猫は7歳を過ぎると、シニア期と呼ばれるライフステージに入ります。
この時期から、健康状態や身体機能に少しずつ変化が現れてくるため、若い頃と同じフードや量、与え方では体に負担がかかったり、健康を維持するのが難しくなる場合があります。
とは言っても、はじめてだと「どんなフードを選んだらいいの?」「これまでと量や回数って違うの?」などさまざまな疑問が生じるのではないでしょうか。
そこで今回は、7歳以上の猫のフードの選び方、量、与え方などを詳しく解説します。
7歳以上(シニア期)の猫の食事の基本
猫の7歳は、人間でいえば44歳くらい。
中年期にあたります。
見た目にはまだ若々しくても、体内では少しずつ老化がはじまっている時期です。
これらの変化に対応するためには、フードの見直しや、体調に合わせた食事管理が重要です。
まずは、シニア期の基本的なフード選びの考え方から押さえておきましょう。

シニア期のキャットフード選びで注意すること
これは、どのライフステージでも言えることですが、シニア期の猫のフード選びで大切なのは「総合栄養食」を選ぶことです。
総合栄養食であれば、水とフードだけで猫に必要な栄養素をすべて摂取できます。
注意しないといけないのは、ウェットフードを主食として与える場合です。
市販のドライフードは大半が総合栄養食であるのに対して、ウェットフードは多くが一般食。
猫の食事においてはおかずのような位置づけであるため、それだけでは栄養不足になってしまう可能性があります。
もし、主食としてウェットフードを選ぶ際は、総合栄養食かどうかをかならず確認するよう心がけましょう。
また、なるべく避けたいのが人工の着色料や香料などの不要な添加物です。
猫の嗜好性を高めるために添加されている場合もありますが、シニア期の猫には余計な負担となることがあります。
原材料をしっかり確認し、安心して与えられるフードを選びましょう。
年齢に合った栄養素のフードを選ぶ
猫の年齢に応じて、必要とされる栄養素のバランスは変化します。
たとえば、7歳〜10歳の中高齢期、11歳〜14歳の高齢期、15歳以上の超高齢期では、それぞれ代謝や消化能力に差が出てきます。
愛猫の健康を維持するためには、年齢に合った適切なフードを選ぶことが重要です。
シニア猫におすすめの成分
年齢を重ねた猫には、関節のサポートや老化防止を意識した成分が入っているフードがおすすめです。
「グルコサミン」や「コンドロイチン」には、関節の健康を維持する効果が期待できます。
また「ビタミンE」や「ポリフェノール」といった抗酸化成分は、細胞の老化を抑える働きがあり、免疫力の向上、目、関節、心臓などシニア猫の健康維持に役立つと言われています。
食べやすさを優先する
どれだけ栄養バランスに優れたフードでも、猫が食べてくれなければ意味がありません。
7歳を過ぎると、加齢とともに歯が抜けたり噛む力が弱くなったりして、硬いものを食べるのが難しくなる猫もいます。
そのため、ドライフードの硬さや粒の大きさ、形状によっては、食べづらさを感じて、食欲に影響してしまうことも。
猫によっては、小粒のドライフードやウェットフードへの切り替えを検討する必要があるでしょう。
オールステージ用のフードに注意
オールステージ用フードは、子猫からシニア猫まで全年齢に対応できるとされており、ライフステージが異なる猫を多頭飼育をしている家庭では重宝されています。
その一方で、7歳以上のシニア猫には懸念点もあります。
一般的に、オールステージ用フードは、成猫向けに近い成分バランスになっていることが多く、シニア猫にはやや栄養バランスが合わない場合があるのです。
とくに、脂肪やタンパク質の含有量、カロリーが高すぎることがあるため、選ぶ際は成分をよく確認して自分の猫の年齢や健康状態に合った内容であるかを見極める必要があるでしょう。
年齢に合った適切なフードの選び方と与え方
猫のシニア期はひとくくりにされがちですが、7歳、11歳、15歳では必要な栄養や体の状態が大きく異なります。
そのため、年齢ごとにフードの内容や与え方を見直すことが大切です。
ここでは、年齢別のフードのポイントを紹介します。

7歳以上の中高年猫
猫の7歳はシニア期の入り口にあたりますが、見た目にはまだ若く、人間でいえば44歳くらいの中年に相当します。
体力や筋肉量はあるものの、代謝は徐々に低下していきます。
また、慢性疾患が増えてくる年齢でもありますので、注意が必要です。
フードの選び方
猫も7歳をすぎると、少しずつ基礎代謝が低下して太りやすくなると言われています。
その一方で、食欲旺盛な猫も多いため、これまでと同じように与えていると、肥満まっしぐら、なんてことにもなりかねません。
高カロリーなフードは基本的に避けるようにしましょう。
また、老化に備えてグルコサミンやコンドロイチンなどの関節ケア成分、リン・ナトリウムの抑制など腎臓への配慮も意識すると良いでしょう。
ただし、健康な猫であればタンパク質の制限は不要です。
筋肉を維持するためにもタンパク質30%以上のフードをおすすめします。
健康維持のためにもしっかりとタンパク質を摂取できるフードを選ぶようにしましょう。
フードの与え方
7歳ではまだまだ食欲旺盛な猫も多いのですが、加齢とともに食べる量が減ってくる場合も少なくありません。
残すようになったら、1回の食事量を減らし、食事回数を1日3回に増やすなど、猫の状態に合わせて調整しましょう。
