2025年版 専門家が解説 気になる犬の涙やけを消す方法はある?原因や治療法、拭き方を解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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「愛犬の目の下が茶色く変色しているけどなんでだろう?」と思ったことはありませんか?

拭いても拭いても涙で湿っている、被毛の変色が気になる、ニオイがしてきた。そんなときは「涙やけ」を起こしている可能性があります。

犬の涙やけの原因はさまざまで、逆さまつ毛や鼻涙管の閉塞、アレルギーなどが考えられます。

今回は、そんな犬の涙やけの原因や治療法、正しい拭き方を解説します。

 

犬の涙やけとは?

涙やけとはあふれ出た涙によって目の下の被毛が茶色く変色している状態です。
涙やけ自体は病気なわけではありませんが、病気が原因になっていることも少なくありません。

涙やけはなんらかの異常により、涙が正常に流れなくなってしまったり、過剰に涙が分泌されたりして、行き場のなくなった涙があふれ出ることで起こります。

透明な涙が被毛を茶色く変色させる原因は、涙の成分にあります。
紫外線を浴びたり、細菌が繁殖したりすることで涙に含まれている成分が反応して被毛を変色させるのです。

とくに、薄い毛色の犬や白い毛色の犬は涙やけが目立つため、気になってしまうこともあるでしょう。

 

犬の涙やけの症状

犬の涙やけでは以下のような症状が見られるようになります。

  • 目の下の被毛が茶色く変色する
  • 目の下の被毛が濡れている
  • 目の下の皮膚に炎症が見られることがある
  • 目の下の皮膚がただれることがある
  • 雑菌が繁殖してニオイがする

被毛の色は、茶色のほか、赤茶色や黒っぽく見えることもあります。
また、涙が増えたり、目からあふれ出たりすることで、目の下の被毛が湿りがちになります。

涙やけを放置すると、皮膚の炎症やただれが見られるようになったり、細菌が繁殖してニオイが発生する原因になります。

また、慢性的な涙やけは結膜炎などの目の病気を引き起こすこともあるため油断ができません。

 

犬の涙やけの原因

犬の涙やけの原因は、上でも書いたように目から涙があふれ出ることで、2つに分けることができます。
それぞれの原因について見ていきましょう。

涙の流れに問題が生じている

余分な涙を目から鼻に流す鼻涙管で炎症や細菌などへの感染といった問題が起きている可能性が考えられます。
これらの問題が起きると、鼻涙管が細くなったり詰まったりして、涙がうまく鼻に流れなくなります。
すると、行き場を失った涙が目からあふれ出てしまうことになるのです。

詰まる原因としては以下が考えられます。

  • 鼻涙管閉塞
  • 涙嚢炎
  • 涙点閉鎖症
  • 小涙点症

犬の鼻涙管閉塞は鼻涙管が閉塞している状態で、涙嚢炎は涙嚢や鼻涙管に炎症が起こる病気です。
また、涙点閉鎖症や小涙点症は生まれつき涙点が塞がっているまたは通常よりも狭くなっている病気です。

涙の量が増えている

涙が過剰に分泌されてあふれ出てしまっている可能性が考えられるでしょう。
過剰に分泌される原因としては、目の傷、炎症などで痛みを感じている、逆さまつ毛などで目が常に刺激されている状態になっているなどが考えられます。

  • 眼瞼内反症
  • 異所性睫毛・睫毛乱生
  • 角膜潰瘍
  • ブドウ膜炎
  • アレルギー

犬の眼瞼内反症や異所性睫毛・睫毛乱生は、逆さまつげや本来生える場所ではないところにまつ毛が生えて目を刺激している状態になります。
また、角膜潰瘍は角膜に傷がついた状態、ぶどう膜炎は感染症で目に炎症が起きた状態です。
そのほか、アレルギーが原因になることもあります。

 

