猫がうんちをしてくれないことが悩みになったことがある飼い主さんは多いかと思います。
元気そうだけど動物病院に行った方がいいのかな?と迷う飼い主さんもまた多いのではないでしょうか。
この記事では、子猫の時や来たばかりの時、便秘が疑われる時などのケース別の対処法をご紹介していきます。
猫のうんちが出ない時、何日で病院に行くべき?
うんちが出ないと簡単にいっても、実は、命を落とすことのある怖い病気が隠れていることもあります。
便秘が原因で命を落とした猫ちゃんを少なからず年間数頭は見てきました。
侮ってはいけない怖い症状です。
では実際、何日くらい出ないと気を付けるべきなのでしょうか?
それは猫の個体差にもよりますが、「2~3日」が限度といわれています。
丸2日以上排便がないと便秘の疑いがあります。その際は動物病院に相談することをおすすめします。
来たばかりの猫がうんちしない時は?
譲渡されてすぐやペットショップで購入後すぐは、環境の変化によりトイレがうまくできない猫は多いです。
怖がりが多い猫は、安心した場所でないと排泄ができない動物ですので、来たばかりの時に排便がない際は、猫をひとりにして家族は退出し、人目のない落ち着く静かな環境を数時間作り、様子を見てみましょう。
精神的な不安から排便しないケースであればそれで解決するケースも多いです。
さらに、トイレを清潔にしておくことも重要です。
例えば、多頭飼いの場合は先住猫が使っているトイレではできない場合があるため、新しく迎える子用に新品のトイレを用意する必要があります。
トイレの環境や人目のない空間・不安を取り除いた空間を作った上で、2日以上の排便がない際は動物病院に相談することをおすすめします。
子猫(新生児)の排泄補助
生まれて間もない新生児期の猫の場合は、自力排泄がまだ困難なため排泄の介助が必要です。
母猫がやるように陰部・肛門を優しく刺激して排泄を促してあげましょう。
それでも出にくい場合は半身浴の要領でお湯につけながらやると良いですね。
子猫の排尿介助は比較的簡単ですが、排便は少しテクニックがいる猫もいるため、うまくいかない場合は獣医師にお願いしましょう。
子猫は成猫と違って身体に余裕がないため、排便できないまま2日様子を見ていると最悪の場合亡くなってしまうということもあります。出ないと思ったら即行動を心がけるといいですね。
猫のうんちが出ない原因
では、猫のうんちが出なくなる原因は何なのでしょうか。
以下、代表的な原因を紹介します。
腸や骨盤の形
生まれつき腸や骨盤の形の問題で、自力で排便しずらい猫がいます。便が固くなってしまうと、より排便が困難になってしまいます。このような子は、日ごろから以下に挙げるような水分摂取や食事の工夫、運動習慣などを取り入れて対策していく必要があります。
水分摂取不足
飲水量が不足すると、消化器官内で作られる便にも水分が十分に行き届かなくなり、カチカチの便が作られてしまいます。硬くなった便は排出するのも体力を使い、さらに消化管内に滞ると腸の出口が圧迫され「巨大結腸症」とよばれる直腸内に便が詰まってしまう状態になります。ですので、適量の水分摂取が必要です。
食事の影響
ご飯が愛猫の体に合わないと下痢したり嘔吐したりすることがありますよね。
それと同じで、合わないご飯を食べていると便秘になってしまうケースもあります。
運動不足
適度な運動は腸の動きを良くする効果もあり、運動不足の猫は便秘になりやすい傾向にあります。しっかり食べて適度に運動して睡眠をとる健康的な生活が求められます。
食事量不足
高齢猫や病気を持っている猫は食事があまり摂れないこともありますよね。その際、うんちが出ないことを心配される飼い主さんがいます。単純に便は食べたものから作られるため、十分量の食事を摂っていない場合はそもそもうんちが作られていないため、出なくても不思議はないのです。
