インフルエンザは誰もが知っている病名だと思います。
しかし、そのインフルエンザは犬にもかかるのか?人のインフルエンザが犬にうつるのか?と疑問に感じたことのある方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、インフルエンザが犬にとってどういうものなのか、症状や予防法があるのかなどを解説します。
犬はインフルエンザにかかる?

結論からいうと、犬もインフルエンザにはかかると報告されています。
しかし、日本ではまだ発生例がなく清浄国だと認識して良いでしょう。
ただ、海外では発症例がありいつ日本に入ってきてもおかしくない状況にあることは変わりありません。
また、犬のウイルス疾患の中には「パラインフルエンザ」とよばれる病気は広く知られています。いわゆるケンネルコフという犬の風邪のようなものです。子犬が多くかかるイメージですよね。ケンネルコフはイメージ通り子犬に多く、治療せず放っておくと症状が大人になっても続いてしまう恐れがあるので、適切な治療を受けることをおすすめします。
人のインフルエンザは犬に移る?
結論、人のインフルエンザは犬にはうつらないといわれています。
インフルエンザには鳥インフルエンザ・豚インフルエンザなどが有名かと思います。
インフルエンザウイルスが突然変異したことにより、違う動物間で感染が成立してしまいますが、人間と犬の間ではかなりの突然変異が行われないと感染が成立しないとされているため、現時点では人と犬の間でうつること可能性は極めて低いといえます。
同居犬にはうつる?
恐らく想像はついているかと思いますが、犬同士では感染が成立してしまいます。
同居犬がいる場合は、インフルエンザだけに限らず隔離や食器をわけるなど、うつらないような配慮は必要です。
わたしたち人も新型コロナでも隔離生活が推奨されているのと同じで、同居する家族は感染のリスクが最も高くなるため、気をつけましょう。
インフルエンザにかかる原因
日本では発症が確認されていないインフルエンザですが、実際にかかってしまう原因としては、ほかの動物・犬からうつることが第一に挙げられます。
犬の集まるイベントに参加したり、ドッグランやドッグカフェなどに良く行く犬は、感染のリスクが高まってしまいます。
「パラインフルエンザ」に関しては予防ワクチンがあるので感染しても軽症で済むことがありますが、インフルエンザに関しては、予防注射はもちろん、清浄国の日本では抗体がないため、わかっていないことが多く極めて危険です。
インフルエンザの症状
犬がインフルエンザにかかってしまった際にはどのような症状が現れるのでしょうか。
以下、代表的な症状を詳しくご紹介します。
くしゃみ・鼻水
基本的に私たち人と同じような症状が出ることが多いですね。
くしゃみや鼻水などの風邪症状から始まるケースが多いです。
犬はあまり風邪をひかないと聞いたことがあるでしょうか?その通り、犬はあまり風邪ひかない動物だといわれています。ですので、風邪症状がある場合は何かしらのウイルスに感染している可能性が高く、動物病院の受診をおすすめします。
咳
乾いたような咳をするのも特徴です。
犬の病気で多いパラインフルエンザも症状としては咳が特徴ですので、一概にインフルエンザウイルスだとは言えませんが、気にしておきたい症状ですね。
私たち人も同じですが、動物は病原体ウイルスを体内に入れないように防御機能が働きます。その結果咳をし始めることが多く見られます、あまり放っておくと咳がずっと残ってしまう危険性もあるため、獣医師に相談すると良いでしょう。
活動性の低下
倦怠感がでるため、活動性の低下も症状の一つとして挙げられます。
体がだるくて動く気になれずにじっとしている時間が増えることで、元気がないような気がすると飼い主さんが感じることでしょう。
お散歩に行くのを嫌がったり、おもちゃで遊ばなくなったり、いつもあるお迎えがないなど、どんな病気でもあり得る症状ですので重大な病気が隠れている危険性も拭えません。愛犬の
変化として注意深く観察し、あまり様子を見ずに獣医師に相談することをおすすめします。
また、元気がないように感じたりじっとしていえることが増えた場合は、無理にお散歩やおもちゃ遊びをせずに安静に寝かせてあげましょう。
食欲不振
ご飯を食べなくなることも予想されます。
私たちもインフルエンザにかかった時は食欲がなくなり、お腹も空かず食べる気がなくなりますよね。犬も同じくしんどくて食べる気が起きないのです。
食欲旺盛な犬であればあれ?おかしいな?と気づけると思いますが、グルメな犬や食べムラのある犬は食欲の低下が発見しづらい傾向にあります。いつもよりもご飯への興味があるか、他のものを出しても食べないのかなど一通り行い判断しましょう。
発熱
「インフルエンザにかかったら高熱が出る」と私たち人間の医療界では誰もが知っている症状ですよね。
しかし、犬がインフルエンザにかかった際の高熱は重症なことが多く、かなり心配な状態となります。犬の平均体温は人間より高く38.5~39.3度くらいが平熱といわれています。自宅に犬用の体温計を常備しているご家庭は多くないと思いますので、愛犬の耳やお腹などを中心に体を触り、熱がないかチェックしてみましょう。発熱していると重症化している状態なので、前述したほかの症状も恐らく出ているかと予想ができます。気になる症状はすべて獣医師に伝え適切な処置を施してもらいましょう。
呼吸促拍・努力呼吸
いつもより呼吸が荒いと感じた場合はすぐに動物病院に駆け込みましょう。
インフルエンザといっても侮ってはいけません。
開口呼吸が続くと動物は心臓にも負担がかかり心臓発作のようなものが起きてもおかしくありません。
呼吸状態がいつもよりおかしい(胸の膨らみが大きい・呼吸音がするなど)と感じたら努力呼吸といって頑張って息をしている状態となります。極めて危険な状態ですので必ず動物病院を受診してください。
関連記事:犬の息が荒いのはなぜ?ストレス?病気?その見分け方とは?