犬の涙やけの原因となる病気

涙やけの原因には上述のようにさまざまな病気やアレルギーがあげられます。
そのなかでもよくある病気をいくつか紹介します。

鼻涙管閉塞

犬の涙やけの原因としてもっとも多いと言われているのが「鼻涙管閉塞」です。

鼻涙管閉塞とは、目と鼻をつないでいる鼻涙管がなんらかの理由により塞がってしまった状態のことです。
犬の鼻涙管が閉塞していると、涙が適切に排出できなくなり、目からあふれてしまいます。
その結果、涙やけの原因となります。

鼻涙管閉塞の原因には、先天的な要因と後天的な要因があります。
鼻涙管の入り口の涙点が生まれつきになかったり、外傷や炎症、異物などが詰まったりすることが原因です。

眼瞼内反症

まぶたが内側に巻き込まれ、眼球に接している状態になるのが眼瞼内反症です。
先天性であることが多いとされています。

眼瞼内反症の犬は、まぶたが内側に巻き込まれている状態になるので、常に眼球がまつ毛で刺激されつづけることになります。
その結果、涙が過剰に分泌されて涙やけの原因になるのです。

眼瞼内反症では、常に目に刺激を受けることになるため、炎症や痛みを引き起こす可能性があります。
症状が進行すると、結膜炎や角膜炎の原因になることもあるため注意が必要です。

異所性睫毛・睫毛乱生

まつ毛の生え方の異常も涙やけを引き起こします。
その原因として「異所性睫毛(いしょせいしょうもう)」と「睫毛乱生(しょうもうらんせい)」があります。
いわゆる逆さまつげで、生え方の違いによって分けられています。

異所性睫毛とは、本来睫毛が生える場所ではないところにまつ毛が生えてくる状態です。
犬では、まぶたの裏側に生えて、常に目を刺激しつづけることになります。

一方、睫毛乱生はまつ毛が生えている場所は正常ですが、目に向かって生えているため常に眼球を刺激している状態になります。

いずれにしても、犬はまつ毛が当たることで、違和感や痛みを受けることになり、涙の量が増える原因になり得ます。
また、炎症が起きた際に放置した場合、角膜潰瘍の原因になることもあるため注意が必要です。

アレルギー

犬のアレルギーも涙やけの原因としてあげられています。
犬のアレルギーの原因は、食べ物、ノミ、花粉、ハウスダストなどです。

犬のアレルギーのおもな症状は、皮膚炎や強いかゆみで、目のまわりや、目にかゆみが出ると、目を擦って眼球を傷つけてしまい、涙の量が増える原因になってしまうことがあります。

アレルギーは、涙やけの直接の原因ではありませんが、アレルギー体質の犬は注意が必要でしょう。

関連記事:犬の食物アレルギーは治る?検査の費用やフード・症状など解説

 

犬の涙やけになりやすい犬猫種

涙やけは短頭種や小型犬に多いと言われています。たとえば、以下の犬種などによく見られます。

  • マルチーズ
  • チワワ
  • トイプードル
  • ポメラニアン
  • ビションフリーゼ
  • パグ
  • フレンチ・ブルドッグ

マルチーズやチワワなどの小型犬は、先天的に鼻涙管が狭く、閉塞を起こしやすい傾向があります。

また、パグやフレンチ・ブルドッグなどの短頭種は、顔の構造から先天的に鼻涙管が狭くなっていることが多く、涙やけを起こしやすいと言われています。

そのほか、アレルギーを起こしやすい柴犬やテリア種も注意が必要でしょう。

 

