2025年版 犬用サプリにデメリットはある?獣医師が正直に解説

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この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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犬用のサプリメントとは?医薬品との違いは?

人においてサプリメントとは、「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」と定義されています。食事で補いきれない栄養素や機能性成分を補助するために作られた、いわゆる「健康食品」に近いものと言われています。犬においても同様で、健康維持や体調管理などを目的に与えるケースがほとんどです。

まず押さえておきたいのは、犬用のサプリメントは「医薬品ではない」ということです。医薬品は病気の治療を目的に科学的検証を重ね、効果や副作用が明確に示されています。
それに対してサプリメントには犬の病気を治す効力を保証するものではありません。

サプリメントは「健康維持や体調管理を補助する」ことが主な役割です。

犬用のサプリメントの注意点

犬用サプリは現在、非常に多くの商品が販売されています。しかし種類が多すぎるため、どれを選べばよいか迷ってしまうのも事実です。

サプリメントを選ぶ注意点として、特に重要なポイントは以下のような点になります。

1.表示規制と品質管理

上述の通り、犬用のサプリメントの多くは「医薬品」や「食品」ではなく「ペット用品(雑貨)」としての扱いになります。

ペットフード安全法や景品表示法にて成分表示や品質の管理が行われていますが、人のように「特定保健用食品(トクホ)」、「栄養機能食品」、「機能性表示食品」といった公的な定義や分類はありません。

2.誇張された安全性や効果

近年では、一部のサプリメントやケア用品で、獣医師目線からすると誇張された安全性や効果をうたった商品も多く見かけます。

私自身も、飼い主様にサプリメントをご提案する場合は、メーカーから提供されたエビデンス(科学的根拠)や自身の使用経験に基づき、信頼できる製品をおすすめするようにしています。

実際にエビデンスが十分でない商品も多く、その効果や安全性をうのみにするのは危険です。
どのサプリメントにするか判断に迷った場合は、獣医師に相談するのがベストです。

3.過剰摂取による栄養過多

総合栄養食を与えている場合、もしくは他のサプリメントを既に与えている場合、さらにサプリを加えると栄養素の過剰摂取になり、最悪の場合は健康を害してしまう可能性があります。

4.エビデンスの欠如

一部のサプリメントにはエビデンスがなく、動物における安全性や効果が確認されていない場合があります。人においては、例えば2024年には人用の紅麹を含む健康食品で健康被害が報告されました。犬も同様で、過去にはペット用おやつで健康被害が疑われた事例もあり、

信頼できる商品選びが重要です。

5.コストの問題

いかに高価で良質はサプリメントを選んでも、効果が実感できずただ出費が増えるだけというケースもあります。数あるサプリメント成分の中で、犬の体調に合ったサプリメントを的確に選択するのは至難の業です。

犬用のサプリメントのデメリット

ここまでは、犬用のサプリメントに関する注意点を解説しました。
次は、上記の内容を踏まえ、想定されるサプリメントのデメリットをご紹介します。

1.必要以上の栄養は吸収されず排泄されてしまう

例えば、水溶性ビタミン(B群・Cなど)は体に蓄積されにくく、余分に摂取した分は尿から排泄されてしまいます。そのため「たくさん与えればもっと健康になる」と思っても、実際には体に利用されない分が無駄になってしまうのです。

また、市販のドッグフードの多くはAAFCO(全米飼料検査官協会)の栄養基準を満たしており、すでに十分量のビタミンが配合されています。つまり、総合栄養食を与えている犬であれば、追加でサプリメントを与える必要がないケースも多いのです。

さらに、「過剰摂取は全く無害」というわけではなく、大量摂取で消化器症状(下痢や軟便)、一部のB群では神経症状が報告されているそうです。ここを誤解して与えすぎてしまうと、体調不良の原因になりかねません。

2.必要以上に摂取した栄養が健康を害してしまう

例えば脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は、水溶性ビタミンと異なり体内に蓄積されやすく、摂りすぎると中毒を起こすリスクが高いと言われています。

