インコを飼っていると、血便や下痢などの便の異常を目にすることも多いかと思います。
しかし、元気があるけど動物病院に連れていくべきなのかなど悩む方もいると思います。
セキセイインコなどの小型のインコは、少量の出血でも命取りになってしまう危険もあり、血便が長く続くと心配な事態になってしまいます。
そこで今回は、インコの血便について原因や治療法、受診の目安などもご紹介します。
あまり長期間様子を見ずに早めに行動することを心がけるといいですね。
インコの血便の原因
では、インコが血便を出してしまう時の原因とは何なのでしょうか。
実はさまざまな原因が考えられますので、愛鳥が血便をしている時、当てはまるものがあるかどうか見てみてくださいね。
消化管内の出血
血便の原因として一番考えられるのが、消化管内の出血です。
総排泄腔や下部消化管からの出血が疑われます。
炎症や腫瘍などによって下部消化管から出血するのです。
小腸や胃からの出血である際には、黒い色の便がでることがあり、出血という状況は消化管の下部であると判断できます。
例えば、下痢で何度も便をしている時などは、腸に炎症が起きたり、異物や腫瘍によって物理的に傷つくケースもあります。
出血の場所や詳しい原因は、獣医師に相談して調べてもらうといいでしょう。
中毒
インコは鉛中毒や重金属中毒という中毒状態でも、血便の症状が出る可能性があります。
この中毒状態は非常に危険な状態となるため、早めに動物病院を受診しましょう。
中毒の症状としては、嘔吐や下痢・震えや興奮などの神経症状、呼吸異常などの呼吸器症状、皮膚の変色や炎症などのあらゆる症状が急激に現れます。
急死の危険性もあるため、即行動を心がけましょう。
肝不全
肝不全とは肝臓が悪くなり、肝臓が働かなくなる状態のことを指します。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるくらい、あまり症状を明らかにしない臓器なので早期発見が難しいとされています。
ですので、血便が肝臓が原因で出ている際は、かなり進行していると考えられます。
血便が出て原因がわからない場合は、あまり長く様子を見すぎずに獣医師に相談しましょう。
感染症
メガバクテリア感染症という病気をご存知ですか?
マクロラブダスというカビがインコの胃の中に感染してしまい、消化器疾患を引き起こす病気です。
セキセイインコやコザクラインコ、オカメインコに多く見られ、珍しい病気ではないのが特徴です。
血便のほかに下痢や食欲不振・体重減少などが見られ、感染経路としては親子感染や他のインコとの接触・不衛生な環境での感染などが挙げられます。
基本的に早期に治療を擦すれば数週間で治る病気ですが、慢性化すると治りにくく最悪の場合ガンなどの発症のリスクも高まるので、早めに獣医師に診てもらいましょう。
ストレス
インコも人間や犬猫と同じく、ストレスが原因で下痢や血便が出ることもあります。
ストレスの原因としてはインコそれぞれで異なるため、性格を把握して早めにストレスの原因を除去してあげましょう。
基本的にストレス性は一過性ですぐに治る場合が多いですが、長引くようであれば早めに獣医師に相談してくださいね。
自慰行為
オスのインコの自慰行為でも血便が出るケースがあります。
交尾のマネごとのような感じで血を出すインコもいるためです。
オスのインコが盛んに求愛行動や自慰行為をしている際は、注意してお尻あたりに血が付着していないか確認してみましょう。
食事内容
食事内容でも血便が確認される例もあります。
例えば、着色料の入ったペレットなどを食べていると便が赤いまま排出されるケースがあります。
便は食べたものでできているため、愛鳥の食生活にも気を配りたいですね。
インコの血便が出た時の受診目安
では、実際血便が出た際は様子見をして良いものなのでしょうか。
以下では、受診の目安をご紹介します。
血便が長く続く
血便が1回だけでなく2回以上続く際は、受診をおすすめします。
消化管内の出血が疑われる際は、早めに相談しましょう。
体の小さなインコは少量の出血でも命取りになってしまいますので、続いている場合は早めに行動することを心がけてくださいね。
元気がない
血便だけでなく愛鳥の元気がないなと感じたら、すぐに動物病院を受診するか、係りつけの獣医師さんに相談しましょう。
元気がない場合はさまざまな病気も考えられます。
また、血便が出た際の状況やご飯・愛鳥の様子なども説明できるように把握しておくことが求められます。
食欲がない
愛鳥の食欲がない時も要注意です。
動物病院に受診することをおすすめします。
食欲低下も元気喪失と同じく、さまざまな病気の症状として現れるので、一概に血便との関係を呈することは難しいですが、血便時とともに食欲の低下は消化器官内の炎症や腫瘍などの障害が疑われます。
消化器疾患は放っておくと栄養不足や低血糖などの二次健康被害に繋がる恐れがあるので、なるべく早めに行動したいですね。
下痢もしている
