愛犬が血便を出したらビックリしますよね。
血便は、犬にとって深刻な病気のサインの場合もあるため油断ができません。
犬の血便の原因は、ストレスや不安からくる消化器系の問題、胃や腸内の疾患、さらには感染症など、すぐに考えられるだけでもたくさんあります。
そのため、血便が見られるときは、まず冷静になって便の状態や犬の様子をよく観察することが大切です。
今回は、犬の血便の原因として考えられる病気や、血便の状態について詳しく紹介します。
犬の血便とは?

犬の血便とは、胃や腸などの消化器官や肛門付近からの出血によって、うんちに血が付着したり、混ざったりしている状態です。
血便には出血した部位や原因により、鮮血や黒色便、粘液が付着しているなど、さまざまな色や形状のものがあります。
また色や形状によって、深刻さの度合いも異なります。
犬の血便の原因
犬の血便の原因は、食事や精神的なものから病気まで実に多岐にわたります。
今回はそのなかからよくある原因をいくつか紹介します。
誤飲・誤食
犬の血便の原因のひとつに、誤飲・誤食が考えられます。
とくに、なんでも口にしてしまう子犬は注意が必要です。
血便を引き起こす誤飲・誤食には以下のものがあげられます。
- 竹串などの先の尖ったものを飲み込む
- おもちゃを飲み込む
- 薬や植物、除草剤などの化学物質を摂取した
- 犬にとって危険な食べ物を食べた
竹串などの先の尖ったものや、おもちゃを飲み込むと胃腸を傷つけて出血し血便が出てしまう場合があります。
異物の誤飲はそのほかにも腸閉塞などの原因にもなり得ますので、注意が必要です。
また、薬や植物、除草剤、人間の食べ物などで犬が中毒を起こした際に、血便や嘔吐などの症状が現われる場合があります。
ストレス
私たち人間もストレスを感じるとお腹の調子が悪くなることがありますよね。
それは犬も同じで、強いストレスを感じつづけると、胃腸の調子が崩れ、血便の原因になってしまうことがあるのです。
犬は思っているよりもずっとデリケートで、引っ越しや家族構成の変化、生活リズムのズレといった、人間にとっては些細な違い、楽しい出来事にさえ大きなストレスを感じてしまいます。
関連記事:犬のストレスとは?ストレスサインとその原因、解消法
食事やアレルギー
犬は食事が原因で血便になってしまうことがあります。
ドッグフードを違うものに変更した、食べ慣れないものを食べたあとなどは、胃腸の調子を崩しやすくなるため、血便が出る可能性が高くなります。
また、食物アレルギーの反応として血便が出ることがあります。
食物アレルギーが原因の場合は、同時に皮膚症状が見られることが多いでしょう。
血便以外の症状がないか、よく観察することが大切です。
関連記事:犬の食物アレルギーは治る?検査の費用やフード・症状など解説
寄生虫感染
寄生虫に感染すると腸に炎症を引き起こし、血便が出てしまうことがあります。
また、鞭虫(べんちゅう)や鉤虫(こうちゅう)が腸の粘膜に噛みついて出血させるせいで血便が出ることもあり得ます。
寄生虫が原因の場合は、血便のほかにも、嘔吐や下痢、体重減少といった症状が見られるのが一般的です。
病気
犬の血便のなかでも注意したいのが、病気が原因の血便です。
血便を引き起こす病気には、口、食道、胃腸などの消化管の病気が考えられます。
具体的には、胃腸炎や腫瘍、ポリープなどがあげられるでしょう。
そのほか、犬パルボウイルス感染症などの感染症、血が止まりにくくなる血液凝固異常なども考えられます。
いずれにしても、早めの対処が重要ですから、気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
犬の血便になる病気
上述のとおり、犬の血便には病気が潜んでいる場合があります。
ここでは、血便を引き起こすおもな病気について紹介します。
胃腸炎
犬の胃腸炎は、胃や腸の粘膜に炎症が起きる病気です。