できるだけ、1日の摂取量を減らさないように工夫することが大切です。
また、必要に応じてシニア猫向けのサプリメントの使用を検討しても良いかもしれませんね。
健康維持や老化防止、関節のサポートなどさまざまサプリメントがあります。
11歳以上の高齢猫のフード
7歳ではまだまだ元気だった猫も、11歳を超えると行動や見た目に少しずつ老化を感じるようになってきます。
人間でいえば60代後半にあたり、慢性疾患のリスクも高まる時期です。
フードにもよりいっそう気をつかうようになります。
関連記事:猫の老化とは?見逃せない7つのサインと老猫のお世話について
フードの選び方
脂肪の消化機能が落ち、食事の量が減ってくる猫もいます。
その場合は、高カロリー設計のフードを選び、少量でもしっかり栄養を摂取することで、体重維持にもつながります。
また、消化機能も落ちてきますので、消化しやすい原材料を使ったもの、胃腸にやさしいレシピのフードが理想です。
また、腎臓病のリスクが高まるため、リン・ナトリウム・タンパク質の量には注意が必要です。
ちなみに、10歳以上の猫の約30%が慢性腎臓病というデータもあります。
フードの与え方
11歳にもなると、食が細くなり、一度にたくさん食べられなくなる猫も少なくありません。
1回の量を減らして3〜4回に分けて与え、しっかりと食べてもらうようにする必要があります。
それでも食べない猫には、電子レンジで温めて香りを立たせる、嗜好性が高く食べやすいウェットフードに切り替える、好物をトッピングするなどの工夫をしてみましょう。
ドライフードをぬるま湯でふやかすのも効果的です。
15歳以上の超高齢猫のフード
15歳を超えると、猫は超高齢期に入り、人間でいえば80歳以上に相当します。
消化や吸収の能力が大きく低下し、食欲の減退も見られるようになります。
タンパク質の消化吸収率も低下してきます。
フードの選び方
15歳以降の超高齢期の猫は、少量でも栄養が摂れるような高栄養価・高嗜好性のフードが望ましいです。
胃腸への負担を軽減する消化の良い食材、リンやナトリウムの含有量に配慮したフードがおすすめです。
健康な猫であれば、筋肉量を維持するためにも適度なタンパク質は必要です。
むしろ高タンパクな食事を勧められることもあるでしょう。
高タンパクは腎臓病の原因になるとする説が広まっていますが、関連性はないとされています。
また、DHA・EPAなど、認知機能をサポートする成分が含まれているフードやサプリメントもおすすめです。
フードの与え方
基本的な与え方は、11歳以上の猫と同じく、1日のフードを3〜4回に分けて与えるようにしてください。
また、噛む力の衰え、嚥下能力の低下で、フードが硬くて食べづらい、粒が大きくて飲み込みにくいといったことも起きるようになってきます。
ウェットフードを与える、ドライフードをふやかすなど食べやすくする工夫が必要な猫も多くなるでしょう。
さらに、食器の高さを5〜10cmに調整するなど、食べやすい姿勢を保てる環境を整えることもポイントです。
7歳以上の猫の食事量
猫の食事量は、体重や活動量によって異なりますが、基本的にはフードのパッケージに記載された給餌量を目安にします。
ただし、太りやすい猫や、小食の猫など、個体差もあるため、状況に応じて調整が必要です。
給餌量は、1日のカロリー必要量をもとに計算することもできます。
おおまかな量であれば「60kcal×体重(kg)」で1日に必要な摂取カロリーを出し、給餌量を求めることができます。
運動量の少ない猫は「40kcal/kg」で計算してください。
不安な場合は、獣医師に相談して最適な量を決めるのが安心です。
水分摂取量にも注意しよう
猫は年齢とともに喉の渇きに鈍感になり、水を飲む量が減る傾向にあります。
体重1kgあたり約50mlの水分が必要とされており、体重4kgの猫なら1日約200mlが目安です。
とはいえ、自動給水器や複数の水飲み場を用意しても、水をあまり飲んでくれない猫も少なくありません。
そのため、確実に水分を摂取させるには、食事からの水分摂取がもっとも効果的です。
ウェットフードやふやかしたドライフード、水分補給用のスープやゼリーなどを取り入れるのがおすすめです。
また、味付けしていない肉をゆでたスープを与えるのも良いでしょう。
まとめ
猫は7歳を過ぎるとシニア期に入り、食事管理がますます重要になります。
年齢に応じた栄養バランス、給餌量の調整、与え方など、総合的に食事を見直すことで、健康的で快適なシニアライフをサポートしていきましょう。
また、食事の摂取量が落ちている猫には、シニア猫の栄養や健康をサポートするサプリメントの活用もおすすめです。
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この記事を書いたのは
ネコヤ カエ
愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|
ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定
2019年よりフリーライターとしての活動を開始。
ペット専門のライターとしてWebメディアや動物病院HPなどでコラムを多数執筆。
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