動物看護師解説 猫が若いのに眠るように突然死する理由は?原因や前兆・予防法解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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突然死と聞くと誰もが想像したくないことだと思います。

しかし、猫を飼っていると突然死については考えておくべきでしょう。

実は、猫が突然眠るように亡くなってしまうのは年間を通して少なからず報告されていて、身近な話としてよく聞きます。
猫の飼い主としての理想は、できる限りの闘病生活を終えて寿命を全うし、空へ旅立つことを願いますよね。

そこで今回は、猫が若くても突然死してしまう原因や前兆・予防対策などをご紹介します。

少しでも対策することができれば、突然の別れのリスクを下げることもできますので、ぜひ取り組んでみてくださいね。

 

猫が突然死する原因

猫が突然死してしまう原因としては、複数考えられます。

亡くなってしまったあとに検査などを実施しない限り突然死の原因を究明することが難しいため、考えられる原因として代表的なものをご紹介します。

心筋症

突然死の原因として一番多いと考えられているのが心筋症、いわゆる心臓病ですね。

猫は肥大型心筋症という心臓病にかかることが多く、初期の段階で目立った症状が露見しないため早期発見が難しいことから、元気だったのに突然死んでしまったという悲しみに繋がってしまいます。

心筋症の後期の症状は、呼吸回数が多くなる・活動性の低下・開口呼吸をする・咳をするなどが現れます。
中でも、猫が開口呼吸しているのは大変危険で、かなり重篤な状態と考えられます。
迷うことなく動物病院へ駆け込みましょう。

心筋症では、昨日まで元気だったのに翌日に眠るように亡くなっているという状況がかなりあり得る病気ですので、少しでも愛猫の様子がおかしいと感じたらすぐに獣医師に相談しましょう。

関連記事:猫の肥大型心筋症とは?ACVIMのガイドラインを中心に解説

事故

交通事故などの事故でも突然の別れは起こり得ます。

完全室内飼育猫がほとんどを占めるご時世になってきましたが、中には外飼いしているご家庭も少なからずあるかと思います。

外へ出る猫は、いつでも事故に遭ってしまう可能性があります。

事故だけでなく、感染症などの心配からも完全室内飼育を強く推奨します。

また、外飼いしていない猫でも、目を離したすきに脱走してしまったという話も多く耳にします。
ベランダや玄関の扉は、猫の脱走を防止するために柵やネットを設置するなどして厳重にしておきましょう。

事故で突然死を招くのは、あまりに惜しく悲しいので、後悔しないためにもうちの子は大丈夫と思わずに対策しておくことをおすすめします。

フィラリア症

フィラリア症という病名はご存知でしょうか?

蚊が媒介する寄生虫で、血液中に寄生後、成長とともに心臓へ移動します。
症状が出る頃には重篤になっており、気づかないまま突然亡くなってしまうケースが多く治療が難しい病気のひとつです。

犬の飼い主さんであればみなさん知っているフィラリア症ですが、実は猫もかかる病気なのです。
さらに、猫は少数の寄生でも突然死を招いてしまう危険があり、犬と違ってフィラリアの寄生を検査する術がないので、とても厄介です。

しかし、安心してください。
フィラリア症には予防薬があります。

毎月背中に滴下する液体タイプのフィラリア予防薬になり、お薬を飲ませるのが難しい猫でも簡単に予防できます。
近年ではフィラリア予防をする猫が増えており、3ヶ月に1度の滴下で効果が出るようなお薬も売られています。
猫に優しくなおかつ安心材料として多くの飼い主さんに選ばれています。

血栓塞栓症

血栓塞栓症とは血液が何かしらの原因で固まり、血栓が形成され、血管内を流れるうちに詰まってしまいうっ滞を起こす状態のことを指します。

激しい痛みや麻痺・後肢が立たなくなるなどの症状が突然出てくるため、驚く飼い主さんも多いでしょう。
急激な症状の悪化を招くため、その日のうちに亡くなってしまう突然死の恐れのある、非常に致死率の高い緊急疾患です。
急におかしくなったらすぐに動物病院へ連れていきましょう。

恐怖やストレス

猫はストレスに弱い動物です。

ストレスで死ぬなんて…と思うかもしれませんが、実はストレスや恐怖心から命を落とす猫も年間少なからずいるのが現状です。

雷や工事・嵐や台風などの自然災害で恐怖を感じて心臓に負担がかかったり、移動や環境の変化などはかなりのストレスになるケースですので慎重に行いましょう。

恐怖心が高まると猫は震えて縮こまり、最終的に口を開けてはぁはぁしている状態になります。
この状態はかなり危険ですので、猫が開口呼吸している場合は速やかに落ち着けるようしてあげましょう。

 

猫が突然死する前兆

猫が突然死してしまうことを示唆する予兆のようなものがあるのでしょうか。

突然死なのだから一瞬でしょ、と思うかもしれませんが、亡くなる前はなにかしら多少の症状が出ることが多いため、動物病院へ駆け込めば助かる可能性ももちろんありありますよね。
そのためにもおかしいことに早めに気付くことが大切です。

体重減少

じわじわとまたは急激に体重が減っていくのも亡くなる前兆といえるでしょう。

異常に気付くためにも定期的に体重を測定しておくことはとても大事です。

食べて元気なのに痩せていく主な猫の病気は「糖尿病」「甲状腺機能亢進症」が挙げられ、罹患率は決して低くない病気です。
とくに、糖尿病は気付かずに放置しているとケトアシドーシスという緊急性の高い状態になってしまい、症状が出始めてから数日のうちに突然死んでしまうという状況が起こり得る病気です。
体重測定のほかにも、飲水量チェックやカロリー計算・排泄のチェックなどを怠らないようにしていれば、異常に早く気付くことができます。
ぜひ日々の習慣として愛猫の健康チェックをしてくださいね。

関連記事:猫が元気なのに痩せてきたのは病気?フードが原因?