うんちに少量の血が混じる程度で、元気や食欲がある場合は、比較的軽度の胃腸炎が考えられます。適切な対処をすることで回復することがほとんどです。
一方で、うんちの際に大量の出血やジャム状の血便が見られる場合は、出血性胃腸炎の可能性が疑われます。
出血性胃腸炎の原因には以下があります。
- 誤飲
- 腐った食べ物の摂取
- 感染症
- 食物アレルギー
出血性胃腸炎は、血便のほかにも、元気がない、嘔吐などの症状が見られ、重症化すると命を落とす場合も。
早めの対処を心がけましょう。
犬パルボウイルス感染症
犬パルボウイルス感染症とは、重度の胃腸炎を引き起こすウイルス感染症です。
犬パルボウイルスに感染すると、小腸の粘膜が激しく傷つけられて、腸内細菌の二次感染を引き起こします。
その結果、敗血症や播種性血管内凝固などの重篤な状態に陥る可能性があるでしょう。
犬パルボウイルス感染症の消化器症状は非常に激しいと言われており、血便以外には重度の脱水や食欲不振、元気消失などが見られます。
とくに、免疫力の低い子犬が感染すると重篤になりやすく、命に関わることも多いため注意が必要です。
腫瘍・ポリープ
腫瘍やポリープも犬の血便の原因になり得ます。
腸に腫瘍やポリープがあると、粘膜が傷ついて血便になるのです。
結腸や直腸の腫瘍やポリープは中高年の犬に多く見られ、初期では軽度の血便のみのこともあるので、気づくのが遅れることも少なくありません。
腫瘍やポリープからの出血が原因の血便は、継続的または時間を空けて時々出血します。
血便がずっとつづいている場合はもちろん、たまに血便が出るという場合も、獣医師へ相談しましょう。
血液凝固異常
血液凝固異常になると血液を固める機能に問題が生じるため、出血が止まりにくくなり、血便がつづくことがあります。
血便のほかにも、血尿、吐血、紫斑(あざ)ができやすくなるといった症状が見られます。
血液凝固異常の原因は、生まれつき血液を固める成分が少ない先天性のものと、病気で血液を固める成分が消費されたことが原因となる後天性のものがあります。
いずれにしても、放置すると重度の貧血を起こすなど、短期間で命に関わる状態になる可能性もあるため、血便がつづくときは早急に獣医師に相談してください。
犬の血便の状態
ここでは、血便の種類とその状態について解説します。
疑われる原因についてもあわせて紹介します。
赤い血が混じっている
犬のうんちに赤い血が混じっているときは、大腸、直腸、肛門など比較的肛門に近い場所からの出血が考えられます。
たとえば、腸内のポリープや大腸炎、ストレスなどによる大腸内出血が原因になり得ます。
血便にゼリー状のものがついている
ゼリー状の粘液が一緒に出ている場合は、大腸内の炎症や異物で傷ついた腸の粘膜が剥がれてうんちと一緒に出てきた可能性があります。
食べすぎ、ストレス、食物アレルギー、誤飲などが考えられます。
血便がつづく、血の量が多いという場合は動物病院を受診しましょう。
赤褐色や暗い赤色・黒い色をしている
犬のうんちに赤褐色または黒っぽい血が混じっている場合は、出血から時間が経っている状態です。つまり、肛門から少し離れた場所で出血していることになります。
赤褐色や暗い赤色の場合は、大腸の奥側、小腸でも大腸に近い場所からの出血が、黒い場合は、口、胃、小腸からの出血が疑われるでしょう。
黒いタール便は緊急性の高い便です。
速やかに動物病院を受診しましょう。
赤黒く水っぽい・粘り気がある
犬がトマトジュースのような水っぽい血便、粘り気のある血便をした場合は感染症が疑われます。
たとえば、うんちから異臭、発熱、嘔吐が見られる場合は、犬パルボウイルスやサルモネラ菌などの感染の可能性があります。
病気にもよりますが、子犬など免疫力がない犬は命に関わる可能性があります。
早急に動物病院を受診しましょう。
犬の血便をしたときの対処法と注意点
犬が血便を出したときはどのように対処したらよいのでしょうか?
