喘息という病名は人の病気でもよく耳にしますよね。
猫も喘息にかかってしまいます。主に「猫喘息」と呼ばれています。
人と同じように薬で治療するのか?治るのか?症状は?など、気になることも多いと思います。
今回の記事では、猫の喘息について症状や治療法などを解説します。
喘息とは?
なんらかの原因で、気管支に炎症が起き、呼吸困難や呼吸器症状を呈する病気です。
症状としては人の喘息と似たような症状が現れます。
また、基本的には治ることのない病気と言われているので、付き合っていく必要がある病気であると言えますね。
喘息を患いやすい猫種・特徴
猫種や性別・年齢によってかかりやすさは違うのでしょうか。
特に気にかけたほうが良い猫の特徴をご紹介します。
シャム猫

全猫種でかかりやすい病気である「喘息」ですが、特にシャム猫やシャムの血が混じっているミックス猫はかかりやすいともいわれています。
しかし、洋猫のミックス猫は、血統がわからずシャム猫が混じっているかどうかわかりませんよね。
日本猫で無い場合は、もしかしたらリスクが高いかもしれないと認識しておくと良いですね。
若齢〜中齢の猫
喘息は若齢の猫で多く発症するとされています。
高齢の猫でも発症はすることがありますが、基本的に2歳〜7歳くらいで発症するケースが多いです。
前述したとおり、付き合っていく病気となりますので、若齢から長期間の治療が必要となってしまうケースが多いようですね。
喘息の原因
喘息の原因は大きく分けると3種類だと言われています。
人も猫も同じようなことに気をつけておかないといけないですね。

アレルギー
喘息で多い原因はアレルギーです。
人と同じく猫にも食物アレルギーやハウスダスト・花粉などによる環境因子アレルギーが存在します。
アレルギーを断定するには血液検査や除去食試験などが必要です。
ただし、血液検査はかなり高価であることから、メインの検査とならないことが多いです。
そのため、アレルゲンの断定ができていないながら、アレルギー症状を呈する猫が多いため、探りながらの治療となるケースが多いです。
アレルギーは、咳などの呼吸器症状がメインとなっているため、呼吸器症状が見られたら生活環境や食事内容を見直してみるのも必要かもしれませんね。
関連記事:猫がくしゃみをするのは花粉症?アレルギー?花粉症の症状や対策解説
感染症
感染症が原因で喘息になってしまうことも多いです。
猫風邪を呈するウイルスが体内に入ることで呼吸器症状が現れ、喘息にまで発生してしまいます。
感染症のリスクを下げるためにできることは多くありますので、実践して少しでも喘息を発症しないように努めましょう。
環境因子
食物アレルギー以外にも、ハウスダストや花粉などの環境因子のアレルゲンが原因で喘息に発展してしまうこともあると記載しました。
それ以外にもタバコの煙などが原因で気管支に炎症をきたし、喘息を発症してしまうことがあります。
タバコの副流煙は、呼吸器だけでなく鼻のガンのリスクも4倍になると言われています。
タバコを吸う人がいる家族は、外で吸うなどして猫の生活圏内にタバコの煙が出ないようにしておきましょう。
ストレス
猫はストレスに弱い動物です。
ストレスが原因でも喘息に発展してしまうことがあります。
猫の感じるストレスは来客や騒音などが多いですが、猫によって感じるストレスは異なります。
愛猫が何にストレスを感じているか把握して、なるべく早くストレスの除去に努めましょう。
喘息の症状
猫の喘息はどのような症状が出るのでしょうか。
人の医療界ではメジャーな病気である喘息なので、人の喘息に置き換えて理解していくと良いかもしれませんね。

咳
まず、一番出やすい症状としては咳が挙げられます。
乾いた咳や詰まったような咳など、感じ方はそれぞれですが、愛猫が咳をしている時は呼吸器疾患が疑われます。
部屋の湿度や埃の状態などを一度見直して、それでも改善しなかった場合は、早めに獣医師の診察を受けてくださいね。
喘鳴音(呼吸音の異常)
喘鳴音(ぜいめいおん)とよばれる呼吸音の異常がみられます。
気管支に炎症が起きていることで、気管が狭くなり、呼吸時に苦しく詰まったような音がなります。
ぜぇぜぇ・ヒューヒューといった表現をされることが多いです。
基本的に、猫ちゃんの呼吸音は静かで感じにくいため、呼吸音が気になる時点で異常と言えるでしょう。
気管狭窄になると、呼吸困難にもつながりますので、早めに獣医師に相談してくださいね。
チアノーゼ
チアノーゼという言葉を聞いたことがありますか?
チアノーゼとは、体内に取り込まれる酸素の量が減ることで可視粘膜(歯茎や舌など)の色が紫色になってしまう状態です。
通常、猫の正常はピンクや赤みがかった色をしていますよね。
それが紫や白色になっていたら要注意です。
しっかりと呼吸ができていないことになりますので、早めの処置が必要になります。
開口呼吸・呼吸困難
喘息は、重症化すると開口呼吸・呼吸困難に繋がってしまいます。
犬が開口呼吸している様子は、よく目にすることかと思いますが、
実は猫が開口呼吸している状態はかなり危険と判断できます。
喘息による気管支の炎症がひどく、気道がふさがり呼吸ができなくなっている状態となっています。
すぐさま動物病院を受診し、緊急処置を受けてください。
喘息の治療法
喘息の治療法は一体どのような治療が行われるのでしょうか。
内服薬の投与

