猫の血尿は、様々な原因が考えられます。
腎臓や尿管などの上部尿路の問題なのか、膀胱や尿道などの下部尿路の問題なのかによっても対処法が変わってきます。
本コラムでは、猫の血尿の一般的な原因と対処法について、獣医師が詳しく解説します。
猫の血尿の原因
猫の血尿、「血色尿」と呼ばれる状態は、尿に血が混じることを意味します。
これには多くの原因がありますが、一般的なものは以下の通りです。

尿路感染症(UTI)
尿路感染症は、特に高齢の猫に多く見られます。
細菌が尿路に侵入し、腎臓や尿管(上部尿路)、膀胱や尿道(下部尿路)に感染することがあります。
感染が炎症を引き起こし、それが血尿の原因となります。
膀胱炎
膀胱の炎症は、若い成猫や中年の猫に多く見られます。
細菌感染によるものと、非感染性の原因(例えばストレスや食事の問題)によるものがあります。
猫の膀胱炎は、ストレスなどの非感染性の原因により発症することが多いです。
関連記事:猫の特発性膀胱炎とは?よくある症状と治療法・予防法について解説
尿路結石
猫の尿中に形成される結石や結晶が尿路を刺激または詰まらせることで、血尿を引き起こすことがあります。
これには食事の因子が大きく関与していることが多いです。
関連記事:猫の尿路結石を知ろう!フードと与え方・治療・予防法などを徹底解説
膀胱腫瘍
特に高齢の猫で見られることがあります。腫瘍が膀胱壁を侵すと出血を引き起こし、血尿となります。
外傷
事故や怪我によって尿路が損傷し、血尿が発生することがあります。
ストレスがおよぼす影響
ストレスは、猫の健康に様々な影響を及ぼすことが知られており、血尿の原因としても重視されています。
猫は環境の変化や生活の乱れに非常に敏感であり、以下のようなストレスが血尿につながることがあります。
- 環境の変化:引っ越し、家族構成の変更、他のペットの導入など、環境の大きな変化は猫にとって大きなストレス源となります。
- 社会的ストレス:他の猫との競争や争いもストレスの一因です。特に多頭飼育の環境では、リソース(食事、水、トイレの場所)の共有が問題になることがあります。
- 退屈や運動不足:適切な運動が不足していると、ストレスが蓄積しやすくなります。
これらのストレスが猫の膀胱に影響を及ぼし、「特発性膀胱炎」という状態を引き起こすことがあります。
これは膀胱の神経性の問題と考えられており、ストレスを軽減させることにより改善することが報告されています。
日常でできる対処方法
猫が血尿を示した場合、まずは速やかに獣医師の診断を受けることが重要です。
原因によって治療方法は大きく異なるため、適切な診断がなければ効果的な治療は行えません。
また、日常生活で以下の点に注意を払うことが推奨されます。
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- 適切な水分補給:水をたくさん飲むことで尿が薄まり、尿路結石のリスクを減らすことができます。
- ストレスの軽減:適度な運動や遊びのできる環境を作ることでストレスを減らすことができます。トイレの数を増やすことも効果的と考えられています。
- 食事の管理:尿路の健康をサポートする特別な食事を検討することも一つの方法です。猫の血尿は、その生活環境や精神状態を反映する重要な指標になります。サプリメントなどの健康補助食品も有効です。
猫の血尿の治療法
菌が関与しない膀胱炎の場合は、尿路をサポートする療法食やサプリメント、環境の改善を行います。
止血剤が処方されることもあります。
尿検査により細菌が見られた場合は、上記の治療法に加えて抗生物質が処方されます。
抗生物質は定められた期間しっかり服用するようにしましょう。
結石が認められた場合は、結石の種類によって対処法が変わってきます。
ストルバイト結石と呼ばれる結石は、療法食やサプリメントで尿路の環境をケアすることで次第に溶けて消えていきます。
一方で、シュウ酸カルシウム結石の場合は、一度できてしまうと体内で溶けることはありません。
詰まる危険のある場合は、手術で取り除く必要があります。
関連記事:猫の療法食って?与え方は?いつまであげる? 療法食の基礎知識を徹底解説
猫の血尿の検査費用や治療費はどのくらいかかる?
尿検査のみの場合、2000〜3000円程度でできることが一般的です。
部分的な超音波検査やレントゲン検査が加わると、合計で5000〜10000円程になります。
内科的な治療の場合、1週間程度の薬代で治療が終了することもあります。
繰り返す場合や、シュウ酸カルシウム結石などの手術が必要な場合は大きく変わります。
まとめ
猫の血尿は、原因によって対処法が変わってきます。
まずはしっかりと診断を受け、それに応じて適切な対処をしていきましょう。
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