2025年版 動物看護師解説 犬のヒートはいつまで続く?陰部の腫れや前兆はある?

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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犬のヒートをご存知ですか?

ヒートの期間ってどれくらい?症状は?前兆はあるの?など、気になる飼い主さんも多いかと思います。

犬のヒートは人間と異なる点が多く、実は理解しているようでわからないこともありますよね。
そこで今回の記事では、犬のヒートについて詳しく解説していこうと思います。

女の子の犬を迎える予定のあるご家庭は特に、知識として知っておくといいですね。

 

ヒートとは?

人間でいう、いわゆる「生理」で、避妊手術を実施していない女の子の犬に見られる現象です。
人は月経といって毎月訪れますが、犬は年に1~2回となっています。
生理中は人間と同じく陰部からの出血が見られますが、生理痛などは実際のところ詳しく分かっていません。
ただ、生理中に食欲が落ちる犬もいることから、生理痛に関しても個体差があるのではという見解があります。

さらに、人と異なる点は発情期間です。

犬の発情期は「発情前期」「発情期」「発情休止期」「無発情期」と4つに区分され、おおよそ半年~9か月間かけて繰り返されます。

発情前期

発情前期とは、雄犬を受け入れる準備をする期間です。

発情出血(陰部からの出血)が始まり、陰部の腫大(陰部が腫れて大きくなる)が見られます。
発情期に向けてホルモン量が上がってくるため、発情期に近づくにつれて出血量が多くなる傾向にあります。

この期間は、ホルモンによって雄犬を引き付けることがありますが、交尾はまだ受け入れない時期となっています。

発情前期の期間は7日~10日程度続きます。

発情期

準備期間が終わり、発情期に入ると雄犬を許容するようになります。

発情期に入って約3日目くらいが排卵日となっており、その期間に交尾をすると妊娠が成立します。
家庭の犬で、妊娠を望んでいないのであれば、他の犬との接触は控えましょう。

発情期後半になると陰部の腫大が徐々に引いていき、発情出血も赤色から薄いピンク色の出血に変わっていきます。

発情期の期間も発情前期と同じ7日~10日程度となっています。

発情出血が続くのは前期と発情期合わせて2週間~3週間程度となりますね。

発情休止期

発情期が終わり、雄犬を受け入れない期間に戻ります。

この期間もホルモンが分泌されているため、妊娠が成立していない場合でも、乳汁の分泌や乳腺が発達することがありますが、この現象を「偽妊娠」といい、よく見られる症状となります。

発情休止期は約2カ月程度続きます。

無発情期

発情休止期が終わって次の発情前期に入るまでの期間を無発情期と呼びます。

無発情期の期間は、個体差があり4~8ヶ月間続きます。

この無発情期の長さによって生理周期が決まると考えられています。

 

この周期が、年に1回~2回の生理が起こるメカニズムですね。

 

ヒートはいつから始まる?

ヒートの始まりについても個体差がありますが、性成熟を迎える生後5~10ヶ月であることが多いです。

小型犬であれば早くて5カ月でも発情が始まることがあります。

大型犬では生後10~14カ月に始まる犬が多いとされています。

人間も同じく小学生で始まる人もいれば、中学生で始まる人もいますよね。

犬にも個体差があるので、避妊手術を考えているのであれば、初回発情の前に早めに実施することをおすすめします。

関連記事:犬の避妊手術の適切な時期は?知っておきたいメリットとデメリット

 

ヒートはいつまで続く?

基本的に犬には閉経がなく、死ぬまで生理は起こります。

しかし、年齢が重なるにつれて出血が減少し腫大も目立たなくなります。

また、繁殖機能は衰えますが、犬では8~10歳(人間の年齢で換算すると50代)でも妊娠が可能となっており、犬の体にかなりの負担がかかるため、閉経すると思わずにきちんと接触を控えるようにしておきましょう。

 

ヒートの症状

では、ヒート時はどんな症状が出るのでしょうか。

私たち人も生理痛が重たい人もいれば食欲が旺盛になる人がいたりとさまざまですよね。

犬でも個体差があるため一概に言えませんが、代表的な症状をご紹介します。

陰部の腫大

発情前期~発情期の期間は陰部がぷっくりと腫れあがった形になります。

この間、犬は気にしてしきりに舐める行動が見られることがあります。

陰部はデリケートなため、舐めすぎると炎症が起き荒れてしまうことが良くあります。

あまり気にするようであれば、エリザベスカラーを着用する・オムツを履かせるなどして皮膚を守るようにしましょう。

陰部からの出血

人間の生理と同じく発情出血と呼ばれる出血が見られます。

発情前期と発情期にみられるため、2週間~3週間程度の出血が続きます。

陰部を自分でグルーミングしてしまうため、出血に気づかない飼い主さんもいます。
愛犬が陰部を気にしていたら発情の有無を確かめて、しっかりと記録しておくことが必要です。

食欲低下・元気喪失

ヒート期間中は食欲が落ちる犬もいます。

生理痛のようなものを感じているのかホルモンバランスの崩れが原因なのか解明はできていませんが、ヒート中の愛犬のご飯の様子はしっかりとチェックしておきましょう。

 

