2025年版 動物看護師解説 犬の疥癬は人にうつる?シャンプーは効果的?症状や原因解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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疥癬」という病気を聞いたことがありますか?

人の病気でも耳にしたことがある方もいるかもしれません。
疥癬は寿命に関係したりと命を危ぶむ病気ではないですが、症状や感染力が強いことなど、総合的に判断すると実は非常に厄介な病気です。

疥癬にかかるとどんな症状が出るのか、原因は何なのか、人にうつるのか、シャンプーすることは効果的なのかなど、詳しくは知らない飼い主さんも多いかと思います。

そこで今回は、疥癬について解説していきたいと思います。

 

疥癬とは?

疥癬とは、ダニが皮膚に寄生することで起こる感染症で、犬の疥癬はイヌセンコウヒゼンダニが原因といわれています。
ダニが皮膚に寄生し犬の皮膚にトンネルを掘り、そこで卵を産むことで繁殖してしまいます。
これによって皮膚に激しい痒みや皮膚の炎症が引き起こされる病気です。

疥癬にかかると症状がとても顕著に現れるため、多くの飼い主さんが異常に気づくことでしょう。
また、犬同士での感染力は非常に高く、多頭飼いの家庭では注意が必要です。

 

疥癬は人にうつる?

結論から言うと犬の疥癬は人にもうつります。

人の疥癬が犬にうつるという話は実際あまり耳にしませんが、犬から疥癬をもらうことは珍しくありません。
感染力が高いのも特徴的です。

疥癬にかかっている犬と暮らしている飼い主さんは、犬の疥癬が治るまで触れ合いを避け、手袋を付けてお世話をするなど徹底した配慮が求められます。

また、触れ合い後は必ず手を洗ったりお風呂に入って身体を洗い流すなどして、人への感染を防ぐことに尽力しましょう。

 

疥癬にかかりやすい犬種・特徴

疥癬は犬種や性別・年齢に関わらずどの犬でもリスクが高いです。

しいて言えば、外出が多い犬や山や川のそばに住んでいてマダニの発生が多いお住いの犬では、さらにリスクが高くなるといえます。

また、皮膚病を患っている犬では、皮膚の異常に気づくことが遅れてしまうケースがあり、注意して観察することが求められます。

 

疥癬の原因

疥癬の原因は、先ほども記述した通りイヌセンコウヒゼンダニが原因です。

イヌセンコウヒゼンダニが皮膚に寄生することで、皮膚の炎症や激しい痒みが引き起こされます。

また、疥癬にかかっている犬との接触で感染が成立するケースは多く、外出をあまりしない犬でも、飼い主さん経由で病原体を運んでしまうパターンも多く考えられます。

感染力が高い疥癬なので、少量の付着したダニの卵でも安易に感染が成立してしまう、侮ってはいけない恐ろしい病気のひとつです。

 

疥癬の症状

では、気になる疥癬の症状はどんなものがあるでしょうか。

疥癬の症状は、かなり顕著に現れるものから異常に気づくまでに時間がかかってしまいそうなものなどさまざまです。

早めに異常に気づき治療に取り掛かれると良いですね。 

激しい痒み

疥癬の代表的な症状として激しい痒みが現れます。

これはほぼ十中八九出る症状だといえるでしょう。
さらに言えば、かなりの激しい痒みなので気づかない飼い主さんもいないと思います。
そのため、発見は容易にできます。

アレルギー疾患やアトピー持ちの犬であれば、多少の痒みは日常的に見られるかも知れませんが、疥癬の痒みは目立つため、それでも異常に気付けることでしょう。

ずっと掻いている、身体をこすっている、眠れないなどの様子が見られたらすぐに獣医師に相談しましょう。

皮膚のかさぶたや炎症

疥癬は皮膚にトンネルを堀り激しい痒みを呈すると説明しました。

その結果、かさぶたや炎症などの皮膚に異常が現れるのです。
炎症が起きているとその部分の皮膚が腫れあがったり赤みを帯びたり、熱を持っていたりします。
愛犬がしきりに同じ部位を掻きむしることでも脱毛や炎症が起きてしまうため、痒みが確認されたら皮膚の状態を一通り観察しましょう。 

脱毛

疥癬は重症化すると、脱毛が起こってしまいます。

下半身や顔回りなど毛が抜けてきたと感じたら、皮膚に異常がないかをチェックしてみましょう。

全身性脱毛は、疥癬だけでなくほかの病気でも起こり得る症状ですので、一概に疥癬だと判断はできませんが、痒みや皮膚炎を併発している際は、疑うべき症状だといえます。

また、疥癬の発生部位によっては、一部のみの脱毛のケースもあり、はっきりとわからないこともあります。
注意深く愛犬の仕草や様子を観察しておきましょう。

フケの増量

皮膚状態が悪くなると、毛艶も悪くなるほかフケが増量するのも目立ちます。

フケは愛犬の背中などが見つけやすく、人と同様に白い粉っぽさが付着しているのが確認できます。

よく、シャンプー後の洗い流しが足りなかったり、乾かし方が甘いとフケが出ているのを見たことはありませんか?