インフルエンザの治療法
では、万が一愛犬がインフルエンザにかかってしまったら、治療はどのように行われるのでしょうか。
免疫療法
ウイルス感染では、主に体の抵抗力を高めることが重要になってきます。
抗ウイルス薬は、あまりわかっていないことが多いのが現状です。
インターフェロンやサプリメントに代表されるような、免疫をサポートする治療が行われることが多いです。
栄養管理
まず、一番大切なのが栄養管理です。
軽症の場合は、しっかりと栄養のあるものを食べて体力をつけ、病原体に負けないようにすることで自然治癒も可能です。また、脱水症状も出ないように適正量の水分補給もしっかりと管理しておくと良いでしょう。
抗生剤の投与
色のついた鼻水などが出ている場合は細菌感染を併発している可能性があります。
このような場合は、抗生物質を処方されるケースもあります。
細菌感染を併発している際は、自然治癒能力だけでは事足りずしっかりと抗生物質を使って体内の菌をやっつける必要があります。
薬剤感受性試験というどの抗生物質が効くかの検査を行うことで、適切な治療が受けられることでしょう。
輸液療法
症状が重症化すると輸液を行うことがあります。
脱水の改善と体液(電解質)の補正・栄養補給などの目的で行うケースがほとんどです。
ご飯が食べられてない・お水をあまり飲んでいないなど気になることがあれば早めに獣医師に相談しましょう。
インフルエンザの予防法
では、犬がインフルエンザにかからないようにするためにはどういったことができるでしょうか。インフルエンザだけでなく、ほかの細菌感染・ウイルス感染の予防にもなりますので、ぜひ取り組んでみましょう。
犬の集まるところやイベントに注意する
インフルエンザはくしゃみなどによって空気中に浮遊した病原体を吸い込むことによる飛沫感染と皮膚などの直接病原体に触れることによる接触感染の2経路が確認されています。この感染を防ぐためには、必要以上に犬が集まるところは避けた方が無難でしょう。
とはいえ、ペットホテルやトリミング施設の利用、ドッグランを楽しむなど、犬同士の「密」を避けられない状況は多々あります。
そのためにも、日頃から体調管理を行い、免疫力を上げておくことが重要と言えます。
栄養管理をしっかり行う
しっかりと食べてしっかりと栄養を摂ることも予防として効果があります。
こんなことでいいの?と思うかもしれませんが、人間もあまり食べられてなくて弱っている時に風邪をひきやすくなりますよね。犬もきちんと食べて免疫をつけ、病原体に負けない体作りが予防の基本です。
ステロイド剤の長期使用は獣医師に相談する
アレルギーやアジソン病(副腎皮質機能低下症)などでステロイド剤を長期服用している犬もいるかと思います。ステロイド剤は抗炎症作用に優れており処方が珍しくないお薬ですが、免疫抑制作用があるため、長期服用すると感染症にかかりやすくなってしまいます。ただ、ステロイド剤の服用停止が難しいケースもありますので、必ず自分で判断せず獣医師に相談しましょう。
関連記事:犬のアジソン病とは?症状や余命は?治療の方法や費用は?
掃除をこまめに行い、必要に応じて消毒する
衛生管理にも気を使いましょう。汚れた環境が続くと細菌が繁殖してしまいますよね。
こまめに掃除をして清潔な状態をキープしましょう。
また、インフルエンザウイルスは消毒薬も有効です。トイレなどこまめに消毒することも予防に繋がりますので、簡単に実施できる策の一つとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
免疫力を上げる
適度な運動や、健康をサポートするサプリメントが、免疫力を上げる秘訣です。
担子菌抽出エキス(AHCC)を配合したサプリメント等は、免疫力向上もサポートしてくれるのでおすすめです。
免疫力を高めることで、病原体の侵入を防ぎ、防御機能をサポートすることができます。運動習慣や健康補助食品を使用することも予防法の一つですので、ぜひ取り入れてみてください。
まとめ
犬のインフルエンザは現在の日本では確認されていないことがわかりましたね。
また、人のインフルエンザは現段階では犬にうつることは可能性が低いこともわかりました。しかし、海外では犬のインフルエンザが報告されているため、絶対に日本に来ないとはいえません。そのためにも日ごろからしっかりと免疫をつけ、栄養管理をすることが望まれます。また、感染のリスクが高まる行為は避け、予防できる病気は混合ワクチンを接種するなど、インフルエンザだけでなくほかの細菌・ウイルス疾患にかからないように心がけましょう。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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