最近愛猫が痩せてきた気がする…と気になったことがある飼い主さんは多いのではないのでしょうか。
老化かな?フードが足りないのかな?元気なのにな…など、動物病院に受診するべきなのか悩むこともあるかと思います。
そこで今回は猫が痩せてきた原因や対策、動物病院に診てもらうべきなのかなどを詳しく解説していきます。
猫が痩せてきた原因
猫が痩せていくのにはさまざまな原因が考えられます。
特に、元気でご飯を食べるのに痩せてくるのには病気が隠れている可能性があるので、症状などを知っておいて動物病院の受診を検討しましょう。
フードの量が少ない
まず、体重が減る原因としてご飯を食べる量が足りないことが挙げられます。
みなさんは愛猫の必要カロリーをきちんと計算していますか?
計算すると実は足りていなかった!と判明するケースも多く、与えるフードの量を見直す必要があります。
カロリーが足りないせいで痩せてきたのであれば、ご飯の量を適正に戻せば改善することが多いです。
フードが愛猫に合っていない
ご飯の量が足りていても、愛猫にご飯が合っていない場合は消化吸収が不十分なこともあり、痩せてきてしまうことがあります。
キャットフードを変更したら嘔吐が多くなったり下痢することが増えたりした経験はありませんか?その際は、そのキャットフードが愛猫には合っていないことが考えられます。
これのせいで体重が減ってきてしまっているのであれば、キャットフードの変更と適正なカロリー管理で体重を戻すことができるケースがほとんどです。
消費カロリーが多い
食欲もあり元気で活発なのに痩せてくるのは、摂取カロリーよりも消費カロリーの方が多いことも考えられます。
例えば、多頭飼いの場合は猫同士で追いかけあったりと、飼い主さんと遊んでいる時間以外でも運動していますよね。
さらに、多頭飼いではきちんと食事管理をしていないと、1頭はご飯を食べていても、もう1頭は御飯を盗られているということも多くあります。そのうえで運動量が多いとダイエットしているような状態になり痩せてきてしまうのです。
ストレス性
猫はストレスを感じやすい動物です。
ストレスによって食欲が低下したり胃腸の調子が悪くなったりしてしまいます。
その結果、体重減少に繋がることがあります。
近所で工事している・引っ越しなどの環境の変化があるなどの長期でストレスがかかりそうなできごとが考えられる場合は、対策しておきたいですね。
加齢
わたしたち人間もですが、歳を取ると活動力の低下に伴って、筋肉量の低下・体内の水分量の低下が出てきてしまいます。
また、若い時よりも食べる量が減ったり、嗅覚の衰えにより食べ物に興味がなくなってしまったりして、徐々に痩せてきてしまうのです。
関連記事:猫の老化とは?見逃せない7つのサインと老猫のお世話について
甲状腺機能亢進症
高齢猫に多い病気のひとつに「甲状腺機能亢進症」があります。
これは、元気なのに痩せてくる時、真っ先に疑う病気のひとつです。
代謝を上昇させる働きを持つ甲状腺ホルモンが出すぎてしまう病気で、この病気にかかると基礎代謝が必要以上に上がってしまい、食欲や元気があるのにもかかわらず痩せてきてしまいます。
一見、元気で苦しそうになく病気に見えないのですが、人間で例えると50歳を超えた体が無理やり高校生のように活発に動かされてしまうようなイメージで、かなりしんどさを感じているのです。
元気や食欲があるので、発見が遅れてしまうことが多く、シニアになると定期的な健康診断を受けることが発見の第一の予防法といえます。
関連記事:猫の甲状腺機能亢進症は治らない?余命は?特徴的な症状と治療法
糖尿病
食欲があり元気なのに急激に痩せてくる原因に糖尿病があります。
糖尿病は、甲状腺機能亢進症と合わせて、元気なのに痩せてくるという症状で一番初めに疑う病気です。
体重減少のほかにも、多飲多尿が特徴的です。
たくさんお水を飲みたくさんおしっこをするようになったら要注意です。
糖尿病は放っておくと「糖尿病性ケトアシドーシス」という命に関わる危険な状態になってしまうため、痩せてきたと感じたら動物病院の受診を強くおすすめします。
口腔内疾患
口内炎や歯肉炎など、口に違和感や痛みがあり、食欲が低下してしまうこともあります。
猫はウイルス性疾患で口内炎ができるケースもあり、犬と違って歯石が多くなくても歯肉炎になってしまう動物です。
口のトラブルは意外に珍しくないため、いつでも起こり得ることが予想されるので、気にしておきたいですね。
ドライフードが食べにくく難じたらウェットフードをあげてみるのもひとつの手です。
関連記事:3歳以上の猫の80%が歯周病ってホント?症状・治療・予防について
消化器疾患
便秘や大腸炎など、消化器疾患を患ってしまっている際も、消化吸収が不十分だったり、下痢や嘔吐によってエネルギーが取り込めずに痩せていくことがあります。
疾患によっては治ると体重も徐々に戻ってくることがありますが、付き合っていく病気もあるため、獣医師と相談しながら治療方針を決めていく必要があります。
腎臓病
腎臓病は猫がかかりやすい病気として有名な話ですよね。
その腎臓病を患ってしまった場合も、体重が減っていくことが見られます。
初期であれば、食事管理と内科療法で体重を維持できることも多いですが、末期になるにつれて体重の維持が難しくなってしまいます。
強制給餌などで必要カロリーをなるべく取らせていくことが求められますね。
