愛犬が年齢を重ね、若かった頃に見られなかった下痢を繰り返す様子を見ると、
- 何かの病気ではないか?
- 食事が合わなくなったのかな?
- 動物病院を受診した方がいいのかな?
といった不安や疑問を抱えていませんか?
実は、老犬の場合は消化機能や免疫力が低下することで、下痢を繰り返しやすい傾向があります。
さらに、下痢が何度も続く場合は、病気のサインである可能性があることをご存じでしょうか?
本記事では、老犬が下痢を繰り返す原因や考えられる病気、注意すべき症状、サプリメントなどについて獣医師がわかりやすく解説します。
最後までお読みいただき、愛犬の下痢について理解を深めましょう。
老犬が下痢を繰り返すのはなぜ?
まず、なぜ老犬になると下痢を繰り返しやすくなるのでしょうか?
一般的に老犬では、若い頃に比べて消化管の機能が衰えることから、食事や環境変化のストレスで腸内環境が乱れ、下痢が起こりやすくなります。
その一般的な理由としては、
- 消化酵素の分泌が低下する
- 蠕動運動(消化管の動き)が低下する
- 消化・吸収能力が低下する
- 慢性的な病気が増える
といったことが挙げられます。
このような体の変化により、老犬が下痢を繰り返すことが少なくありません。
老犬が下痢を繰り返す原因とは?
では、老犬はどのような原因で下痢を繰り返してしまうのでしょうか?
老犬の下痢は、大きく分けて以下の3つの原因が考えられます。
- 不適切な食事による消化不良
- 誤飲やストレスなど環境要因
- 消化器や内臓の疾患
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①不適切な食事による消化不良
老犬の下痢でよくある原因として、不適切な食事による消化不良が挙げられます。
具体的なケースとしては、
- フードを急に変更した
- 脂肪分の多い食事を与えた
- 人間の食べ物を与えた
- おやつを与えすぎた
といった場面がよく見られます。
このような不適切な食事により腸内環境が乱れてしまい、下痢を繰り返すことが少なくありません。
フードを変更する際は、1〜2週間ほどかけて徐々に切り替えることが大切です。
また、人間の食べ物を与えることは控え、新しいおやつを与える際は少量から与えることで、愛犬の腸内環境に配慮することが重要です。
②誤飲による消化管への刺激
一般的に犬は好奇心が強く、フード以外のものを誤って飲み込んでしまうことが多くあります。
具体的には、
- おもちゃ
- ビニールや布、綿
- 草や石
- 人の食べ物や薬
といったものが挙げられます。
このような異物を飲み込むと消化管が刺激され、下痢が起こることが少なくありません。
また、中毒や腸閉塞などの危険な状態になる場合もありますので、注意が必要です。
③生活環境の変化によるストレス
老犬は生活環境の変化に敏感で、そのストレスにより下痢を起こすことが少なくありません。
具体的なストレス要因として、
- 引っ越し
- 家族構成の変化
- 来客
- ペットホテル
- お留守番
といったものが挙げられます。
このような原因で下痢をしてしまう場合は、できる限り生活環境を変えないように心がけましょう。
老犬が下痢を繰り返す病気とは?
では、病気が原因で下痢を繰り返してしまう場合は、どのような病気が考えられるのでしょうか?
主な病気としては、
- 慢性腸症
- 食物アレルギー
- 膵炎
- 消化管の腫瘍
- 慢性腎臓病
- 肝臓やホルモンの病気
- 寄生虫感染
といったものが挙げられます。
また、下痢という症状は、消化管の病気以外のさまざまな病気でも起こる症状です。
特に老犬では、慢性的な病気や腫瘍が原因となるケースも少なくありません。
下痢が起きた場合は、様子を見ずに早めに動物病院を受診しましょう。
老犬が下痢を繰り返すときに受診すべき目安とは?
ここまでは、老犬が下痢を繰り返す場合によくある原因について解説しました。
では、老犬では下痢を繰り返す以外に、どのような症状が起きた場合は受診した方がよいのでしょうか?
具体的な症状としては、
- 嘔吐をする
- 食欲がない
- 体重が減る
- 元気がない
- 便に血が混じる
- 水を大量に飲む
- 痙攣を起こす
といった症状を伴う場合には、病気が原因で下痢を繰り返している可能性があります。
これらの症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診するよう心がけましょう。
老犬が下痢を繰り返す際に行う検査とは?
では、実際に動物病院を受診した際には、どのような診察が行われるのでしょうか?
動物病院では、下痢を繰り返す原因を調べるために、症状に応じてさまざまな検査が行われます。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①便検査
便検査では、消化管の寄生虫や細菌、未消化物の有無が調べられます。
②血液検査
血液検査では、肝臓や腎臓、膵臓などのお腹の臓器の状態が確認されます。
同時に、脱水やミネラルバランス、炎症の数値なども測定されることが多いです。
③レントゲン検査
レントゲン検査では、主にお腹の臓器の状態や異物の有無が確認されます。
④超音波検査
超音波検査では、レントゲン検査と比べて、より詳細にお腹の臓器の状態を確認することができます。
⑤内視鏡検査
ここまでの検査で原因の特定が難しい場合や消化管の腫瘍が疑われる場合は、内視鏡検査で、さらに詳細に原因の特定が行われます。
老犬が下痢を繰り返す際におすすめのサプリメントとは?
では、老犬が下痢を繰り返す場合は、どのようなサプリメントが用いられるのでしょうか?
一般的には、腸内環境を整えると考えられている、さまざまな成分が用いられます。
代表的なものとして、
- ビフィズス菌
- フラクトオリゴ糖
- ガラクトオリゴ糖
- 酪酸菌
- サイリウム
- ラクリス菌
- オリゴサッカライド
といったものがよく用いられます。
ただし、サプリメントは薬ではなく、病気を治すものではありません。
自己判断せず、下痢を繰り返す場合は必ず獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬は年齢とともに、お腹の調子を壊しやすくなることがあります。
老犬が下痢を繰り返す原因はさまざまで、しっかりと原因を特定したうえで治療を行うことが大切です。
また、フードやおやつを新しくする際も、腸内環境に配慮してあげましょう。
それでも下痢を繰り返してしまう場合は、サプリメントで体調をサポートしてあげることも選択肢の一つだと考えられます。
愛犬の様子をよく観察し、異変があれば早めに対処することが、愛犬の健康を守る第一歩になります。
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この記事を書いたのは

獣医師:浅川雅清
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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