2025年版 動物看護師解説 猫のぶどう膜炎は片目だけ?症状や治療法など解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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愛猫の目がおかしいなと感じたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
片目だけ赤い・両目とも赤いなどは気づきやすい症状ですよね。

猫の目の病気の中でも、「ぶどう膜炎(ぶどうまくえん)」は早期発見と適切な治療が特に大切な疾患です。
進行すると視力低下や失明を引き起こすこともあるため、侮ってはいけません。

この記事では、猫のぶどう膜炎の原因・症状・治療法をわかりやすく解説し、飼い主が気をつけるべきサインや予防法・症状や治療についても紹介します。
愛猫の健康を守るために、知識として持っておくと良いですね。

 

ぶどう膜炎とは

ぶどう膜炎とは、その名の通り猫の眼球の中央にあるぶどう膜に炎症が起きる病気で、放って置くと失明のリスクもある怖い病気です。

さまざまな症状が現れるため、飼い主さんも気づきやすいかと思います。

愛猫の目がおかしいなと感じたら、早めに獣医師に診てもらいましょう。
早期発見・早期治療が大事な病気なので、あまり様子を見すぎないように注意したいですね。

 

ぶどう膜炎になりやすい猫種・特徴

猫のぶどう膜炎には、好発猫種や年齢・性差による発症にリスク変動はありません。

どの年齢のどの猫でも発症しやすい病気となります。
しかし、感染症などが原因で発症することがあるため、外飼の猫ではさらにリスクが上がってしまいます。
基本的に、完全室内飼育を徹底することをおすすめします。

 

ぶどう膜炎の原因

ぶどう膜炎に原因としては大きく分けると3種類あります。その中でも、特にメインとなる原因を下記でご紹介します。

特発性(原因不明)

実は、ぶどう膜炎の原因はわからないことが多く、特発性(原因不明)ぶどう膜炎と診断されることがあります。
ぶどう膜炎はスリット検査や眼底検査で診断する事が多いのですが、原因まで特定できる検査ではないため、特発性と判断されることが多いのです。

猫伝染性腹膜炎(FIP)

ぶどう膜炎の原因の一つに猫伝染性腹膜炎(FIP)という病気があります。
猫を飼っている飼い主さんであれば、知っている方も多いかと思いますが、死亡率が極めて高く、確立した治療法がないことから不治の病と言われている、とても恐ろしい病気です。
発症した猫は殆どの確率で最大でも数ヶ月で命を落としてしまいます。

予防する方法はあまりなく、野良猫や子猫とのふれあいをしない、猫の集まるところには出向かないなど、感染しないように生活することが重要です。

ぶどう膜炎になってしまったら、念の為FIPでないかの精密検査を、獣医師と相談の上行うことを検討しても良いかもしれませんね。

関連記事:猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)は不治の病?治療法や予防法などを紹介

猫白血病ウイルス感染症・猫免疫不全ウイルス感染症

猫白血病ウイルス感染症・猫免疫不全ウイルス感染症という病名は、猫の飼い主さんであれば聞き馴染みがあると思います。
どちらも迎える前に検査をしていることが多い感染症です。

この感染症にかかった場合でも、ぶどう膜炎を発症することがあるため、未検査の猫では一緒に検査をして陰性を確かめると良いでしょう。
陽性だった場合は、多頭飼いの際にも注意が必要だったり、他の猫を飼っている家庭の方との接触なども気を配らないといけなかったりと、注意点がたくさんあります。

ヘルペスウイルス

ヘルペスウイルスは、猫風邪とも呼ばれる呼吸器疾患の感染症です。
ヘルペスウイルスにかかっている猫はぶどう膜炎を発症することがあります。
涙や目やになども症状として出ることが多く、目の異常が顕著に現れるのが特徴です。

ヘルペスウイルスは長期で付き合っていく病気になりますので、ぶどう膜炎の治療と並行してヘルペスウイルスの治療も行っていきましょう。

関連記事:猫のヘルペスウイルス感染症って?多頭飼いでは要注意?寿命や人にうつるのか解説

外傷

目に何らかの衝撃が加わったりして、目が傷ついてしまったときもぶどう膜炎を発症してしまうことがあります。
また、角膜潰瘍などの目の病気も併発しやすく、目を怪我した時は早めに動物病院へ受診しましょう。

多頭飼いの家庭では、猫同士のじゃれ合いで目に爪が入ったりと、予期せぬ事故も多くあります。
一人遊びでも激しく走り回ったりして壁にぶつかったりして目を怪我することもあるので、遊んでいる時は気にして見守ってあげるようにしましょう。

 

ぶどう膜炎の症状

では、ぶどう膜炎の症状をいくつか紹介します。
愛猫に当てはまるものがあれば獣医師に相談してみてくださいね。

目の充血

まず、目の異常として目が充血する、つまり赤くなるのが顕著に現れます。
愛猫の白目の部分が赤くなっているのを見たことがありませんか?
充血はぶどう膜炎だけでなく角膜炎や結膜炎でも出る症状なので、ぶどう膜炎だと断言はできませんが、長引くようなら早めに受診しましょう。

瞳孔が小さくなる

猫の瞳孔が小さくなっているときも、ぶどう膜炎の疑いがあります。

猫の瞳孔は、光を感じたり注視したりするときに散大したり収縮したりするのが特徴的ですよね。
しかし、ずっと小さいままだと、異常と判断するときがあります。
毎日見ている飼い主さんであれば、瞳孔がおかしいことも気づけると思いますので、不安な様子があれば獣医師に相談しましょう。

流涙(涙が出る)

目から涙が出ているというのもぶどう膜炎の症状の一つです。

涙は、片目からの場合も両目からの場合もあり、他の目の疾患でもよく見られる症状です。
充血とともに出ることも多く、明らかに気づける異常としてわかりやすい症状の一つとも言えます。

目をショボショボする

羞明とよばれる、目をショボショボ痛そうにするのも症状として考えられます。

角膜潰瘍や角膜びらんなどでも羞明は見られ、猫は痛みを感じているサインです。
羞明している様子があれば、早めに動物病院を受診し、傷がないかどうかぶどう膜炎かどうか診断してもらう必要があります。

関連記事:猫の目の病気はどんな種類がある?その原因や治療は?

