動物看護師解説 犬の尿石症の原因は?食べてはいけないものや療法食治療が良い?など解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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尿石症というと少しなじみがないかもしれませんが、わかりやすい言葉でいうと「尿路結石」のことを指します。

人では結石ができると激痛だといいますよね。

犬の世界でも尿石症になる確率は決して低くはなく、多くの犬がかかるリスクのある病気です。
尿石症の犬が食べてはいけないものがあるのかな?療法食が第一選択の治療法なのかな?など、気になることも多いかと思います。

そこで今回は、そんな尿石症の原因や対策・症状などを詳しく解説していきます。

 

尿石症とは?

尿石症とはおしっこの中に結晶が作られてしまう状態で、結晶が成長すると石となり尿石と化してしまう病気です。

結晶の種類は数種類確認されており、主にストルバイト結晶・シュウ酸カルシウム結晶の2つが代表的といわれています。

結石のできる場所に応じて尿路結石・腎結石・膀胱結石など呼び方が変わりますが、総称して尿石症と呼んでいます。

 

尿石症になりやすい犬種

尿石症になりやすい犬種として第一に挙げられるのは「ダルメシアン」です。

ダルメシアンは尿酸塩結晶ができやすい犬として知られています。

また、ほかにもなりやすい犬種としては

  • ダックスフント
  • シュナウザー
  • トイプードル
  • ヨークシャー・テリア
  • ポメラニアン

なども知られていますね。

 

尿石症の原因

では、尿石症になってしまう原因としては何が考えられるでしょうか。

以下、代表的な原因をご紹介します。

膀胱炎

まずは膀胱炎が原因で結晶尿ができてしまうことがあります。

細菌が膀胱内に入ってしまって、炎症が起きると膀胱炎となります。
膀胱内で細菌が増えると、尿のpHがアルカリ性に傾いてしまいます。
その結果、アルカリ尿で生産されやすいストルバイト結晶ができやすくなってしまうのです

とくに女の子のワンちゃんでは、膀胱と尿道の距離が近いため細菌感染による膀胱炎になりやすい特徴があります。

関連記事:犬の膀胱炎はどのくらいで治る?原因はストレス?おすすめのフードはある?

食事の影響

食べているものの影響で結晶ができてしまうケースも多いです。

例えば、結晶の元になりやすいマグネシウムやリンが多い食事を摂り続けていると結晶が作られやすくなります
また、最近ではメジャーになってきている「グレインフリーフード」も高たんぱく食となるので、継続して食べていると結晶の元となってしまう可能性もあります。

排尿回数が少ない

あなたの愛犬は一日何回排尿をしていますか?

5回以上の排泄回数があると安心ですが、1日1~2回しかしないのであれば要注意です

おしっこの回数が少ないと、膀胱に溜まっている時間が長くおしっこがだんだんと濃縮してしまうため、結晶ができやすくなってしまいます。

水分摂取量が少ない

お水の摂取量が少ないとおしっこの量も少なくなってしまいます。

そうするとおしっこの回数自体が減ってしまい、濃縮尿に繋がってしまうのです。

適正量の飲水を行い、きちんとおしっこをしていると安心ですね。

関連記事:犬が水飲まないのは何時間大丈夫?牛乳を与えるのはOK?対策と予防法

 

尿石症の症状

尿石症が疑われる際の症状について説明します。

尿石症は重度になると、尿道に詰まり閉塞してしまうことがあるので、気にしてみておきましょう。

頻尿

膀胱に炎症があると膀胱壁が厚くなりおしっこがためづらくなります。

そのせいで何度もトイレに通ったり、少量しか出ずに何度もおしっこをする症状が現れます。

愛犬が何度もトイレに通っているなと感じたら、少量でも出ているかどうかは必ず確認しておきましょう。

何度もトイレに通っているのにおしっこが出ない状態は大変危険です。

頻尿でも出ているかどうかはとても大事な確認事項ですので、覚えていてくださいね。

関連記事:犬の頻尿の原因は?ストレス?副作用?高齢では注意が必要!

