2025年版 獣医師監修 犬の線維肉腫とは?症状や予防法・余命や死亡リスクなど

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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線維肉腫という病気を聞いたことがありますか?

難しそうな名前で、とても怖そうな病名ですね。

今回は、犬の線維肉腫について症状や予防法、予後・余命や死亡リスクまで徹底解説します。

愛犬が線維肉腫と診断されてしまった飼い主さんは、この記事を通して治療の判断や対策などの参考になれば幸いです。

 

線維肉腫とは

線維肉腫とは悪性腫瘍のひとつでいわゆる「ガン」です。

線維芽細胞とよばれる、皮膚の中にあるコラーゲンなどの成分を作り出す組織にできてしまうガンのことで、拡大・浸潤していく悪性の病気です。

実際は猫に多い病気ですが、犬も発生することがあり、発生部位としては口などを中心とする顔まわりや四肢に多いとされています。

ワクチンなどの注射の接種部位に発生することもしばしばありますが、比較的稀なケースとも言えます。

 

線維肉腫の原因

実際のところ、現在線維肉腫の原因の解明にはいたっておらず、原因不明といえるでしょう。

しかし、中には原因ではないかという説も複数存在します。

今回はそんな中から代表的なものをご紹介します。

免疫力の低下

免疫力が低下することで肉腫が発生するという意見もあります。

老齢に多い原因としても頷けますね。

食事をしっかりと摂り、運動も定期的に行い日常生活をしっかりと健康管理しましょう。

また、ステロイドなどの免疫抑制剤を使用しているワンちゃんは、しっかりと獣医師の指導のもと、服用させて定期的に検査をしたりモニターしたりして、相談しながら治療をしていきましょう。

ストレス

明確なメカニズムはわかっていませんが、ストレスが関与しているのではないかという説もあります。

しかし、ストレスは他にもさまざまな病気の発生原因となってしまうので、ストレスをかけないに越したことはないですよね。

なるべくストレスをかけないように暮らす工夫すると良いですね。

関連記事:犬のストレスとは?ストレスサインとその原因、解消法

ワクチン接種

比較的猫に多いワクチンの接種部位に発生する線維肉腫ですが、犬での報告は稀です。

ワクチン接種は大事な病気の予防として必須な行為なので、不安なども含めて獣医師に相談して決めるようにしてくださいね。

 

線維肉腫に罹患しやすい犬種・特徴

基本的に、どの犬種でも発生するリスクがあり、かかりやすい犬種として代表的な犬種はいませんが、高齢の犬に多く発生します。

性差もないため、どの愛犬でもシニアになってくると注意しておきたい病気といえますね。

 

線維肉腫の症状

線維肉腫の症状は、初期で見つけるのが難しいくらいわかりづらいです。

そんな中でも代表的な症状をご紹介します。

口の中や体にしこりやできものができる

一番わかる症状としては「しこりができている」という症状です。

多くは口の中にできる場合と四肢にできる場合があります。

日々触ってなにかできていると感じた際は、早めに行動するようにしてくださいね。

悪性の場合は、しこりが大きくなっていく傾向にあります。

大きさに変化があると感じたら即獣医師に相談しましょう。

出血傾向

しこりから出血してしまうこともあります。

鼻のガンであれば鼻出血、口のガンであれば口腔内出血など場所に限局して症状が出ることが多いです。

しこりが大きくなりつつ出血が見られ始めたら、悪性のことも頭に入れて今後のことを考える必要がありますね。

食欲不振

食欲低下は、口の中の腫瘍に違和感があったりした際におこりやすいです。

腫瘍のステージが進んでしまうと、口の中に限らず最終的に食欲不振は出てきてしまいます。

ガンとの闘病は食事を摂らせたりと、飼い主さんも一緒に頑張る必要があるため、看護を頑張る強い気持ちで覚悟を持ちましょう。

 

線維肉腫の治療法

次に、線維肉腫の治療法についてご紹介します。

獣医師とよく話し合って治療の決断をしましょう。

外科手術

まずは、悪性部分の切除が一番初めに検討される治療法ですね。

ただ、場所によっては摘出不可なケースや四肢にできた際は断脚が必要なケースもあり、また全身麻酔リスクのことも鑑みると、なかなか手術に踏み出せないこともあると思います。
外科手術はご家族間でよく話し合いのうえ、獣医師とも相談して決めると良いですね。

放射線治療

人の医療でも同じように、動物の医療でも放射線治療を実施するケースがあります。

放射線治療は大きな副作用が伴うため慎重に判断していく必要があります。

また、放射線治療の際は麻酔が必要なこともあり、初期の段階では耐えられるかも知れませんが、後期になり体力が衰えている愛犬にはリスクが高いと説明されることがあります。

治療後の予後などの詳しい話をしっかりと獣医師に聞き、納得のいく結果になるかどうかよく相談して決めましょう。

筆者の愛猫は鼻腔内腺癌と診断され、放射線治療に特化している動物病院にお世話になりました。
外科治療は場所的に困難だったため、放射線治療を第二選択としました。
ただ、かなり悩んだ結果、週5日の全身麻酔に耐えられる体ではないとの判断と1か月以上の入院生活になること、放射線治療が終了した際でも延命はもって8カ月程度との説明があったことから、自宅での抗がん剤治療と対症療法を選択しました。