うんちに血がついているだけでなく、ゆるいうんち、つまり下痢をしている場合も獣医師に相談した方が良いでしょう。
また、下痢などの糞便は感染源の原因となる可能性もあるため、気づいたらすぐに片づけ、綺麗に消毒と掃除をしましょう。
下痢をしている際は、うんちの回数に変化がないか、うんちする様子に変わったことがないかも注目してみておくと良いでしょう。
便秘である
下痢だけでなく、便秘の時も危険です。
動物は便秘でも死亡してしまうことがあるため、侮ってはいけません。
人間でも便秘時は、便の水分が失われ硬い便となり、排出に力を加えますよね。
その結果、お尻が切れて血がでてしまうのと同じく、インコも血便の可能性が考えられます。
また、便秘は食欲不振や元気喪失にも繋がるため、糞便が長時間確認できていない際は、相談してみると良いでしょう。
さらに、メスのインコであれば卵詰まりの可能性も捨てきれない事態となりますので、早めの行動を心がけると良いでしょう。
インコの血便の治療法
では、インコの血便時はどのような治療法があるのでしょうか。
代表的な治療法をご紹介します。
内服薬の投与
まずは、内服薬の投与が行われます。
メガバクテリア感染症が疑われる際は抗生剤の投与、下痢も併発している際は止瀉薬など、症状や状態によって選択される薬剤は異なります。
多くの動物病院では、抗生物質の投与は行われることが多いですが、5日~1週間連続で服用し、経過を診て方針を決めていくことがメインとなります。
止血剤の投与
出血が確認出来た際は、止血剤を用いることが多いです。
止血剤は3日~5日間程度服用し、出血が止まるかどうか判断します。
多くのケースでは止血剤の投与で出血が止まることが多いですが、止まらない場合は服用途中でも獣医師に確認してみても良いかもしれませんね。
インコの血便の予防策
では、血便を予防できる方法はあるのでしょうか。
血便は気を付けていても完全に防げることではないですが、リスクを高めないようにすることは日々の生活でできることがあるので、取り組んでみてくださいね。
生活エリアは常に清潔にしておく
メガバクテリア感染症という感染症にかかっても血便がでてしまうと説明しました。
そのため、感染が成立しにくい環境を作る必要があります。
ケージや鳥かごの中は常に清潔にしておき、下痢や血便が出ている際はとくにすぐに片づけて掃除をするようにしましょう。
止まり木などの消毒も忘れないように行い、とくに複数羽の鳥を同じケージ内で飼育している時は要注意です。
また、外枠のフェンスも鳥は足でつかまったりすることがあるため、綺麗に掃除しておきましょう。
ストレスをなるべく除去する
インコにかかるストレスも、なるべく除去してあげるようにしたいですね。
ストレスの原因は、インコの性格によってなにがストレスになるのか異なるため、愛鳥の性格を把握しておくことが重要です。
例えば、複数羽で飼っている場合、鳥同士の相性が悪くストレスとなるケースや、部屋の環境が不衛生でストレスを感じるタイプ、放鳥の時間が短く運動不足によるストレス、来客や新規のペットの加入などによるストレスなど、生活にありふれていることが原因となることがあります。
早めに気づき、対策してあげることが大切ですね。
インコの血便の治療にかかる費用の目安
インコの血便にかかる費用の相場としては約3,000円~6,000円前後とされています。
診察代・内服代・検査代などでそれくらいの費用がかかる見込みです。
他に画像診断などの検査が入ると追加でかかります。
内服薬も経過によっては継続投与や継続治療となりますので、治るまでに10,000円程度かかることもあります。
また、血便はペット保険の免責事項を除き補償対象になるケースが多いので、インコもシニアになってくるとペット保険の加入を検討すると良いかもしれませんね。
まとめ
インコの血便はさまざまな原因が考えられます。
多いのは消化器官内の出血・オスインコの自慰行為・メガバクテリア感染症などです。さらに、ストレスや重金属中毒・鉛中毒・食事内容・肝不全なども原因として考えられます。
また、動物病院受診の目安としては、元気がない・食欲が落ちている・下痢をしている・便秘気味・血便が続くなどの場合は獣医師に相談することをおすすめします。
予防策は、ストレスをなるべく除去する・生活環境を常に綺麗に保っておくことが挙げられますが、血便は完全に予防できるものではないため、リスクを下げる意識で取り組んでみると良いでしょう。
複数羽で飼っている場合は、とくに感染症や衛生面に気を付け、相性のチェックや放鳥の時間を十分に取るなど、ストレスをかけない生活を心がけましょう。
インコは血便時の少量出血でも、命に関わってしまうこともあるため、あまり長期間様子を見すぎずに早めに行動するといいですね。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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