皮膚の健康状態が良くない時に増えるサインですので、疥癬時もフケの増量は見られることがあります。

フケが気になったら、愛犬の皮膚状態をチェックしましょう。

発熱

基本的に、皮膚症状を呈することが多い疥癬ですが、重症化すると発熱などの全体症状も出ることがあります。

また、リンパ腫が腫れたりと風邪のような症状も見られることがあります。

疥癬は、初めにかなりの痒みで気づく飼い主さんがほとんどだと思いますが、気づいたらあまり様子を見ずに早めに動物病院を受診しましょう。 

食欲不振・元気喪失

重症化することで、全身症状が現れることがあり、食欲不振や元気喪失も出るケースもあります。
疥癬時の食欲低下や元気喪失はあまり良くないため、早く獣医師に診てもらいましょう。
痒みに気づいた段階で相談し、受診の指示を仰ぐと良いですね。

 

疥癬の治療法

実際に、疥癬にかかってしまった際の治療は一体どのようなものがあるのでしょうか。

どの動物病院でもあまり変わらない治療方針かと思いますので、メジャーな処置をご紹介します。

内服薬(駆虫薬)

治療としては一択、ともいわれるほど大事なのが駆虫薬の投与です。

代表的な薬としては「イベルメクチン」ですね。

イベルメクチンはフィラリア予防薬として使われているお薬ですので、フィラリア予防にも効果があります。

ただし、気を付けていただきたいのは「コリー種には禁忌」ということです。

ボーダーコリーやシェットランドシープドッグなどのコリー種では、イベルメクチンの投与が禁止されているため、お薬だけの処方希望でも、必ず犬種を獣医師に伝えて処方してもらいましょう。

また、フィラリア予防薬は原則として、フィラリア感染をしていない時のみ服用可能なので、フィラリア検査が陰性であることを確認したうえで投与しましょう。

 

疥癬の予防法

では、疥癬症を予防するためには何ができるでしょうか。

簡単にトライできることから初めて、少しでもリスクを減らせる生活をできるようにしましょう。

犬の集まる場所にはあまり出向かないようにする

疥癬は、犬同士での感染力が強く、疥癬にかかっている犬との接触で発症してしまいます。

そのため、犬が集まるイベントやドッグラン・ドッグカフェなどのお出かけには十分注意し、極力出向かないようにするのが好ましいですね。

しかし、ドッグランや旅行などが好きなワンちゃんももちろん多いと思いますので、他の犬との接触があった際は、帰宅後お風呂に入れるなどして対策すると良いでしょう。

また、多頭飼いでは疥癬疑いのある犬との隔離は行うべきですが、家庭内でダニが発生している場合、過度な接触がなくとも移ってしまうケースがあります。

その際は、隔離と合わせて部屋のダニ駆除を行うことが求められます。 

こまめに掃除する

ダニは、綺麗な場所よりも少し汚れた場所に繁殖するイメージはありませんか?

長い期間洗っていない布団にダニが発生するなどという話もよく耳にします。

そのため、そもそものダニを発生させないように清潔に部屋を保っておくことも予防のひとつといえます。

定期的にシャンプーをする

疥癬の治療法でもあるように、シャンプー療法は大事な予防策です。

トリミングに出す場合は、約1~2ヶ月に1回、家庭でお風呂に入れる場合も1カ月に1回くらいのペースで洗っているご家庭が多いのではないでしょうか。

実際、疥癬や皮膚病の予防としては2週間に1度程度のシャンプーを推奨しており、肌への刺激や被毛の健康状態などを考慮して、良いとされている期間です。

なるべく最低でも月に1回は身体を綺麗に洗い、予防に努めると理想的ですね。

関連記事:犬のお風呂は月1? 週1? 入れすぎはよくない?

ノミダニ予防薬をきちんと行う

ノミとマダニの予防薬は毎月投与していますか?

犬を飼う家庭ならみなさんご存知かと思いますが、犬にはノミダニ予防が必要です。

ノミとダニが寄生した時の症状と疥癬の症状は痒みが出たりと非常に似ているため、すぐに判断できるようノミダニの予防はしっかりとしておきましょう。

関連記事:犬のノミダニ予防薬はいつから飲ませる?料金や種類、おすすめ解説

 

疥癬の治療にかかる料金の目安

疥癬の治療は基本的に内服薬の投与です。

内服薬と診察の料金の相場は1回の通院で4,000円~8000円となっています。

基本的に1度の投与のみでは治ることが少ないため数回の通院は必要です。

また、疥癬は非常に厄介な感染症なので消毒費や伝染病対策費という費用を取る病院もあります。その際は2,000円~3,000円ほどかかってくるでしょう。

さらに、食欲不振や元気喪失、発熱などの全身症状が見られる際は、検査や処置がかかるため20,000円前後はプラスになると考えておきましょう。

 

まとめ

疥癬症はイヌセンコウヒゼンダニという寄生虫が寄生することで発症する感染症のひとつです。
犬同士での感染力が強く、また人へも感染する病気です。

症状としては激しい痒みや皮膚の炎症・腫れ・赤みなどの皮膚症状がメインです。
ダニが愛犬に付着しているのを見つけても決して自身で引っ張らずに、すぐに動物病院を受診し除去処置をしてもらいましょう。
また、適度なシャンプー療法も効果的です。
定期的にお風呂に入れて清潔にキープしておきましょう。

多頭飼いの家庭では要注意で、一度ダニが家庭内で発生した際は、バルサンなどの駆虫を実施することがおすすめです。

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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