【2026年版】老犬によくある皮膚病の原因とは?対処法や受診の目安を獣医師が解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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老犬によくある皮膚病の原因とは?対処法や受診の目安を獣医師が解説

愛犬が年齢を重ね、よく皮膚が赤くなったりかゆがったりするようになると、心配になりますよね。

そんなとき、
「皮膚病にかかったのだろうか?」
「動物病院を受診したほうがいいのかな?」
「自宅ではどのようなケアができるのだろうか?」

といった疑問をお持ちではありませんか?

実は、犬は年齢を重ねると皮膚のバリア機能が低下し、皮膚トラブルを起こしやすくなることは少なくありません。

また、内臓の病気が原因で、皮膚トラブルが起こるケースがあることをご存知でしょうか?

本記事では、老犬でよく起こる皮膚病の主な原因や受診の目安、自宅でのケア方法まで獣医師がわかりやすく解説します。

最後までお読みいただき、老犬の皮膚病に関して理解を深めましょう。

老犬に皮膚病が起こる主な原因とは?

まず、なぜ老犬では皮膚病が起こりやすくなるのでしょうか?

老犬では、加齢による免疫力や皮膚のコンディションの変化、アレルギー、ホルモンの病気など、さまざまな原因で皮膚病が起こります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

①皮膚のバリア機能低下

高齢になると皮膚が乾燥しやすくなったり、免疫力が低下したりして、皮膚のバリア機能が低下すると言われています。

その結果、皮膚に細菌や真菌といった病原体が侵入しやすくなるため、皮膚病が起こりやすくなります。

②不適切な環境

高温多湿になると、皮膚で細菌が繁殖しやすくなり、皮膚病が起こりやすくなります。

また、冬になり湿度が低下すると、皮膚が乾燥することで皮膚病が起こりやすくなります。

このような環境の変化に対して、若い頃は問題がなくても、年齢を重ねることで、これまで見られなかった皮膚トラブルが起こることも少なくありません。

さらに、老犬になるとおむつを使用する機会が増えます。

おむつを長時間着けていることで陰部が蒸れ、皮膚病が起こりやすくなるというケースもよくある原因の一つです。

③アレルギー反応

犬のアレルギー性皮膚炎には、大きく分けて「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」があります。

なかでも食物アレルギーは、食べ物(フード)に含まれるアレルゲンが原因で、皮膚のかゆみや炎症、下痢や嘔吐などの症状を起こす病気です。

食物アレルギーは高齢になってから発症することがあるといわれており、今まで食べてきた食材であってもアレルゲンとなることがあります。

④感染症

年齢とともに皮膚バリア機能が低下すると、皮膚に常在する細菌や真菌が過剰に増えたり他の動物が持つ寄生虫に感染したりすることがあります。

具体的な例としては、

  • ノミ
  • マダニ
  • 疥癬(ヒゼンダニ)
  • 毛包虫(ニキビダニ)
  • 皮膚糸状菌
  • マラセチア
  • ブドウ球菌(膿皮症)

などが挙げられます。

特にドッグランやペットホテルなど、犬が多く集まる施設を利用している場合は、注意が必要です。

⑤内分泌疾患(ホルモンの病気)

老犬では、内臓の病気としてホルモンに関係した病気がよく起こります。

具体的な例として、

  • 甲状腺機能低下症
  • 副腎皮質機能亢進症
  • 性ホルモン異常
  • 糖尿病

などが挙げられます。

なかでも、副腎皮質機能亢進症は通称「クッシング症候群」と呼ばれる病気で、皮膚の感染や脱毛が起こりやすくなる病気です。

一見、皮膚だけのトラブルに見える皮膚病ですが、このように内臓の病気が背景に隠れていることがあるので、注意が必要です。

老犬の皮膚病の症状とは?

老犬に皮膚病が起こっている場合、どのような症状が見られるのでしょうか?

代表的な症状として、

  • 毛が抜ける(脱毛)
  • 皮膚をかゆがる
  • 皮膚が赤くなる
  • フケやかさぶたが見られる
  • 被毛や皮膚がパサつく
  • 足先をよく舐める

といった様子が挙げられます。

これらの症状が老犬で見られた場合は、単なる皮膚病だけではなく、前述した基礎疾患のサインであることも珍しくありません。

気づいたときは早めに獣医師に相談することが大切です。

老犬の皮膚病にかかりやすい犬種とは?