血尿

膀胱炎で炎症があると血尿が出てくることがあります。

おしっこが赤かったり、オレンジっぽくなっていたら血尿が出ています。

血尿は尿石症以外でも症状として現れることがあるので、結晶があるのかどうか尿検査で確定する必要があります。

関連記事:犬の血尿の原因は?高齢だから?膀胱炎?

粗相をする

いつもはトイレでできるのに、違う場所でしてしまうことがありませんか?

そんな時は膀胱内に違和感がありトイレでできなくなってしまっていることも考えられます。
また、粗相をすることは心因性なこともあるため、一概に尿石症と結びつけるのもいけませんが、粗相することも気に留めておきたいですね。

排尿痛がある

排泄時に悲鳴をあげたり、震えながらおしっこをしたりしている時は排尿痛があると予想されます。結晶や結石が尿道を通過する際に痛みが生じることがあるので、排尿時痛が見られた時は獣医師に相談しましょう。

 

尿路閉塞は緊急疾患!

結石が尿道に詰まり、おしっこが出ない状態を尿路閉塞といい、これは緊急疾患としてすぐに診てもらうべき事案です

犬のおしっこが出ない状態を2~3日放っておくと尿毒症という病気になり、命がかなり危険です
また、尿路閉塞は、尿道が細い男の子のほうがリスクが高く、詰まる危険性があります。

おしっこが出ない・トイレに何度も通う・元気がない・食欲がないなどの症状が見られたらすぐに動物病院に連れていきましょう。

治療としてはカテーテル挿入での尿路閉塞解除・手術による結石除去など、負担がかかる治療になるので、なるべく早めに行動することを心がけましょう。

 

尿石症の犬が食べてはいけないもの

尿石症の犬が避けたい食材をご紹介します。

尿石症になっていない犬でも、予防目的でなるべく避けることが好ましいですね。

高タンパク質のもの

ささみやお魚など、タンパク質となる食材を素材のまま与えるとたんぱく質の過剰摂取となり、結晶ができやすくなってしまうため、高たんぱくすぎるものは避けましょう。

最近はメジャーになっているグレインフリーフードも、気を付けてたんぱく質を調整したいですね。

マグネシウムが高いもの

大豆や魚介類などのマグネシウムの含有量が高い食材も結晶の元になるので避けておきましょう。
ドッグフードの中でもマグネシウムの含有量が多く入っているものもあるので、気にしてみておきたいですね。

カルシウムの高いもの

乳製品や鮭などのカルシウムが高い食材も結晶をできやすくする原因となるので、なるべく与えないようにしましょう。
チーズなどは犬に与える飼い主さんが多いかと思いますが、適度な量で過剰摂取はやめておきましょう。

シュウ酸の含有量が多いもの

いわしやブロッコリー・にんじんなどの野菜にはシュウ酸が多く含まれています。

結晶の種類の中にはシュウ酸カルシウム結晶という結晶があり、犬で多く見られる結晶です。
その名の通りシュウ酸が結晶の原因となるので、シュウ酸を多く含む食事は控えておきましょう。

プリン体の多いもの

貝や魚介類に多く含まれているプリン体は尿酸値が高く、尿酸アンモニウム結晶ができやすい原因となります。
とくにダルメシアンは気にしておきたい食材です

人間のお酒や食材でもプリン体ゼロ!というフレーズはよく目にしますよね。
犬にも与えないように心がけましょう。

 

尿石症の治療法

では、尿石症が発覚した際にはどのように治療していくのでしょうか。

獣医師と相談しながら愛犬の様態に合わせて治療を決めていきましょう。

食事療法(療法食)

まず、尿石症の治療として多くの動物病院で提案されるのが食事療法です。

結晶は食べたもので形成されることが多いため、一度尿石ができた犬は食べ物に気を遣う必要があります。
基本的に尿石に配慮された低マグネシウム食や尿のPHを整える調整がされている療法食を食べることがおすすめです。