ここでは、受診の目安と、その際の注意点について見ていきましょう。
血便で受診をする目安は?
血便が見られたときは、基本的に受診をおすすめします。
とくに以下のような血便の場合は速やかに受診しましょう。
- 何回もうんちをする
- 血の量が多い
- 血便がつづいている
- 黒いうんちが出ている
- 赤黒く水っぽい・粘り気があるうんちが出ている
また、血便と同時に、発熱、嘔吐、食欲不振、震えなどほかの症状が見られる場合も速やかに動物病院を受診してください。
そのほか、低月齢の子犬、老犬なども注意が必要です。
血便の際に確認しておくこと
犬が血便を出したときは、血便の色、形状、ニオイ、回数を記録しておきましょう。
スマートフォンなどで撮影しておくのもおすすめです。
また、血便以外に発熱、嘔吐、食欲不振などの症状がないかも確認してください。
さらに、食事やおやつについても伝えられるようにしておきましょう。
たとえば、人間の食べ物を与えた、はじめて食べるおやつをあげた、新しいドッグフードに移行中などの事柄が原因を特定する手助けになります。
血便を持参する
受診の際は、血便を持参しましょう。
寄生虫など病気によっては便検査で原因を特定することができます。
量は、ティースプーン1杯程度あれば検査が可能です。
犬の血便の治療法
犬の血便では、便検査や血液検査、画像検査、内視鏡検査などを状況に応じておこない原因を特定します。
治療では病気や状況にあわせて、内服薬、点滴、食事の変更などをおこない、脱水が見られる場合は並行して脱水の治療もおこなわれます。
また獣医師によっては、腸内環境を整える目的で、乳酸菌のサプリメントを処方する場合があるようです。
犬の血便の予防法
血便の予防には、以下が有効です。
- 食事管理
- ワクチン接種
- 寄生虫予防
食事に由来する場合は、ドッグフードを変更することで落ち着く可能性があります。
ドッグフードを新しいものに変更する際に下痢や血便を起こすことがありますが、時間をかけて少しずつ変えていくことで予防ができます。
また、犬パルボウイルス感染症は混合ワクチンを接種することで予防が可能です。
寄生虫も種類によっては予防薬がありますので、獣医師に相談すると良いでしょう。
また、血便の再発予防には、腸内環境を整えることも重要です。
腸内環境を整える効果が期待できるサプリメントの検討をおすすめします。
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犬の血便の治療にかかる料金の目安
犬の血便は状況や、病気によって治療法が異なりますので、治療費にも差が生じます。
たとえば、よくある一過性の胃腸炎の治療費は、小型犬1回の通院で「5,000円」ほどが目安となります。
ガンの場合は、手術や入院などが必要になることもありますので、さらに多くの治療費がかかることが予想されます。
獣医師と相談し納得のうえで治療をおこないましょう。
まとめ
犬の血便の原因はさまざまで、その重症度も大きく異なります。
様子を見ても良いケースもありますが、なかには命に関わる重篤なものもあります。
素人判断ほど危険なものはありません。
血便が見られたときは、安心のためにも一度動物病院を受診するのがよいでしょう。
また、人間ではうんちは健康のバロメーターと言われますが、それは犬も同じです。
「少しゆるい」「いつもとニオイが違う」という些細な変化にも敏感でありたいものです。
関連記事:猫の便に血がついている!ゼリー状の便は治る?疑われる病気について
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この記事を書いたのは
ネコヤ カエ
愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|
ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定
2019年よりフリーライターとしての活動を開始。
ペット専門のライターとしてWebメディアや動物病院HPなどでコラムを多数執筆。
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