医師に相談しましょう。

 

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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