では、どのような犬種で皮膚病は起こりやすいのでしょうか?

以下に挙げる犬種は、一般的に皮膚病が起こりやすいと言われています。

  • 柴犬
  • フレンチブルドッグ
  • シーズー
  • ゴールデン・レトリバー
  • ウエスト・ハイランド・ホワイトテリア
  • アメリカン・コッカー・スパニエル

これらの犬種では、日頃からこまめに皮膚をチェックし、異常がないか確認しましょう。

老犬の皮膚病で動物病院を受診するタイミングとは?

ここまでは、老犬で起きる皮膚病の症状や原因について解説しました。

では、実際に皮膚病が疑われる場合、どのような様子が見られたら動物病院を受診すべきなのでしょうか?

具体的な例として、

  • 皮膚の赤みが広範囲である
  • かゆみが強い
  • 脱毛が進行している
  • よく水を飲むようになった
  • 嘔吐や下痢をしている
  • 体が冷たく感じる

といった様子が挙げられます。

これらの症状が認められた場合は、皮膚だけのトラブルではなく、前述の基礎疾患が隠れている可能性が高まりますので注意が必要です。

老犬の皮膚病の主な治療法とは?

では、動物病院を受診したあとは、どのような方法で皮膚病の治療が行われるのでしょうか?

よく行われる治療法の例としては、

  • 抗生剤
  • 抗真菌薬
  • かゆみ止め
  • アレルギー用の療法食
  • サプリメント
  • スキンケアの指導

などが挙げられます。

皮膚病の状態により、これらを組み合わせて治療が行われることが一般的です。

老犬の皮膚病に対する対処法とは?

愛犬の皮膚トラブルに気づいたときは、まずは動物病院を受診することが大切です。

では、実際に愛犬の皮膚トラブルの治療が終わったあと、再発防止のために自宅ではどのような対処ができるのでしょうか?

具体的な方法を詳しく見ていきましょう。

①適切なスキンケアを行う

老犬の皮膚は乾燥しやすいので、シャンプーは保湿力の高いシャンプー剤を使用し、定期的に行いましょう。

洗いすぎや洗浄力の強いシャンプーは皮脂を過剰に奪い、皮膚バリア機能の低下につながる可能性があるため、注意が必要です。

②サプリメントで皮膚を内側からサポートする

一般的に老犬の皮膚の健康には、

  • オメガ3脂肪酸(DHA / EPA)
  • ビタミンE
  • 亜鉛
  • プロテオグリカン
  • LPS(リポポリサッカライド)
  • フランス海岸松樹皮抽出物

といったサプリメント成分が用いられます。

ただし、サプリメントはあくまで補助的なものであり、治療の代わりになるものではありません。

また、すべての老犬に効果が見られるわけではないため、自己判断で使用するのではなく、事前に獣医師へ相談することが大切です。

③環境管理を行う

夏は湿度や気温が高くなるため、蒸れやすい部位(脇、内股、耳の裏など)は清潔に保つことが大切です。

涼しい室内環境を作り、毛が長い部位は短めにカットして通気性を向上させましょう。

また、おむつを使用している場合は、可能な限り短い時間で使用するよう心がけましょう。

冬は加湿器を使用し、湿度を適切に保つことも重要です。

まとめ

今回は、老犬で起こる皮膚病におけるよくある症状や原因、受診すべきタイミング、自宅での対処法などを解説しました。

老犬の皮膚病ではさまざまな原因が隠れていることが多いため、正しい原因の特定が重要となります。

放置すると、皮膚だけではなく全身のトラブルへと発展してしまう可能性もあるため、早めに動物病院を受診するよう心がけましょう。

また、皮膚病を繰り返す場合や、ふけや乾燥が気になり始めた場合は、自宅でのスキンケアの見直しやサプリメントの使用を検討するタイミングかもしれません。

本記事を参考に、愛犬の皮膚の健康をサポートする一助になれば幸いです。

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この記事を書いたのは

獣医師:浅川雅清
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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