基本的には、療法食を食べ続け、定期的に尿検査を実施し結晶尿がコントロールできているかどうかをチェックしていきますので、付き合っていく病気にはなるでしょう。

サプリメントの服用

尿のPHを整えたりするために治療としてもサプリメントをおすすめすることも多いです。

ウラジロガシエキスやなどの成分が配合されているサプリメントがおすすめです。

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お薬と違って即効性はないですが、継続投与も安心してできるのがサプリメントですので、尿路系に問題がある犬にはとても向いているといえるでしょう。

輸液療法

排尿の回数が少なかったりすると濃縮尿になり、結石ができやすくなってしまうため、排尿回数を増やす目的で輸液療法を行う場合もあります。
また、血尿や濃縮結晶尿などでは、なるべく悪いおしっこを早めに出させたいので、その目的もあり輸液するケースも多いです。
しかし、閉塞気味であれば輸液することで、尿量が増えてしまうのに排尿できないということになり危険な状態になってしまうため獣医師とよく相談の上実施しましょう。

 

尿石症の予防法

では、尿石症の予防としてはどのようなことができるでしょうか。

簡単に実施できることもあるので取り入れてみましょう。

定期的な尿検査を実施する

まずは尿検査を定期的に実施することは必須ですね。

今までおしっこに問題がなくても、実は結晶尿が作られているケースもかなり多く、見た目では異常ではない健康な尿でも、検診目的でたまに検査してもらいましょう。

排尿回数や排尿姿勢・おしっこの色や量などの異常がないかも日々チェックし、きちんと記録しておくことも大事ですね

食べ物を管理する

何度も言いますが、尿石は食べるもので形成されることが多く、食事管理はとても大事な項目となります。

先ほどご紹介した、尿石症の犬に与えない方が良い食材などを控えるようにし、きちんと栄養管理されたドッグフードを適正量与えましょう。

基本的に人間の食べるものは犬にとっては過剰摂取になることが多いため、ドッグフードのみで育てることが好ましいです。
しかし、どうしてもトッピングしないと食べない悩みを抱えている飼い主さんもいるかと思いますので、その際は食材を気にかけておきましょう。

水分をたくさん摂る

尿の回数や量が少ないと膀胱に尿が溜まっている時間が長く、濃縮尿となり結晶尿が作られやすくなります。
そのため、水分をたくさん飲んで適度におしっこが出るようにしておくことも予防法のひとつです。
かといってお水を飲んでといっても飲んでくれないと思いますので、

    • ウェットフードを与えてみる
    • ちゅーる水など少し味をつけたお水を用意してみる
    • 運動量を増やしてみる

などのお水を飲んでくれる対策を試してみてもいいかもしれませんね。

 

尿石症の治療にかかる費用の目安

定期的なおしっこ検査や療法食・適度な通院でコントロールできている場合の費用の目安は月10,000円~20,000円程度となるでしょう。

ただ、尿路閉塞になってしまった際には、カテーテル挿入での処置や検査・麻酔下での処置など必要に応じて実施されるので、その際は35,000円~150,000円ほどかかるケースもあります。

閉塞しないように早めの受診で結晶尿をコントロールしていきたいですね。

 

まとめ

犬の尿石症は決して少なくなく、多くの犬でかかるリスクがあります。

中でもダルメシアンは高い確率で尿石が形成されることもわかっているので、特に食べ物や水分摂取などを気にかけて、定期的な尿検査なども実施し閉塞しないように早めに対処できるようにしましょう。

結石ができると食べるものにも注意を払う必要があり、基本的には療法食での管理となります。
獣医師と相談しながらご飯や治療を行い、うまくコントロールしていけるといいですね。

 

関連記事:猫の尿路結石を知ろう!フードと与え方・治療・予防法などを徹底解説

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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