また、猫は絶食が数日続くと「肝リピドーシス」という命にかかわる恐ろしい病気にかかってしまうことがあります。食事が適切に取れていない時は、迷わず動物病院を受診するようにしましょう。
消化器疾患
消化器に何らかの疾患がある際ことも、便秘になってしまう原因の一つです。
便は消化器官で作られるため、その機能に問題があると便にも影響が出てきてしまいます。その際は、その病気の治療や緩和療法などの対処が必要です。
肛門嚢炎など排泄時痛がある
肛門周囲に痛みや排便時痛がある際も、うんちしたら痛いから嫌だと感じるようになり排便が減る傾向にあります。
肛門嚢炎は犬に多いとイメージがついているかもしれませんが、猫にも発症します。肛門嚢と呼ばれる袋の中に、ニオイのついた液体がたまります。それを定期的に出していないと溜まってしまい、破裂してしまうのです。自力でケアできない子は、肛門嚢しぼりを定期的に行うことが求められます。
内服薬の副作用
止瀉薬やほかの薬でも、内服薬の副作用には便秘が認められるものもあります。
うんちが出てないことが心配になった時に、現在服用しているお薬がある際は一度処方してもらった獣医師に相談してみるといいですね。
毛玉
猫は毛玉を吐く動物です。しかし中にはあまり吐かない猫もいます。
グルーミングの際に取り込んだ毛玉を吐けない場合、消化管内に蓄積され溜まってしまうと「毛球症」という病気になってしまう可能性もあります。
毛玉が消化管内に溜まっていると消化器の動きが悪くなり、便の排出にも影響が出ます。それが原因で便秘になることがあります。
毛玉を排泄しやすくする健康食品などもありますので、上手に吐けない子は日頃からケアするようにしましょう。
関連記事:猫が換毛期に毛玉吐く?換毛期に起こるトラブルと対策
便秘の症状
では、便秘の際にはどのような症状が出るのでしょうか。
私たち人間と大きく変わらない症状ですが、詳しく見ていきましょう。
お腹が張っていて硬い
私たち人も便秘だとお腹が張ったような感じがして苦しいですよね。
猫も同じでお腹が張ります。お腹を触ると硬く感じることもあり、うんちが溜まっているのが触診でもわかることがほとんどです。便秘の猫は便がカチカチになっている場合が多いため、お腹がいつもより硬く感じたら便秘を疑ってみましょう。
食欲不振・元気喪失
便秘は消化器官の活動を弱め、食欲低下を引き起こすことがあります。また、過度な便秘により、嘔吐や元気喪失などの症状が出ることもあります。便秘による食欲不振や元気喪失は、適切に排泄すれば治ることが多いです。
関連記事:猫が食欲不振で寝てばかりだけど大丈夫?原因と対処法などを紹介
トイレで排便時力んでいる・排便時に嘔吐がある
便秘の猫は排便時に時間がかかり力んでいるのも特徴です。また、きばりすぎて排出した直後に嘔吐するケースもあります。
さらに、排便時に痛みを伴い、声をあげている場合は肛門が切れてしまうケースもあります。これにより、さらなる便秘にも繋がってしまうので、排便時痛がある場合は要注意です。
猫のうんちが出ない時の対処法
うんちが丸2日以上出ていない時、できる対処法としては何があるでしょうか。
動物病院に連れていく
まず、動物病院に連れていくことが一番の解決策になります。
動物病院では、レントゲン撮影やエコー検査などにより、腸の状態を確認してもらうことができます。巨大結腸症になっているかのチェックや、必要であれば浣腸の処置、下剤の処方なども行われます。
何より、便秘の根本的な原因や、他に大きな病気が潜んでいないかを確認することが重要です。
病院に連れていくことが、猫のストレスになることもあるため、できることなら来院せずにどうにかしたいと思う場合もあるでしょう。
しかし、ただの便秘と自己判断することで、重大な問題を見逃してしまう可能性も否定できません。いつもと様子の違う時は、一度受診することを強くおすすめします。
オリーブオイルで刺激する
ご自宅でできる優しい方法として、肛門部をオリーブオイルで刺激する方法があります。
