猫と暮らすなら、信頼できる動物病院を見つけておくことが大切です。
とはいえ、はじめて猫を迎える方にとっては、良い動物病院を見分けるのは簡単ではありません。
さらに「どうやって連れて行けばいいの?」と悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、猫が安心して通える動物病院の選び方や、上手な連れて行き方を詳しく解説します。
あわせて、猫を病院嫌いにさせないコツなどもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
猫のかかりつけの動物病院を持つメリット
猫もかかりつけの動物病院を持つことが推奨されています。
基礎疾患がある、アレルギー体質など、健康面で気になるところがある場合にはとくに大きなメリットがあります。
健康状態・既往歴を把握してもらえる
かかりつけの動物病院を持つ最大のメリットは、猫の健康状態やこれまでの治療歴(既往歴)、成長過程をしっかりと把握してもらえる点にあります。
また、定期的な健康診断やワクチン接種を通じて、猫の体調の変化を継続的に観察してもらうことができるため、異変があった際にも素早く適切な診断が可能になるでしょう。
関連記事:猫の予防接種とは?種類・頻度・副反応・予防できる6つの感染症について
緊急時に迅速な対応ができる

突然の体調不良や事故など、緊急の場面では早期治療が重要になることもあります。
かかりつけの病院であれば、連絡や受付がスムーズになり、病院側もすぐに必要な処置を検討できるでしょう。
また、過去の病歴やワクチン接種の状況を把握していれば、無駄な検査や処置を省きつつ、正確な判断にもつながるため、結果として猫の負担も軽減されます。
猫が慣れてストレスを軽減できる
猫は環境の変化に敏感な動物で、知らない場所や人に強いストレスを感じます。
かかりつけの病院を決めておくことで、診察室の匂いや獣医師の声、通院の流れに慣れる機会が増え、精神的な負担を軽くすることができるでしょう。
診察時の落ち着きやすさにもつながり、より正確な診察がおこなえるというメリットもあります。
猫におすすめの動物病院の選び方

動物病院を選ぶのは、猫との暮らしに慣れている人でも悩むものです。
まして、はじめての動物病院なら、なにを基準に選んだらいいのかすらわからない状態でしょう。
ここでは、自分に合った動物病院を選ぶために注目するべきポイントをいくつか紹介します。
家から通院しやすい場所と距離
猫を病院に連れて行く際、移動時間はできるだけ短くすることが理想的です。
猫は移動そのものに強いストレスを感じるため、近くてアクセスの良い動物病院を選び、負担を軽減しましょう。
とくに、公共交通機関を使う場合や緊急時のことを考慮すると、遠くても車で15〜20分程度で通える範囲が理想です。
また、車を使用する場合は駐車場の有無、駐車できる台数も確認しておくと安心です。
無理なく受診できる診察時間・緊急時の対応
病院の診察時間が自分のライフスタイルに合っているかも重要です。
平日の日中しか診察していない病院では、働く人が受診するのが難しくなる可能性があります。
一方、平日の診察時間が長い、土日も診療している病院なら働いている人でも通いやすいですし、スケジュールも立てやすくおすすめです。
また、夜間や休日の緊急対応をおこなっているか、提携している夜間病院があるかもチェックポイントです。
緊急時の対応は必ず確認しておきましょう。
費用・支払い方法
動物医療は自由診療のため、治療費が高額になることも珍しくありません。
診察料や検査費、薬代などの基本料金が明示されているか、クレジットカードやキャッシュレス決済が使えるかも確認しておきましょう。
また、ペット保険に加入している場合は、窓口精算に対応しているかどうかも事前に調べておくと安心です。
設備・検査機器の充実度
猫の診療には、血液検査機器やレントゲン、超音波検査などの設備が必要になることがあります。
とくに、慢性疾患を抱える猫や高齢猫の場合、これらの設備の有無が診療の質を大きく左右します。
検査設備が整っていると、その日のうちに結果を知ることができ、早期治療につながります。
設備についてはウェブサイトに掲載されていることも多いので、ぜひ確認しておきましょう。
また、CTやMRI、内視鏡などの精密検査ができる機器があるか、必要に応じて専門医療機関と連携できる態勢が整っているかも重要です。
猫に優しい病院・猫専門病院
犬と猫では診療のアプローチが異なるため、猫の診療に力を入れている病院や「猫専門病院」を選ぶのも有効です。
神経質な猫の場合、猫専用の待合室や診察室があるとほかの動物に怯えることなく落ち着いて診察を受けられます。
さらに、獣医師やスタッフが猫の扱いに慣れていれば、スムーズな診療が可能となります。
また、猫に優しい動物病院として認定されている「キャット・フレンドリー・クリニック」ならより安心して受診できるでしょう。
病院の評判を確認する
インターネットの口コミやSNSの情報、猫を飼っている知人からの紹介などを参考にすることで、病院の雰囲気や対応の良し悪しを事前に知ることができます。
ただし、すべての口コミが正確とは限らないため、複数の情報源から総合的に判断することが大切です。
初回は簡単な健康チェックなどで受診し、自分の目で確かめるのがおすすめです。
良い動物病院を見分けるポイント