 

ぶどう膜炎の治療法

では、ぶどう膜炎の治療としてはどんなものがあるのでしょうか。

目薬

まずは、目の異常には目薬が第一選択です。

消炎鎮痛剤の目薬や抗生物質の目薬など、原因によって選択される薬剤は異なりますが、基本的には目薬を数日さす治療がメインとなります。

しかし、1日4〜6回点眼する目薬も多く、猫にはハードルが高い治療かもしれません。
少なくとも1日2回は猫に点眼の処置をする必要があり、ストレスにも繋がります。
ただ、治すためにも目薬はなるべく処置したいところなので、自宅での処置に不安があるのであれば、獣医師に相談して治療内容を決めていきましょう。

内服薬

目薬の他に内服薬で治療するケースもあります。
抗生物質などは内服薬で処方されることも多く、原因や猫の症状によって選択されます。
目薬ができない猫にも内服薬で治療をすすめることがあり、第一選択と同じくらい選択される治療法です。

 

ぶどう膜炎の予防法

では、ぶどう膜炎の予防法にはどんなものがあるでしょうか。
できることから取り組んで愛猫の健康を守りましょう。

ワクチン接種をする

原因となる感染症の中のうち、猫白血病ウイルス感染症・猫ヘルペスウイルス感染症(猫ウイルス性鼻気管炎)にはワクチンが存在します。
残念ながら猫伝染性腹膜炎(FIP)には、現在のところワクチンは存在せず、未だに一番恐ろしい病気として知られています。

しかし、ぶどう膜炎の予防としてだけでなく病気の予防としてワクチン接種はおすすめです。
打つ種類などは獣医師と相談の上、お住いの地域や生活環境でベストな選択をして接種しましょう。

関連記事:猫の予防接種とは?種類・頻度・副反応・予防できる6つの感染症について

激しい遊びは注意して見ておく

多頭飼いの際や一人遊びの際に激しく遊んでいると、勢い余って壁に激突したりお互いの爪が入って怪我をしたりして、目の怪我にも繋がってしまいます。
楽しく遊ぶ時間も必要なので、遊ぶ時間の制限はせずに事故が起きないかどうかはしっかりと見守っておくことが求められます。

また、フローリングであれば滑り止めのマットなどを敷いて、怪我の予防に努めると良いですね。

多頭飼いであれば相性によって生活環境を整える

多頭飼いの家庭も多いと思います。
多頭飼いの際は、猫同士の相性もチェックしておくことが必要です。
猫同士の折り合いが良くないと喧嘩に発展してしまうケースも多く、目の怪我につながりやすい原因となってしまいます。
普段は仲良しでも、ふとした時に喧嘩してしまうなど、そういったことがないかは見ておきましょう。

万が一、猫同士の相性が良くない場合は、別の部屋で過ごすなどして棲み分けすることが必要になるかもしれません。
部屋の環境的に隔離が難しい場合は、喧嘩が起きないかしっかりと見守って怪我の防止に努めましょう。

完全室内飼育にする

感染症にかかるリスクを少しでも下げるためには、完全室内飼育を徹底することが最大の予防法です。
完全室内飼育にすることで感染症のリスク低下だけでなく交通事故のリスクなども減らすことができるので、基本的には完全室内飼育で猫と暮らしましょう。

 

感染症予防はぶどう膜炎の予防だけでなく、さまざまな病気の予防として有効です。
ワクチンのみならずほかの予防法にも目を向けて、愛猫の健康を守りましょう。

 

ぶどう膜炎の治療にかかる費用の目安

ぶどう膜炎の治療は、大きく目薬や内服薬による投薬治療がメインとなります。

軽度であれば、平均した治療費は5,000円〜7,500円程度が相場となっています。
おおよそ1週間〜3週間程度継続して治療が必要なケースが多く、1度の通院で終わることもあれば数回の通院が必要なこともあります。

また、重度な場合はそれだけでは収まらず、70,000円〜10万円するころもあります。
そのため、猫にも負担が多いので、早期治療が求められます。

 

まとめ

猫のぶどう膜炎は、感染症や外傷が原因で起こる目の病気ですが、特発性とよばれる原因不明のことも多い疾患です。
感染症には猫ヘルペスウイルスや猫白血病ウイルス・猫免疫不全ウイルスや猫伝染性腹膜炎(FIP)が代表的に挙げられます。
中でも猫伝染性腹膜炎は治療法もなく致死率がほぼ100%の恐ろしい病です。
感染症を防ぐことはできませんが、リスクをさげるためにワクチン接種をする・完全室内飼育にするなどが必要です。

症状としては目の充血や羞明(目をショボショボする)などの目の異常がメインです。
早期治療が必要で放って置くと失明のリスクもある侮ってはいけない病気ですので、愛猫におかしい所があれば早めに獣医師に診てもらいましょう。

 

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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