ヒートの前兆

生理前の前兆として、1か月前くらいから外陰部の腫れが徐々に始まり、少量の血が混じった分泌物がみられたりすると、ヒートが来る前兆であると考えられます。

また、発情前期に入ると落ち着きがなくなったり散歩に行きたがらなくなったりする傾向もありますが、ヒート前では自然の現象なので気にしすぎず見守りましょう。

 

ヒート中に気を付けること

ヒート中に気にしておきたいことはあるのでしょうか。

実はいろいろ配慮しておきたいことがあるので、知っておくといいですね。

マナーウェアを着用する

ヒート中は発情出血があるため、お部屋が汚れてしまうことがあります。

そのため、マナーウェアを着用することをおすすめします。

特に、お散歩などで外出する際はマナーの一環としてオムツの着用はしておきましょう。

陰部を綺麗にしておく

ヒート中は陰部からの出血があるため、汚れや血の塊がついてしまいます。

自分で舐めて綺麗にする犬であれば問題ないですが、グルーミングをしない犬であれば陰部を綺麗に保つことは大切です。
ヒート中は感染症のリスクも高くなるため、二次感染が起きないように汚れを拭いて清潔にしておきましょう。

避妊手術を検討している場合は時期に気を付ける

ヒートが始まってしまってからでも、避妊手術は可能です。

しかし、発情前期・発情期・発情休止期は血管が充実しているため、出血がしやすく手術のリスクが高まります。
ですので、避妊手術は無発情期に行うことがおすすめです。

一度、獣医師に相談してみましょう。

他の犬との接触に気を付ける

ヒート中は妊娠してしまうリスクがあることはもちろん、ホルモンによって雄犬を引き付けたり情緒が安定しなかったりで、いつもは仲良しの犬でもけんかになったりトラブルが起きる可能性があります。
特にドッグランや犬連れ旅行などのお出かけは、無発情期に行くようにしましょう。

 

動物病院受診の目安

ヒートだと安心して様子を見ていたら、実は病気が隠れていた!なんてことにならないためにも、動物病院を受診した方が良い目安は覚えておきましょう。

長期間出血している

通常、発情出血は2週間~3週間程度だといわれています。

それなのに、ヒートが始まってから1か月以上出血が続いている場合や出血の量が多い時は、迷わず受診をおすすめします。

前回のヒートの周期を必ず記録しておき、間隔が正しいかどうか、発情出血以外にも発情期の症状があるかどうかチェックし、出血が異常かどうか判断してもらいましょう。

まったく食べない

ヒート中は食欲が低下する犬も多くいます。

しかし、まったく食べない・おやつに見向きもしないという場合は要注意です。

1日だけなら様子を見ても良いかもしれませんが、食欲不振は未避妊のメス犬に注意したい子宮蓄膿症という病気の兆候であることも考えられます。

さらに、子宮蓄膿症は陰部からの出血も症状として現れるため、ヒートだと思い見過ごしてしまう飼い主さんもいるのが事実です。

食欲の落ち方や愛犬の様子は観察しておくようにしましょう。

 

ヒートの予防法

ヒートを予防する対策としては1択に思います。

避妊手術を行う」これに限ります。

卵巣(と子宮)を除去するとヒートはなくなります。

また、避妊手術を実施する期間は、初回のヒートが来る前に行うことが推奨されます。

メス犬の気を付けたい病気として「子宮蓄膿症」「乳腺腫瘍」が代表的ですが、避妊手術を行うことで予防が可能です。

子宮蓄膿症は卵巣子宮を除去することでほぼ完全に予防できますが、乳腺腫瘍は避妊手術の実施時期によって発症率が変わります。

犬の乳腺腫瘍は50%が悪性というデータがあるため、早めの手術を検討してくださいね。

関連記事:犬の乳腺腫瘍とは?悪性が多いの?症状や治療、余命は?

 

まとめ

犬のヒートは、避妊手術をしていない女の子に訪れる人間でいう「生理」の現象です。

犬のヒートは人間と異なり、生理周期が4つに区分されます。
男の子を受け入れる準備をする期間である発情前期、準備期間を終え男の子を許容する期間である発情期、再び男の子を受け入れない期間になる発情休止期、次の発情前期までのお休み期間の無発情期です。

発情出血が見られるのは発情前期と発情期の2区分で、共に7~10日間持続します。
そのため、出血期間は2週間~3週間程度で、犬の個体によって異なります。
また、無発情期の期間も犬によって4~8か月間と、かなりの差があるため、この期間の長さで生理周期が決まるといわれており、早い犬では年に2回、遅くても年に1回の間隔でヒートがやってくるメカニズムとなります。

ヒート中の症状としては出血以外にも陰部の腫大や食欲の低下なども挙げられます。

さらに、ヒート中は陰部を綺麗に保つことで二次感染が防げるため、とくにお手入れは怠らないようにしましょう。

また、外出時にトラブルにならないよう極力ヒート期間の他の犬との接触は避け、マナーウェアを装着するなどきちんと飼い主責任を果たすようにしましょう。

ヒートの予防策としては、避妊手術を実施することに限ります。

しかし、発情中の避妊手術は血管が充実していることにより、出血がしやすくなるため手術のリスクが高くなります。
そのため、無発情期の手術をおすすめしています。獣医師と相談の上実施するといいですね。

関連記事:猫に生理がないのはなぜ?生理中寄ってくるのはなぜ?生理の疑問解説

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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