最近やたらと耳を掻いている、なんだか耳がにおう気がする、最近耳の汚れが気になる、といったことはありませんか?もしかすると外耳炎が原因の症状かもしれません。
外耳炎は猫がかかりやすい耳の病気のひとつです。
慢性化することもあり、早期発見、早期治療が重要な病気です。
猫の外耳炎とはどのような病気なのか、原因や症状、おすすめの市販薬、予防法までを詳しく解説していきます。
猫の外耳炎とは?
外耳炎とは、寄生虫や細菌などへの感染、アレルギーなどが原因で外耳(耳の入り口から鼓膜までの間)に炎症が起きる病気です。
猫では日常的に見られる病気のひとつです。
外耳炎には、急激に症状が悪化する「急性外耳炎」と少しずつ症状が進行して、長期にわたって症状が見られる「慢性外耳炎」があります。
外耳炎になると強いかゆみで掻きむしったり、耳の穴が腫れて狭くなったりなどの症状が見られます。
また慢性化すると、炎症が外耳だけに留まらず、中耳や内耳にまでおよんで神経症状が見られるようになる場合もあるため注意が必要です。
猫の外耳炎の原因
猫の外耳炎の原因では、細菌や真菌の繁殖、寄生虫による感染が多く見られます。
そのほか、アレルギー、異物混入などが原因になる場合も。
ここでは、よくある原因として以下の5つを紹介します。
細菌・真菌による炎症
猫の外耳炎の原因の多くは、細菌や真菌の繁殖によるものです。
原因となる菌には、ブドウ球菌(細菌)やマラセチア(真菌)があります。
これらの細菌や真菌は健康な外耳にもいるもので、けっして珍しいものではありません。
皮膚のバリア機能が低下する、外耳に傷ができる、湿り気が多くなるなど、菌が活動しやすい環境になると、繁殖して炎症を引き起こすのです。
とくに、湿度が高くなる時期は耳道に湿気がこもりやすく、悪化の原因になり得ます。
寄生虫の感染
外耳炎の原因となる寄生虫には、ミミダニ(ミミヒゼンダニ)がいます。
ミミダニのおもな感染ルートは動物との接触です。
とくに、外に出る猫を飼っている、野良猫を保護したなどの際は注意が必要でしょう。
ミミダニが原因の場合は、黒っぽい耳あかが大量に発生するのが特徴です。
ミミダニは、大変感染力が強く、多頭飼いで感染が見つかった場合は、全頭治療をおこなうことをおすすめします。
アレルギー・アトピー
一見関係ないようにも思われますが、アレルギーやアトピーのある猫は、外耳炎を併発することがあります。
アレルギーやアトピーは強いかゆみを伴うこともあり、耳を掻きむしり傷つけてしまうことが多いのです。
その傷から細菌などに感染すると、外耳炎を引き起こす原因となり得ます。
関連記事:猫の食物アレルギーとは?症状・検査法・アレルギー用フードの基礎知識
異物混入
猫の外耳炎の原因には、異物混入もあげられます。
よくあるのが、植物の種子です。
耳の中に種子が入って外耳に留まると、継続的に外耳を刺激しつづけることになります。
とくに、返しがついている種子は注意が必要です。
その結果、炎症を引き起こして外耳炎の原因になるのです。
ただし、猫の場合は外に出ることは少ないと思いますので、あまり心配はいらないかもしれません。
腫瘍・炎症性ポリープ
意外に思われるかもしれませんが、腫瘍や炎症性ポリープも外耳炎の原因です。
たとえば、腫瘍やポリープなどがあると違和感から耳を掻きむしり、傷つけてしまうことがあります。
その傷から細菌に感染すると、外耳炎の原因になる場合があるのです。
また、腫瘍が大きくなり外耳をふさいで通気性が悪くなると、湿気がこもって外耳炎を発症しやすくなります。
猫の外耳炎の症状
猫の外耳炎の初期症状では、かゆみや違和感のせいで耳を気にするような様子が見られるようになるでしょう。
さらに、症状が進行して悪化、重症化すると痛みを伴うようにもなります。
具体的には以下のような症状や様子が見られます。
- 耳を掻きむしる
- 頭を振る、床に擦りつける
