獣医師監修 犬の外耳炎はドラッグストアの市販薬で治る?症状や原因など徹底解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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犬を飼っていると頭を振っていたり、耳を後ろ足で掻くような仕草を目にしたことがあると思います。
可愛い仕草ですが、実はそれは外耳炎の兆候かもしれません。

外耳炎は犬では多く見られるため、珍しい病気ではありませんが、自然に治ると思って放置していると取り返しのつかないことになるリスクもあります。

アレルギー性などの繰り返す外耳炎や急性外耳炎など、原因はさまざまですが治療対象となる病気であることには変わりありません。

そこで今回は、犬の耳の洗い方・ドラッグストアの市販薬で大丈夫なのか・原因や症状など、犬の外耳炎について詳しく解説していきます。

 

外耳炎とは?

外耳炎とは、その名の通り耳に炎症が起きている状態を指します。

原因はさまざまですが、犬では日常的によく見られる病気です。

重症化することで肥厚したり、耳の穴が腫れあがって聞こえづらくなったり慢性炎症が続くため、早期治療が求められます。

梅雨時などの蒸れる時期に多くなるのが特徴です。

 

外耳炎の原因

では、外耳炎の原因はどのようなものが考えられるのでしょうか。

以下、代表的な原因を紹介します。

細菌や真菌の繁殖

外耳炎の原因として一番多いのが細菌・真菌の繁殖です。

いわゆるカビで、マラセチアという菌が繁殖して独特の匂いとともにたくさんの耳垢を作り出します。
梅雨時などのじめじめしている季節は耳が蒸れやすく、外耳炎の発症率は上がります。

寄生虫感染

耳ダニという耳に住む寄生虫がいる場合も外耳炎を引き起こす原因になります。

子犬に多く、耳ダニを駆虫する点耳薬を点耳することで治るケースが主です。

アトピー・アレルギー

アトピーやアレルギー疾患を持っている犬では、耳にも派生することがあるため、そのせいで外耳炎を併発することもあります。

アレルギーやアトピーでは、痒みが主に症状として出るため、痒さから耳や体を掻きむしってしまい、一晩でも悪化してしまうことがあります。

アレルギー性疾患やアトピー性などの皮膚炎から外耳炎を患っている場合は、皮膚疾患の治療を優先しておかないと、繰り返し起こってしまうことがあります。
外耳炎の治療と並行して皮膚疾患もコントロールすることがおすすめです。

関連記事:犬のアトピー性皮膚炎とは?その症状や原因、治療とは?

異物混入

耳の中に異物が入った刺激で外耳炎を引き起こすこともあります。

多いのは、お散歩中に植物などの草が耳に入ってしまうケースです。

植物の中には、返しのようなものがついている植物もあり、耳の中に入ると取れないどころか痛みを伴うものもあり、大事になることも実は少なくありません。

お散歩中は愛犬から目を離さず、植物などになるべく近づかないようにしましょう。

腫瘍

耳に腫瘍ができている場合も、外耳炎に繋がることがあります。

腫瘍がある場合、違和感で耳を掻いて炎症になることや腫瘍が大きくなり耳の穴を塞いでしまい通気性が悪くなることから外耳炎になるケースなど、さまざまです。

腫瘍は切除するか縮小を試みて内科療法を試すなど、検討するべきかもしれませんね。

 

外耳炎になりやすい犬種・特徴

外耳炎はどの犬種の犬でも日常的に起こり得る病気です。

しかし、特になりやすい犬の特徴があるため、当てはまる犬種であれば特に注意してみておきたいですね。

耳に毛が生える犬種

トイプードルやシュナウザー・マルチーズなどの、耳に毛が生える犬種は、耳毛のせいで通気性が悪くなり蒸れやすいことから外耳炎になりやすいといえます。

トリミングやグルーミングで耳の毛を定期的に抜き、常に耳の穴が通りやすいようにしておくことが求められます。

耳の垂れている犬種

コッカー・スパニエルやトイプードル・ダックスフントなどの耳が垂れている犬種も、立ち耳の犬種と比べて通気性が悪いことから蒸れやすく、外耳炎に繋がりやすいといえます。
とくにコッカースパニエルなど皮膚状態にも懸念がある犬種は、さらに細菌などの繁殖がしやすく、なりやすい犬種といえるでしょう。

 

外耳炎の症状

では、外耳炎を疑うときの症状はどんなものがあるでしょうか。

愛犬の気になる症状があれば、耳の中をチェックしてみましょう。

耳を痒がる

まず、外耳炎の一番気づきやすい症状として耳が痒いことが挙げられます。

愛犬が後ろ足で耳を掻いている仕草を目にしませんか?