喘息の治療は主に内服薬の治療がメインとなります。
抗炎症剤・気管支拡張剤をメインとして、ステロイドや感染症由来であれば抗菌薬などが処方されるでしょう。
治療は少なくとも1週間〜2周間程度の内服が必要になり、症状の緩和や全身状態などを観察し、治療方針を決定していきます。
喘息は薬によって症状がマシになることはありますが、基本的には治らない病気となりますので、症状に合わせて内服薬を選んでいく治療が続いていくことでしょう。
ネブライザー
呼吸に異常があったり、炎症が激しい場合は、内服薬の投与と並行してネブライザーという気化した薬を吸入する処置が行われることがあります。
ネブライザーは侵襲性がなく、短時間で行える処置なので、実施している病院も多いですが、10分程度小さな箱の中でじっとしていて貰わなくてはならないため、苦手な猫もちらほらいます。
猫の性格や症状を考えて処置が行われるかと思います。
喘息の予防法
喘息にかかるリスクを減らす予防法はいくつか存在します。
簡単なことから取り組み、愛猫を守りましょう。
ワクチン接種をする
喘息を引き起こす原因の一つに感染症があると前述しました。
そのため、ワクチン接種は感染症予防に適しています。
1年に1回の接種が好ましいです。
しかし、近年では猫は2〜3年に1回の接種でも抗体が持続すると考えられていますので、ワクチン接種に関しても獣医師に相談してみると良いですね。
関連記事:猫の予防接種とは?種類・頻度・副反応・予防できる6つの感染症について
生活環境を整える
猫の生活環境を整えることもとても大切な予防策です。
ハウスダストやダニ・花粉なども喘息を引き起こしてしまう原因となるため、こまめな掃除や洗濯が必要になります。
また、花粉撃退のために空気清浄機を稼働させたり、外出時の洋服のまま猫と触れ合わないようにするなどの配慮も良いかもしれませんね。
さらに、喫煙者が家族にいる場合は、タバコの煙を猫に吸わせないように外やベランダで吸うなどして、猫の健康維持に努めましょう。
完全室内飼育にする
花粉や感染症など、さまざまな原因の予防となるのが完全室内飼育を徹底することです。
最近では、半野良のような飼い方をするご家庭が少なくなってきましたが、それでも外に出る生活をしている猫も少なくありません。
完全室内飼育は感染症や花粉症だけでなく交通事故や外傷のリスクもかなり軽減できます。
メリットが多いと個人的には思いますので、おすすめです。
ストレスを軽減する
猫のストレスは喘息の原因となるだけでなく、多くの病気のきっかけとなってしまいます。
猫はストレスに弱く体調を崩しやすいため、なるべくストレスをかけないように生活しましょう。
ペットホテルや工事などの騒音など、どうしても避けられないストレス源の時は、獣医師に相談しましょう。
精神安定のおくすりや抗不安薬などの処方をしてもらえることがあるため、猫の心を守るためにも一度検討してみてはいかがでしょうか。
猫喘息は治る?
何度かご説明していますが、結論は治ることは少ないため、付き合っていく病気となります。
ただ、常日頃症状が出ているわけではなく、収まったり症状が出たりを繰り返すという特徴があります。
症状が出た際に内服薬で緩和させる治療法や常時薬を服用するかの治療がメインとなります。
猫喘息は若齢でかかることが多いため、長い付き合いとなることは覚悟する必要があるかもしれません。
また、重症化すると命の危険がある病気ですので、早めに気づいて対処することもとても大切です。
喘息の治療にかかる費用の目安
猫喘息の治療は主に内服薬での治療とご説明しました。
そのため、平均的な治療費は3,000円〜6,000円程度となっています。
ネブライザーや抗菌薬などの薬が複数になった場合には10,000円前後かかるケースも有り、また呼吸困難などで緊急処置が施されるケースでは50,000円近くかかるケースも存在します。
まとめ
猫喘息は食物アレルギー・、ハウスダストやダニ・花粉などによるアレルギー、感染症やストレスなどが原因で気管に炎症が起き気管が狭くなり呼吸器症状を呈する病気です。
咳や喘鳴音(呼吸音の異常)・開口呼吸などが症状としてよく見られ、呼吸困難を引き起こしてしまう恐ろしい病気です。
予防策としては、完全室内飼育にする・ストレスをなるべくかけない・ワクチン接種をする・掃除や洗濯を徹底する・タバコの煙などの生活環境を整えることが挙げられます。
基本的には治る病気ではなく付き合っていく病気となりますので、長期間の観察と治療が必要かもしれません。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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