静かなところにいる・引きこもる

猫が引きこもるのは、具合が悪いサインであることが多いです。

他にも恐怖や好みなどはありますが、普段人の近くにいるのにやけに隅っこに行きたがったり、狭いところに引きこもったりしている時は、おかしなところがないか見てみてしょう。

数日引きこもりが続くと元気だったのに突然亡くなっていたというケースも存在する、侮ってはいけない異常なので、あまり長く様子見をせずに獣医師に相談しましょう。

また、猫は体調が悪いのを隠すのが上手な動物ですので、飼い主さんが猫のSOSに気付けるように日々観察しておきましょう。

低体温

亡くなる前の前兆として低体温になることがあります。

猫の体温は38.5~39.3℃程度が平均といわれています。
抱っこしたり触っていたりすると人間よりも暖かいと感じるかと思います。
しかし、なんだか冷たく感じる・暖かく感じないという場合は、低体温になっていることが多く、命の危険が迫っていることも考えられます。

一概に低体温が前兆とは言えませんが、亡くなる前に体温が下がることはよくあるので、あれ?と思ったら一度獣医師に相談してみましょう。

活動性の低下・食欲減退・元気喪失

なくなる前兆としては食欲減退・元気喪失・活動性の低下などの目に見える異常が挙げられます。
猫は、ストレスに弱く動物病院に連れていきたくても、連れていくことのストレスや大変さとてんびんにかけて、様子見するという飼い主さんは多いのではないでしょうか。

しかし、その様子見で突然死に繋がってしまうこともあるのです。

猫は絶食期間が長いと、そのせいで「肝リピドーシス」という違う病気になり命を落としてしまうため、長期間の様子見は危険なケースもあります。
元気がない・動きたがらない・食欲がない、は病気のサインであることが多いです。
連れて行かないにしても獣医師に相談しておくことをおすすめします。

関連記事:猫が食欲不振で寝てばかりだけど大丈夫?原因と対処法などを紹介

 

突然死のリスクを減らす予防法

では、突然死のリスクを減らす予防法はどんなものがあるでしょうか。

簡単に実施できるものばかりですので、後悔のないように取り組んでみましょう。

完全室内飼育にする

まず一番大事なのは猫を外に出さないことです。

例え家庭猫であっても、野良のように外へ出る生活をしている猫は、事故に遭うリスクも感染症にかかるリスクも完全室内飼育猫に比べると圧倒的に高いです。

そのため、完全室内飼育を徹底することが突然死のリスクを減らすには効果絶大です。

室温湿度を管理する

ヒートショックという言葉をご存知ですか?

人間の医療界で良く聞く言葉ですが、急激な温度の変化で心筋梗塞などの急性疾患を引き起こす怖い現象です。

猫でも起こり得るこのヒートショックですが、防ぐためには寒暖差をなくすことが大切です。
例えば、寒い冬に動物病院などの猫を連れて外出しなくてはならない際は、カイロなどを敷いたキャリーに暖かいブランケットなどで部屋の温度と変わらない環境を作ってあげましょう。
また、夏場は熱中症になる猫が多いため、通年を通して部屋の温度は一定に保つようにしましょう。

予防薬を毎月投与する

フィラリア症での突然死を防ぐには予防薬を投与するのが最も効果的です。

猫は背中に液体をスポットするタイプのお薬になります。

最近では、3ヶ月に1回滴下するだけで効果があるお薬も出ているので、嫌がる猫でも予防することができます。係りつけの動物病院で相談してみてくださいね。

定期的に検診を受ける

健康診断を受けるのもとても重要です。

猫は来院することがストレスに繋がったり、できることならあまり動物病院へ連れていきたくないのが猫の飼い主さんの心理だと思います。
しかし、健康な時ほど早期発見のために健康診断を受けることが大切です。
病気に気づかないままいると突然のお別れになってしまうこともあるため、突然死を防ぐ対策のひとつとしてもおすすめです。

肥満にさせない

肥満は心臓病にかかるリスクも高めてしまいます。

心臓病は一番の突然死の原因となるので、食事管理と体重管理は徹底しましょう。

さらに、肥満は心臓病だけでなく、糖尿病などさまざまな病気の原因となるので体型は維持しておきたいですね。

関連記事:猫のダイエットはフードの与え方と適切な運動が重要

 

まとめ

猫が突然死してしまう悲しい事態は、年間実は少なくありません。

突然死の最大の原因は心臓病であることが多く、ほかにも事故やフィラリア症・血栓塞栓症などさまざまな原因が考えられます。

また、恐怖やストレスで心臓に負担をかける可能性もあり、ストレスがかかる出来事が控えている場合は、慎重に対策することが求められます。

突然死のリスクを減らす予防法としては、フィラリア予防薬を投与する・肥満にさせないこと・完全室内飼育にして室内の温湿度をきちんと管理するなど、簡単なことからできることがあるので、ぜひ取り組んでみてくださいね。

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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