単純に痒いことも考えられますが、耳に炎症があり痒みが出ているケースが多いです。

あまりに痒さが出ていると、掻きむしって悪化することもあるので、エリザベスカラーを着用するなど対策を取り、悪くなる前に獣医師に診てもらいましょう。

頭を振る

耳に違和感があると頭を振ることがあります。

ブルブルを良くしているなと感じたら耳の中をチェックしてみましょう。

耳垢が溜まり違和感がある場合や赤みが増していて痛みが出てきている場合など、頭を振る原因は様々ですが、良く見ておきましょう。

また、重度になると頭が傾いたままになって前提疾患に繋がってしまい、重症化してしまうケースがあります。
あまり長く様子を見ずに獣医師に相談しましょう。

耳が臭い

細菌や真菌が繁殖すると、独特の匂いがするのが特徴です。

そのため、お耳が臭くなってしまうのに気が付くことでしょう。

かびくさいにおいを感じたら、お耳の中をのぞいてニオイをチェックしてみましょう。

耳が赤い・腫れている

外耳炎は耳に炎症が起きるため、耳が赤くなったり腫れてしまったりが肉眼的に確認できます。
赤みや腫れの異常に気付くためには、普段の正常な色を把握しておくことが大切です。
ピンク色であれば正常であることが多く、赤くても白くても異常です。
普段のコミュニケーションの時にでも、時々愛犬の耳をチェックしておくといいですね。

耳を触られるのを嫌がる

痛みがあると、耳を触られるのを嫌がることがあります。

その行動で異常に気付く飼い主さんも多く、触るとギャインと悲鳴を上げるケースもあり、重度になると痛みで食欲が減ったり元気がなくなったりしてしまいます。
早めに動物病院に連れていくことをおすすめします。

耳を気にしてこすりつける

耳の中に異物があったり腫瘍ができている場合、耳をこすりつけて気にしていることが見受けられます。
後ろ足で掻いたり頭を振って違和感を解除したいという仕草も見られますが、ソファや壁にこすりつけているのを見たら、耳の中になにかできていないかチェックしてみましょう。

 

外耳炎の治療法

外耳炎は自然に治るケースも少なくありませんが、基本的には治療対象の病気になります
外耳炎だけだと元気なことがほとんどですので、動物病院に連れて行くのは悩む飼い主さんもいるかと思いますが、数日たっても症状が続いていたりする場合は獣医師の診察を受けることをおすすめします。

耳洗浄

まず、外耳炎では耳垢が溜まっていることがほとんどなので、耳垢を溶かす洗浄液を耳に入れて物理的に耳掃除を行います。
根気的に耳を洗浄して耳垢の除去と耳道の開通を先に行います。

実は、犬の耳掃除は私たち人のように綿棒で軽くするだけでは難しく、高度な技術が必要ですので簡単ではありません。

洗い方は後ほど解説します。

点耳薬

洗浄して綺麗に開通したら、炎症を抑えたり真菌や細菌をやっつけたりする目的で、耳のお薬を点耳します。

点耳薬にも数種類あり、合剤の点耳薬やサラサラタイプの点耳薬・1週間効き目が持続する薬や28日間の持続効果を持つ点耳薬などがあります。

犬の性格や耳の悪さでおすすめが変わります。

例えば、攻撃性のあるタイプの犬では、毎日の点耳が家で難しい場合、28日間の薬を入れるほうが効果があります。
トリミングなどの予約の日にちが近いのであれば1週間にする・耳が肥厚し耳道が狭くなってしまっている犬にはサラサラタイプのお薬など、その都度合わせた点耳薬を処方してもらいましょう。

内服薬・注射

痛みや腫れ・赤みがひどい場合は洗浄の前に注射や内服薬の投与によって、炎症を多少静めてから洗浄・点耳の治療に入るケースもあります。

洗浄液がしみるほどの痛みや皮膚の荒れがあると洗浄に抵抗が出るのももちろん、効果が半減してしまうこともあるので、程度によっては外耳炎の前治療として行うことがあります。

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また、サプリメントの飲用やフードの改善により適切な耳の中の環境をサポートすることも重要です。

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ドラッグストアの市販薬は犬に使える?