可能であれば、手袋をはめた指にオリーブオイルをつけて、指の第一関節程度まで、肛門部に挿入してみましょう。嫌がる猫が多いので無理にすることはおすすめできませんが、少しでも緩められるのであれば排便の可能性が出てきます。
この方法を行う際は、指の挿入のし過ぎや力の入れすぎにはくれぐれも注意してください。肛門や直腸を傷つけてしまう可能性もあるため、無理せず、少しでも不安のある場合は行わないようにしてください。
マッサージをする
愛猫の腸をマッサージするのも効果的です。
人でも「の」の字にマッサージすると良いと聞くと思いますが、猫も同じで、腸の動く向きと同じようにゆっくりと流すイメージでマッサージしてあげましょう。これだけでも愛猫の便意を促すことが期待できます。優しい方法なので、まずは試してみるのも良いですね。
便秘にならないための予防法
では、日ごろから対策できる予防法は何があるでしょうか。
できることから取り入れてみましょう。
こまめに水分補給をする
便がカチカチになって出にくくなることの原因の一つに、水分不足が挙げられます。
そのため、水分を十分に摂取しておくことも対策の一つとして効果的です。
水分は多すぎても少なすぎても病気の原因になるため、日ごろから飲水量の把握ができているとなおいいですね。
食事を見直す
便は食べたものによってつくられます。
食物繊維が豊富な食事を加えるなど、食事内容を見直すと改善されるケースもあります。便秘で動物病院を受診した際は、処方食を進められることもあります。
ブラッシング・マッサージなどのお手入れをする
毛玉が体内に留まってしまう状態を予防するためにも、日々ブラッシングをしてお手入れすることも重要です。便秘の対策だけでなく、ブラッシングは毛球症予防などにも効果があるため習慣にすると良いでしょう。
また、腸マッサージも日ごろからやっておくと蓄便が流れやすくなるので、便秘でない場合もやっておくと良いですね。
運動させる
運動不足も便秘の原因になるため、適度に運動させておくことも大切です。
猫じゃらしやポインターなど、日常に遊びの時間を取り入れてあげましょう。
トイレは清潔を保つ
猫は綺麗好きの動物です。
便意があってもトイレが汚いせいで排泄したくなくなる猫もいます。
そのため、トイレをいつでも清潔にキープしておくことも重要です。
便秘だけでなく、猫に多い下部尿路疾患予防のためにも、トイレは清潔にしておくことが効果的ですので、心がけておきましょう。
体重管理をする
体重管理も実は便秘と関係があるといわれています。
肥満であるほど便秘になりやすい傾向があるという報告もあるため、日々の体重管理は大切です。
肥満は便秘だけでなく様々な病気の原因となるため、注意しましょう。
サプリメントを服用する
日ごろからサプリメントを服用し、健康を維持することも対策の一つです。
オリゴカッサライド・ラクリス菌といった腸の健康をサポートしてくれる愛猫に優しいサプリメントを日常から取り入れることで、腸内環境を整えることができます。
腸の健康は、全身の健康につながります。ぜひ意識してみましょう。
まとめ
猫がうんちしないのは、時には危険な状況を招いてしまうことがあります。
2日以上排便がない場合は、動物病院を受診するようにしましょう。
日頃から腸の状態を健康に保つように意識し、便秘体質の子では特に、水分摂取・食事習慣・運動習慣などの改善が求められることもあります。
迎え入れたばかりで心因性のうんちがでない状況や子猫の排泄介助が困難な場合は、環境つくりや排泄介助の工夫なども取り入れ、日ごろからできる予防法も習慣の一つにするとなお良いでしょう。
関連記事:犬の便秘に効く食べ物とは?マッサージは効果ある?便秘解消対策!
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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