よく話し合い、結論付けることがとても重要だと感じました。

抗がん剤治療

抗がん剤で治療する選択肢もあります。

抗がん剤にも多くの副作用が伴いますので、こちらも慎重に選択する必要があります。

抗がん剤は注射するタイプや服用するタイプもあり、愛犬の性格によって使い分けましょう。
また、抗がん剤の服用はしっかりと獣医師の指示に従い、定期的な通院の元行うようにしてくださいね。

 

線維肉腫の予防法

線維肉腫の予防法は今のところ確立されていません。

しかし、早期発見することが重要なので、それに気付けるようにしたいですね。

スキンシップをする

悪性腫瘍は早期発見が大事になります。

日ごろからスキンシップを欠かさず体を触り、しこりや違和感がないかはチェックしておきましょう。

特に、ワクチンの接種後などは、接種部位を重点的に観察しておくと良いですね。

しこりやできものに気づいたら、あまり長期間様子見をせず動物病院へ受診することをおすすめします。

サプリメントを使用する

線維肉腫に直接的に予防効果のあるサプリメントはありませんが、免疫力の向上をサポートしてくれる核酸やアミノ酸が配合されているサプリメントの服用はおすすめです。

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筆者の愛犬たちも日ごろからサプリメントを服用して健康を維持しています。

 

線維肉腫の予後・余命

線維肉腫と診断された愛犬の予後・余命は気になりますよね。

個体差があるためここでは一般的な平均をご紹介します。

無治療の場合

線維肉腫を無治療で経過する場合の余命は1~3ヶ月程度と言われています。

診断が下って1か月後にはお別れが来ているかもしれないと思うと、耐えられないですよね。
ガンは急激に全身状態を悪化させる、恐ろしいスピードで身体をむしばむ病気です。

治療するかどうかしっかりと相談し決断しましょう。

外科手術を行った場合

外科手術で全摘出を行い、転移がない状態であれば予後は良好なケースもあります。

もちろん、人の医療と同じく再発のリスクなどは捨てきれませんが、正しい治療と看護を行えば2年以上幸せに暮らすことができることがあります。

外科手術は、場所によってとりきれるかどうか、体力的に耐えられるかどうかなど、いくつもの条件が重なって実施されます。

外科手術を選択する時も、ご家族や獣医師と相談の上決断しましょう。

私の個人的な意見ですが、まだ体力があり全摘出が見込めるケースであれば、かなり見込みがあることが多いため、外科手術がおすすめです。

放射線・抗がん剤治療を受けた時

放射線治療・抗がん剤治療を受けた時の予後は、腫瘍の場所やステージの進み具合、治療の進捗などによって大きく異なります。

おおよそ約5か月~2年程度の予後だといわれています。

筆者の場合は、鼻腔内だったことと放射線治療の反応の悪い腫瘍だったことなどから、治療後の余命は8ヶ月といわれていました。
抗がん剤治療で延命は4カ月程度と説明を受け、筆者は愛猫の体力などを考慮して抗がん剤治療を選択しました。

筆者の愛猫は抗がん剤治療と対症療法を続けてガンと診断されてから5か月間闘病を頑張ってくれました。
余命には個体差があるため、しっかりと獣医師に訪ねてそれまでにできることをやって一緒に過ごすことが大切ですね。

 

線維肉腫の治療にかかる費用の目安

線維肉腫は悪性腫瘍です。

治療にはかなりのお金がかかることは理解しておきましょう。

外科治療を行った場合は手術費・入院費を合わせて15~30万円程度、四肢にできた際は断脚の検討が必要なので、断脚の際はさらに費用が加算されます。

また、放射線治療の相場は幅広く、積極的治療と緩和治療でも差が生じますがおおよそ50万円~150万円といわれています。
筆者の場合は放射線治療1か月間18回の照射で180万円と説明がありました。

抗がん剤での治療の際は1回約3万円~4万円程度の費用が掛かりますが、単発ではなく複数回の治療が必要になるため、1か月間の総額は50万円~60万円程度が一般的と言えます。

その他全身状態によって追加の治療も行うため、費用は決して安くはないということを把握しておきましょう。

 

まとめ

犬の線維肉腫は悪性腫瘍で予後もあまりよくない恐ろしい病気です。

口の中をはじめとするお顔回りや四肢にできやすい特徴を持っています。
症状としては目立った症状がなく、発見が遅れるケースも多いです。
しこりができたり食欲不振・出血傾向などが確認されたら早めに獣医師に相談しましょう。
原因は今のところ解明されていませんが、早期発見のための予防策としてスキンシップを欠かさないことや免疫力向上のサプリメントなどを使用することをおすすめします。

治療法は外科治療・放射線治療・抗がん剤治療がメインとなっています。
治療費はそれぞれ決して安くはないため、治療方法は獣医師としっかりと話し合って納得の上進めると良いですね。
予後に関しても、無治療の場合は平均1~3ヶ月といわれていますが、治療を行った場合は治療法や体力などによって異なります。
予後はあまりよくない余命を宣告されてしまう病気ですが、最期まで一緒に闘病し、大切な時間を過ごしてくださいね。

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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