- 耳垢が増える
- 耳から悪臭がする
- 耳だれが見られる
- 発赤が見られる
- 耳の周辺に脱毛が見られる
耳を掻きむしることで、耳の付け根や額に傷ができる、外耳道が赤くなる、耳血腫(耳介が内出血を起こして腫れる)ができる場合もあります。
外耳炎になりやすい猫の特徴
とくに、外耳炎になりやすい猫種はありませんが、傾向として以下のような猫は外耳炎になりやすいと言われています。
- 折れ耳
- 耳道が狭い
- 耳の中にできものがある
スコティッシュフォールドのような折れ耳の猫は、耳あかが排出されにくい、耳の中が高温多湿になりやすいなど外耳炎になりやすい条件がそろっています。
また、生まれつき耳の形に問題がある、ポリープなどのできものがある場合も外耳炎になりやすいでしょう。
このような特徴を持つ猫は、こまめに耳の中をチェックし、早期発見を心がけてください。
いつもよりも耳をよく掻いているなど、外耳炎を疑う様子が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。
猫の外耳炎の診断法
外耳炎の診断では、どのような検査がおこなわれるのでしょうか。
一般的には以下の検査がおこなわれます。
- 耳の状態を確認
- 耳あかの検査
- 画像診断
- アレルギーや基礎疾患の検査
最初に視診で耳の炎症の程度や、耳あかの量など耳の中の状態を確認します。
耳あかが多く見られた場合は、細菌や真菌、ミミダニがいないか検査をすることになるでしょう。
さらに、皮膚症状など全身状態の確認をし、アレルギーや他の病気の可能性も検討します。
外耳道が塞がっていて奥まで確認できないときは、レントゲン検査やCT検査などの画像診断をおこなうこともあります。
猫の外耳炎の治療法
猫の外耳炎では、耳の洗浄と点耳薬の投薬が一般的です。
また、状況に応じてアレルギーの治療もおこないます。
耳の洗浄
外耳炎の場合、耳が汚れていることが多いため、イヤークリーナーを使用して耳の洗浄をおこないます。
耳の中にイヤークリーナーを入れて、付け根の辺りをもみ込むようにマッサージをして汚れを浮かせます。
猫がブルブルと頭を振ったら出てきた汚れを拭き取ります。
汚れがひどくない場合は、入り口のあたりを拭き取るだけのこともあります。
炎症がひどく痛みがある場合は、内服薬で炎症を落ち着かせてから洗浄することもあります。
点耳薬
耳の洗浄だけでは、細菌や真菌を除去することはできません。
そのため、耳の中がきれいになったら、抗生剤や抗真菌剤の点耳薬を投与します。
ミミダニが原因の外耳炎には、駆虫薬を投与して駆除します。
いずれも再発を防ぐためにも、自己判断で止めることがないようにしましょう。
かならず獣医師の指示に従って投与してください。
アレルギーの治療
アレルギーが原因の外耳炎では、根本となるアレルギーの治療も同時におこないます。
食物アレルギーが疑われる場合は、食事の変更や除去食を検討することになるでしょう。
その他のアレルギーも基本的にはアレルゲンを除去することになります。
たとえば、ハウスダストが原因の場合は、そうじを徹底するなどの対策をおこないます。
必要に応じて、アレルギー対策に効果が期待できるサプリメントの活用も検討すると良いでしょう。
外耳炎の治療期間
外耳炎の治療は、原因や重症度合いによって異なります。
炎症が軽度の場合は、1〜2週間程度で症状が落ち着くことが多いでしょう。
中途半端な状態で治療を終えると、再発して慢性化する原因になります。
獣医師の指示に従って、最後までしっかりと治療をおこないましょう。
一方、慢性の場合は長期にわたって治療をおこなうことがほとんです。
猫によっては、生涯にわたってケアが必要なケースもあります。
またミミダニが原因の場合、しっかりと駆除するには治療と経過観察で1ヶ月以上かかるのが一般的です。
猫の外耳炎の市販薬でおすすめはある?