ビタミンEは抗酸化作用でよく用いられるサプリメント成分ですが、過剰摂取した猫において出血傾向を起こすリスクがあると報告されています。
ビタミンAやDにおいては、特に犬では過剰摂取で骨格異常や腎障害、肝障害の可能性が考えられています。
ビタミンK3は、貧血や黄疸が生じると言われています。

その他、亜鉛は皮膚の健康に対するサプリメント成分として使用されますが、過剰摂取すると嘔吐や下痢、さらに重度では中毒症状(貧血、肝障害など)につながることも想定されます。
カルシウムの過剰摂取は成長期であれば骨格の異常の他、尿石症(シュウ酸カルシウムなど)の原因になります。

3.摂取した薬がサプリメントの作用を減弱する

人において、サプリメントの規定量を守っているのに十分な効果が得られない際の機序として、肝臓の薬物代謝酵素(特にCYP450)酵素誘導が関係していると言われています。
犬でも人と同様に、一部の薬は肝臓でこの酵素誘導が起こると言われていて、サプリメントの成分の分解が早まってしまう可能性があります。そのことにより、サプリメントの効果を感じなかったり、逆に効きすぎたりする可能性が想定されます。

薬を服用している犬にとっては、サプリメントの使用も慎重になる必要があります。

セントジョーンズワートは人間においてはCYP450に作用する可能性があると言われており、抗てんかん薬などとの相互作用が懸念されます。その他、ビタミンEにおいても、抗血小板薬との併用で出血傾向を助長することがあると言われています。

犬用のサプリメントを与えすぎることのリスク

ここまでは、サプリメントの過剰摂取に関する健康へのデメリットを解説しました。
それを踏まえて、犬用のサプリメントを与えすぎることのリスクを考えてみましょう。

1.栄養成分の重複

上述の通り、総合栄養食を食べている犬では、基本的な栄養素が摂取できていることが殆どです。
ドライフードの表記にある成分に関しては、サプリメントで追加接種する場合は過剰摂取のリスクとなることが想定されます。

また、サプリメントを複数併用する場合も同様で、重複した成分が過剰摂取となってしまう可能性が想定されます。

2.薬との相互作用

薬を飲んでいる犬にサプリメントを与える場合は、その薬との相互作用が懸念されます。

以上のことから、

サプリメントだからと安易に使用するのではなく、本当にサプリメントを与えるべきなのか、獣医師に相談の上使用することが大切です。

獣医師がすすめる正しいサプリメントの活用法

では、どのようにしたら正しく安全にサプリメントを使用することが出来るのでしょうか?

1. 目的を明確にする

様々な商品が発売される中で、主な種類は以下のようなものが挙げられます。
●関節のケア
●皮膚・被毛のケア
●腸内環境のケア
●肝臓や腎臓のケア
●認知機能のケア
●免疫のケア
●尿のケア
●目のケア
●心臓のケア
●口内環境のケア

漠然と「健康に良さそう」で与えるのではなく、どのような目的をもって、どのような成分を与えるのかを明確にすることが非常に重要です。

2. 獣医師に相談する

愛犬がどのようなケアを必要としているのかを判断するのには、

まずは獣医師に相談するのが最適です。
特に薬を服用している犬は必ず獣医師に確認をした上で使用することが、副作用や飲み合わせのリスクを避ける一番の方法です。

3. 信頼できるメーカーを選ぶ

成分表示が明確で、獣医師などの専門家の監修がされている製品を選ぶとより安心です。

4. 継続できるかを考える

サプリメントは長く使用することで効果を実感することが多い為、費用や与えやすさを含めて無理なく続けられる製品を選びましょう。

まとめ

サプリメントには健康維持のメリットがある一方で、科学的根拠が不十分な商品や、与えすぎによる健康への悪影響といったデメリットも存在します。

また、サプリメントは薬と異なり副作用がなく気軽に使用できる印象があり、インターネットで購入してすぐ与えられてしまうことから、自己判断で使用しがちなものです。

本記事をサプリメント選びの一助にして頂くとともに、サプリメントを使用する前は獣医師に相談することを心掛けましょう。

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この記事を書いたのは

獣医師:浅川雅清
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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