関連記事:高齢の猫は腎不全(腎臓病)に注意!ステージごとの症状・治療法・食事について
悪性腫瘍
悪性腫瘍、いわゆるガンになってしまった時も痩せてきてしまいます。
ガンの発生部位によって症状は様々ですが、基本的にどの悪性腫瘍も体重減少は見られます。
ガンを患うと体重維持はなかなかに厳しく、対策を頑張っていても実らないことが多いため、覚悟が必要な病気です。
関連記事:猫も癌(がん)になる?猫のおもな癌の種類と治療法・予防法について
猫が痩せてきた時の対策
なんだか痩せてきたかなと思った時、自宅で取り組める対策がいくつかあります。
一度簡単なことから取り入れてみましょう。
フード量を増やす
まずは、摂取カロリーを増やすために、ご飯の量を増やしていくのが第一ですね。
必要カロリーを計算したうえで、きちんとフード量を与えていても、痩せてくるようであればもう少しフードの量を増やしていきましょう。
ただ、いきなり増やすとお腹が受け付けないこともあるので、日にちをかけてじわじわと数グラムずつ増やすといいですね。
運動を制限する
運動量が多く、消費カロリーが多くて痩せてしまう場合は、フード量を増やすだけでなく、運動を少し制限してあげるのも対策のひとつですね。
ただ、飼い主さんとの遊びの時間も猫にとっては嬉しい時間でもあるので、時間を短めにして休憩を挟むなどして調整していけるといいですね。
ウェットフードを与えてみる
口腔内に違和感があったりすると、ドライフードが食べずらくなり体重が減っていくことがあるため、ウェットフードを与えてみることもおすすめです。
また、猫はフードにバリエーションがあることが好ましいため、味変えの意味でもウェットフードを挟むといいですね。
しかし、ウェットフードは水分摂取にはとても向いていますが、カロリーはドライフードより少ないので、しっかりとカロリーが足りるかどうかの計算はしておきましょう。
動物病院を受診する
食べているのにどんどん痩せていく・元気なのに痩せてくるといった際は、あまり様子を見すぎず動物病院の受診をおすすめします。
食欲不振や元気喪失もさまざまな病気の症状として考えられるので、受診を迷った時も、獣医師に相談してみましょう。
猫は病院に連れて行くのもストレスがかかるため、受診に慎重になる飼い主さんは多いと思いますが、糖尿病などの時は特に急いで検査が必要ですので、思い当たる症状があれば検討しましょう。
猫が痩せていかないための予防法
猫が痩せていかないようにするには、適切な食事管理が必要ですが、それでも病気はいつやってきてしまうかわかりません。
病気になってしまうことを予防する対策は難しいですが、せめて早期発見できるように痩せていかないようにする予防法をいくつか紹介します。
体重を定期的に測る習慣をつける
まずは、痩せてきたことがきちんと把握できるように体重は定期的に計測しましょう。
見た目でなんだか最近痩せた気がすると飼い主さんが気付く時には、すでに1㎏近く減っていたなんてこともざらにあります。
せめて一週間に1度でも体重を測り、記録しておくといいでしょう。
飲水量を計測する
痩せていくことの予防法として直結するわけではないですが、飲水量を把握しておくことも病気の早期発見に役立ちます。
中でも、糖尿病は症状に多飲多尿が現れるため、良くお水を飲むようになってなおかつ体重が減っていることに気づいた時には、早めに動物病院で診てもらいましょう。
また、水分摂取量が少ないと、尿石症や腎臓尿などにもあまりよくないため、お水を全然飲んでいないことがわかったら、ウェットフードを与えてみたり、ウォーターボウルを変更したり部屋の環境を変えたりと、対策してみるといいですね。
嘔吐や排泄のチェックを記録する
嘔吐があるか、軟便や便秘がないかなどの排泄の状態を記録するのもとても良いですね。
猫は毛玉を吐く動物ですので、嘔吐の心配基準は難しいかもしれませんが、嘔吐の内容物も含めて記録しておくと、愛猫の嘔吐・排尿排便習慣なども把握でき、異常に気付きやすくなります。
体重のチェックとともに排泄状況や嘔吐の様子を記録していくと、さらに痩せてきたことと関連する異常がないかどうかもわかりやすくなります。
元気なのに痩せてきた時にまず疑う「甲状腺機能亢進症」は嘔吐や下痢が症状として出ることもあり、「糖尿病」は多飲多尿が症状に出てきます。
症状に早めに気付けるよう記録しておくことが早期発見の第一歩となることでしょう。
まとめ
猫が痩せてきた時は、まずカロリー計算や食事を見直してみましょう。
フードの量が実は足りなかった・運動量が多く消費カロリーが多い・フードが体に合っていないなど、ご飯の問題で体重が減少している可能性もあります。
しかし、ご飯の問題だけでなく病気でも痩せてくることがあります。元気なのに痩せてくるという主訴ではまず、甲状腺機能亢進症・糖尿病を疑うケースが多いので、多飲多尿がないか・食欲があるか・嘔吐下痢などがないかは日々チェックしておきたいですね。
また、痩せてきたことに気づくためにも、体重は定期的に計測し、記録しておきましょう。
そして少しでも気になることがあれば、早めに獣医師に相談しましょう。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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