基本的には、ドラッグストアでの市販薬は犬にはおすすめしません。

人間用に作られているため容量が多く、舐めてしまうと健康被害が出るものもあるため、動物病院で処方してもらうことがおすすめです。

犬に多い外耳炎の原因であるマラセチアには抗生剤が効きません。
また、ステロイド剤の配合されているものも多く、不適切なタイミングで使用してしまうとより悪化してしまう可能性もあります。

 

犬の耳の洗い方

耳洗浄の仕方は少しコツがいると先ほどご説明しました。

やり方としては以下の通りです。

  1. 犬用の耳の洗浄液を耳道にたっぷりと入れる
  2. その状態のまま5分程度キープする
  3. 手を離して犬に頭をブルブルと振ってもらう
  4. 出てきた耳垢をぬぐい取る
  5. 1~4を繰り返す

実はポイントなのは、綿棒を使わないことです。

犬の耳はL字になっており、奥に入った耳垢はどう頑張っても取れない構造になっています。
そのため綿棒を使うと取れないところに押し込むような形になり逆効果になってしまうことが多くあります。

耳洗浄は根気と我慢強さが必要なので飼い主さんも愛犬とともに頑張らなくてはなりません。

 

外耳炎の予防法

では、なるべく外耳炎にならないようにできることはあるのでしょうか。

簡単にできるものばかりなので取り入れてみてくださいね。

耳洗浄を定期的に行う

月に1度くらいの頻度で、耳の掃除を行いましょう。

洗浄といっても治療の洗い方ではなく、お手入れの一貫としては洗浄液をコットンに浸して耳の中を拭く程度の洗いで十分でしょう。

人間と同じく、耳掃除はやりすぎもよくないですがやらなさすぎると耳垢が溜まってしまうため適度に行うと良いですね。

シャンプー後は完全に乾かす

耳の中の蒸れは細菌の繁殖を助長する最大の敵です。

そのため、梅雨時やシャンプー後に耳が湿ったままだと、外耳炎になる確率がかなり上がってしまいます。
自宅でお風呂に入れた後は完全に乾かすことを心がけましょう。

定期的に耳を覗いておく

健康な時でも、定期的に耳の中をのぞいておくと異常に早く気付くことができ、重度になる前に対処することができます。
外耳炎は治療すると治る病気ですが、繰り返しなることや慢性的になることも多いため、気を抜かずにチェックを怠らないようにしましょう。

 

外耳炎の治療にかかる費用の目安

外耳炎でかかる費用の目安は1回の治療で約3,000円~5,000円程度です。

持続性の点耳薬などを使うとさらに価格はあがりますが、基本的な治療であれば相場としては上記の金額であることが多いです。

通院は最低でも2度は必要なケースが多く、自宅処置できるかどうかなどの犬の性格や生活環境で異なります。

 

まとめ

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犬は外耳炎になりやすく、日常的に多い病気です。

原因としては細菌や真菌の繁殖が一番多く、ほかにも異物混入や腫瘍・アレルギーやアトピー・寄生虫感染などが考えられます。
症状としては耳の赤みや痒み・腫れや独特の匂いなどが出てき、重症であれば耳が分厚くなり耳の穴が狭くなってしまい慢性化することや、痛みや腫れの炎症がひどくなるケースもあります。
その際は、炎症を鎮める治療を優先したのちに、耳洗浄・点耳薬などの外耳炎の治療に取り組むことがあります。
蒸れが大敵なので、シャンプー後や梅雨時は耳の湿気を取り除き、定期的に耳をチェックする習慣をつけることが大切ですね。

関連記事:猫の外耳炎とは?市販薬でおすすめはある?原因・症状・予防法を紹介

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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