動物病院の選び方のポイントを紹介しましたが、では実際に良い病院かどうかを見分けるポイントはあるのでしょうか?
受診した際に意識して確認するべきポイントを紹介します。
院内が清潔である
動物病院の清潔さは、衛生面だけでなくスタッフの管理体制のあらわれでもあります。
待合室や診察室が常に清掃されているか、動物の毛や臭いが放置されていないかなどをチェックしましょう。
清潔な環境は感染症のリスクを下げるとともに、猫自身も落ち着いて過ごしやすくなります。
しっかりと話を聞いてくれる・説明がわかりやすい
信頼できる獣医師は、飼い主さんの話に耳を傾け、専門用語を使わずにわかりやすく説明してくれます。
また、診療方針や検査の必要性、治療の選択肢について丁寧に説明し、質問にも快く応じてくれるでしょう。
獣医師との信頼関係が築ければ、安心して愛猫の健康を任せられるでしょう。
ただし、説明の丁寧さと腕の善し悪しはイコールではありません。
診察中の様子や診断の的確さなども含め、よく観察しましょう。
受付・電話応対の印象が良い
病院の対応は、受付や電話でのやり取りにもあらわれます。
はじめての問い合わせの際に丁寧に対応してくれるか、予約や質問に対して親身に応えてくれるかをチェックしておきましょう。
また、困ったときや悩んだときに、質問や連絡をしやすい雰囲気かどうかも重要です。
スタッフ全体の雰囲気が良い病院は、動物にも飼い主にも優しい傾向があります。
料金が明瞭である
良心的な病院は、診療内容とその費用について明確に説明してくれます。
予想外の追加料金が発生しないか、事前に見積もりがもらえるかどうかも確認しておくと安心でしょう。
元気なときに受診して雰囲気を確認
いきなり病気になってから初めて病院を訪れるのではなく、元気なうちに健康診断やワクチン接種、爪切りなどで訪れて病院の雰囲気を見ておくのがおすすめです。
元気なときであれば、病院やスタッフとの相性、猫の様子などを落ち着いて確認でき、必要なときに安心して利用できるかどうかを判断する材料になります。
動物病院への連れて行き方と注意点
猫を連れて動物病院を受診する際の行き方や注意点を知っておくことで、安全に受診することができます。
はじめての受診の前に、ぜひ確認しておきましょう。
必ずキャリーバッグに入れる

猫を安全に動物病院へ連れて行くには、必ずキャリーバッグを使用しましょう。
抱っこやリードでは逃走や怪我のリスクが高まります。
また、猫がパニックになると捕まえるのは容易ではありません。
ほかの飼い主さんやスタッフにケガをさせてしまう可能性もあります。
キャリーバッグは通気性がよく、中が見えにくいタイプがおすすめです。
また、通院には上部が大きく開くハードタイプのものが推奨されています。
猫の出し入れがしやすく、最悪はそのままでも診察ができる場合もあります。
関連記事:猫のキャリーバッグはリュックがおすすめ?暑さ対策や寒さ対策の解説も
猫を洗濯ネットに入れる

診察時に猫が暴れてしまうことを防ぐには、洗濯ネットに入れてからキャリーバッグに入れる方法がおすすめです。
ネット越しであれば獣医師も安全に診察ができ、猫も過度に拘束されることなく安心できます。
通気性があり、視界も確保できる洗濯ネットは診察時のストレス軽減にもつながります。
関連記事:猫を洗濯ネットに入れるのはなぜ?入れ方やおすすめサイズ紹介
猫の普段の様子がわかる人を連れて行く
病院で猫の症状を正確に伝えるには、普段の様子をよく知っている人が付き添うことが望ましいです。
食欲や排泄の変化、呼吸の状態、行動の異常など、獣医師にとって重要な情報をしっかり伝えることが、的確な診断と治療につながります。
普段の様子がわかる人が連れて行くのが難しい場合は、症状などを書いたメモを用意しておくと良いでしょう。
症状を説明できるようにしておく
猫の症状や気になる点は、事前にメモをしておくと診察がスムーズに進みます。
どんな行動をいつからしているのか、食欲や排便の状況、吐いた回数など、できるだけ具体的に記録しておくことが大切です。
また、下痢や嘔吐などの場合は実物を持参または写真を撮影する、動きがおかしいときは、動画を撮っておくと診断の助けになるでしょう。
猫を動物病院嫌いにしないためのコツ
一般的に猫は、動物病院が嫌いです。
慣れない場所に連れて行かれるだけで不安やストレスを感じます。
猫が少しでも安心して受診できるように対策しておきましょう。
キャリーバッグに慣らしておく

多くの猫はキャリーバッグを「怖い場所へ連れて行かれるもの」として認識しています。
そのため、日頃からキャリーバッグを部屋に置いて、猫が自由に出入りできるようにしておきましょう。
中におやつやお気に入りのおもちゃを入れて、ポジティブな印象を持たせるのもおすすめです。
愛猫のニオイがついたものを持参
猫は自分のニオイがすると安心します。
キャリーバッグに、ふだん自宅で使っている毛布やタオル、お気に入りのクッションなどを入れておくとストレスを軽減できる可能性があります。
また、普段からキャリーバッグを使い、猫のニオイをつけておくのも良いでしょう。
診察台で好物のおやつをあげる
病院での体験を「怖いもの」から「少しうれしいもの」に変えるために、診察が終わったタイミングや落ち着いているときに、好物のおやつをあげるのもおすすめです。
おやつを通じて「病院=ご褒美がもらえる場所」と認識させることで、苦手意識を少しずつ克服させることができます。
あげる場合は、獣医師の許可を得るようにしてください。
まとめ
猫にとって動物病院は健康管理などのために欠かせない存在です。
反面、猫にとっては大きなストレスにもなり得ます。
そのため、事前の準備や病院選びを慎重におこなうことが求められます。
病院選びにおいては、通いやすさや診療時間、設備の充実度、猫への配慮がなされているかなど、総合的に判断することが大切です。
なお、どうしても通院が難しい場合には、往診サービスの利用も視野に入れると良いでしょう。
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この記事を書いたのは
ネコヤ カエ
愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|
ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定
2019年よりフリーライターとしての活動を開始。
ペット専門のライターとしてWebメディアや動物病院HPなどでコラムを多数執筆。
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