犬の涙やけの治療法と対処法

犬の涙やけは、放置することで炎症や感染症を引き起こすこともあるので、気づいたら早めに動物病院を受診し適切な治療を受けることが大切です。

また、アレルギーが原因の場合は、アレルギー対策を徹底する、食事を見直すなどの対策が必要になる場合もあります。

それでは詳しく見ていきましょう。

原因となる疾患の治療をおこなう

涙やけにはさまざまな原因が考えられます。
そのため、なぜ涙やけが起きているのかを突き止めることが重要です。
そのうえで、原因にあった対処法をおこないます。

たとえば、目を刺激しないようにまわりの毛をカットする、結膜炎やぶどう膜炎、角膜炎などの場合は点眼などそれぞれの病気にあった治療をおこないます。

また、鼻涙管の閉塞が認められる場合は定期的な洗浄や外科手術をおこなう場合もあります。

逆さまつげが原因になっている場合は抜去手術をおこなうことになるでしょう。

アレルギー対策

犬のアレルギーを完治させる治療法は存在しません。
そのため、涙やけの原因がアレルギーの場合は、いかに症状をコントロールするかが課題になります。

抗ヒスタミン薬を使用して、くしゃみ、鼻水、皮膚のかゆみなどのアレルギー特有の症状を抑える、ステロイド薬でアレルギーによる炎症を抑えるといった治療がおこなわれるのが一般的です。
同時に、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を排除することも重要です。

また、アレルギーを軽減する効果が期待できるサプリメントの利用もおすすめです。
ただし、治療中の場合は、かならず獣医師に相談のうえで与えるようにしましょう。

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ドッグフードの見直し

食物アレルギーの場合は、食事内容の見直しをおこないます。
基本的には、原因となっている食物を排除することになります。

食物アレルギーが原因ならアレルゲンの入っていないドッグフードに変えるだけでも涙やけが改善されるでしょう。

そのほかにも、食事が原因で老廃物が溜まり、鼻涙管を詰まらせるのではないかという説もあります。
なるべく添加物の少ない物に変更する、高品質のタンパク質を使用しているフードを与えるなどで改善する場合もあるようです。

いずれにしても、愛犬の体質に合ったドッグフードを与えることが、涙やけの改善につながります。獣医師と相談しながら見直しをおこなうことを推奨します。

 

犬の涙やけの拭き方

犬の涙やけが見られたら、必要に応じて治療することも大切ですが、被毛の変色に関しては、「目の下をこまめに拭く」ことが重要となります。

被毛が涙で湿った状態になっていると、雑菌が繁殖しやすくなり、細菌感染の原因にもなりかねません。
涙はこまめに拭き取るようにしましょう。

涙やけの拭き方のコツは、ガーゼやコットンなどの柔らかいものを使用し、目を傷つけないように優しく拭き取ることです。
専用のウェットシートを使用するのもおすすめです。

被毛が固まっている場合は、塗らしたガーゼやコットンで拭いてから、コームでとかして被毛をほぐしてあげましょう。

また、目の下の被毛をカットすることで、変色した部分が目立たなくなります。
変色が気になる場合は、試してみると良いでしょう。
ただし、嫌がって暴れるような場合は、目を傷つけてしまう可能性がありますので、無理におこなわず、トリミングサロンに依頼することをおすすめします。

 

犬の涙やけの治療にかかる料金の目安

犬の涙やけの治療費は、原因や状態によって大きく異なります。以下は一般的な治療費の目安です。

一般的な治療 5,000円/1回
鼻涙管の洗浄 数千円〜1万円
逆さまつ毛の抜去手術 3,000円

一般的な治療では、検査、点眼薬、内服薬などが含まれた金額です。
また、鼻涙管の洗浄は数千円程度ですが、麻酔や鎮静が必要になった場合は高くなります。

 

まとめ

犬の涙やけは、なんらかの原因により涙の分泌量が増えて、目の下が茶色く変色している状態をさし、特定の病気というわけではありません。
しかし、涙やけの原因には病気や逆さまつげ、アレルギーなどがあり、治療が必要となるケースも多いでしょう。

変色した被毛を奇麗に保つだけなら、こまめなケアで改善する可能性があるかもしれませんが、病気の治療をおこなわなければ根本的な改善にはなりません。

涙の量が増えた、被毛が変色していると感じたら早めに獣医師に相談することをおすすめします。

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この記事を書いたのは
ネコヤ カエ
愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|
ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定
2019年よりフリーライターとしての活動を開始。
ペット専門のライターとしてWebメディアや動物病院HPなどでコラムを多数執筆。
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