結論から言うと、市販薬の使用はおすすめしません。
期待に沿えず申し訳ありませんが、愛猫の健康を守るためでもあります。
ネットでは外耳炎をはじめさまざまな薬を簡単に購入できますが、正しい診断ができないなら効き目は期待できません。
1回の使用量や回数、期間なども判断ができませんし、使う薬によっては逆効果になる可能性さえあるのです。
また、耐性菌などの問題もあります。
正確な診断、適切な治療をおこなうためにも、病気が疑われるときは動物病院を受診するようにしましょう。
すぐに受診できないときも、電話で相談し指示を仰ぐようにしてくださいね。
くれぐれも安易な自己判断は避けましょう。
猫の外耳炎の予防と日常のケア
外耳炎の予防には、耳を清潔に保つことが重要です。
また、悪化を防ぐためには、定期的にチェックして早期発見、早期治療につなげる必要があります。
そのための具体的な方法を紹介します。
定期的に耳のお手入れをする
猫の外耳炎の予防法は、定期的にお手入れをして耳を清潔に保つことです。
ただし、間違ったお手入れは耳を傷つけて外耳炎の原因になる可能性がありますので注意しましょう。
猫の耳そうじでは、汚れが気になったときにコットンなどで耳の入り口などの見える範囲を優しく拭き取ってあげるだけで十分です。
頻度としては、月に1〜2回ほどです。
綿棒を使用しての耳そうじは、耳あかを奥に押し込んでしまう危険性があります。
また、猫の耳の中はとてもデリケートです。
嫌がって暴れると、傷つけてしまう可能性も。
耳の奥の汚れが気になるときは、なんらかの異常が隠れているかもしれません。
無理はせずに動物病院を受診しましょう。
定期的に耳のチェックをする
いち早く異常に気づくためにも、定期的に耳の中をチェックすると良いでしょう。
チェックポイントは以下の5つです。
- 耳あかが増えていないか
- 耳あかの色は正常か(黒、こげ茶、ドロドロの黄色は要注意)
- 外耳が炎症や腫れがないか
- 嫌な匂いがしないか
- 耳垂れがないか
もし、これらの症状が見られたら外耳炎の可能性があります。
早めに動物病院を受診してください。
また、異常が見られる場合は、気になっても耳そうじはしないようにしましょう。
悪化させてしまうおそれがあります。
猫の外耳炎の治療費は?
猫の外耳炎の治療では、検査、外耳処置、点耳薬が必要となるケースが多いでしょう。
一般的には、3000〜5000円程度と思われます。
ただし、外耳炎の場合は長期的または継続的な通院が必要となる場合もあり、完治までの治療費は症状などによって大きく異なる可能性があります。
まとめ
外耳炎は猫の耳の病気としては比較的よく見られます。
原因には、細菌や真菌、寄生虫の感染、アレルギーやアトピー、異物混入、腫瘍など多岐にわたります。
軽症であれば、1〜2週間ほどで完治しますが、慢性化すると長期間ケアを必要とするケースもあり、非常に厄介な病気と言えます。
日頃から耳のお手入れをして清潔を保つ、定期的に耳の中をチェックするなど予防に努めるようにしましょう。
また、外耳炎が疑われる症状に気づいたら、早めに動物病院を受診し治療を開始するようにしてくださいね。
関連記事:犬の外耳炎はドラッグストアの市販薬で治る?症状や原因など徹底解説
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この記事を書いたのは
ネコヤ カエ
愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|
ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定
2019年よりフリーライターとしての活動を開始。
ペット専門のライターとしてWebメディアや動物病院HPなどでコラムを多数執筆。
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