犬は虫歯にならないと聞いたことがあるでしょうか。
一方で、犬は口の悪い子が多いですよね。口の悪い原因は虫歯なのでしょうか。
さらに、犬が虫歯で死亡するって本当なのか、初期症状や見分け方など気になっている飼い主さんもいるのではないでしょうか。
今回は、そんな犬の口のトラブルにまつわる虫歯について詳しく解説していきたいと思います。
犬も虫歯になる?

結論から言うと犬も虫歯になります。
しかし、犬の虫歯は比較的少なく稀です。
代わりに犬は歯周病になる確率が圧倒的に多く実に9割近い犬が歯周病にかかります。
歯周病は犬にとって身近な病気であるため、放っておく飼い主さんも多いかもしれませんが、実は歯周病が悪化すると死亡してしまうリスクもある、侮ってはいけない病気なのです。
これが、犬が虫歯で死亡するといわれている原因なのではないでしょうか。
犬が虫歯になる原因
犬が虫歯になる原因としては何が考えられるでしょうか。
私たち人に置き換えて考えてみましょう。
食生活
私たち人も虫歯になるのは、食生活が原因のひとつですよね。
犬も同じく、糖分の摂取過多によって虫歯になりやすい口腔内環境を作りやすくなります。
ドッグフードのみを食べている犬であれば、栄養バランスは問題ないですが、ウェットフードや手づくりご飯などをメインに食べている犬では、歯の健康の維持が難しいことがあります。
一度愛犬の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。
歯のケアをしていない
人間も、歯みがきを怠ると虫歯になりやすくなりますよね。
犬も同じで歯のケアをしていない犬はしている犬に比べると、虫歯や歯周病になってしまうリスクが高まります。
犬の歯のケアは、ブラシを使った歯磨きができるのであれば、毎日してあげるのが一番効果的です。
しかし、犬の性格によっては歯ブラシを使ったケアが難しいこともあると思います。
そんな時は、歯ブラシは使用できなくても指でマッサージをするなど、できることからしていきましょう。
それも厳しい場合は、歯磨きガムや噛むおもちゃなどをせめてしておくと良いでしょう。
おやつの与えすぎ
犬におやつを与える飼い主さんは多いと思います。
しかし、おやつの与えすぎは注意が必要です。
肥満に繋がることもですし、糖分が多い食生活は虫歯や歯周病の原因ともなります。
人間も甘いものを好んで食べる人は比較的虫歯になりやすいですよね。
犬も同じで食生活にも気を付けておきたいですね。
愛犬とのスキンシップ
実は、愛犬とのスキンシップで虫歯が感染してしまうこともごくまれにあります。
虫歯のある飼い主さんと濃厚なスキンシップをすることで、菌が移ってしまうのです。
例えば、同じお箸でものを食べさせたり、口周りをペロペロされたり、同じコップで水を飲んだりしてしまうことはなるべく避けるようにしましょう。
歯周病の治療をしていない
犬は虫歯になることは非常にまれで、対して歯周病はほとんどの犬がかかると説明しました。
その歯周病の状態を放置することで、そのせいで虫歯ができてしまうことも考えられます。
口腔内の健康が保たれていないと、歯周病も悪化しさらに虫歯もできてしまうため、あまり様子見しすぎずに治療を検討することをおすすめします。
虫歯や歯周病の症状
虫歯や歯周病の時、愛犬はどんなサインを出すのでしょうか。
気になる仕草がないかチェックしておきましょう。
口臭
まず、飼い主さんが気づきやすい症状として口臭が感じられます。
犬は歯石がつくことが多く、歯石は口臭の原因となってしまいます。
口の悪いワンちゃんは口が臭くなると犬を飼っている人であれば、聞いたことがあるのではないでしょうか。
関連記事:犬が口臭い原因は?病気の可能性はある?
歯石がつく
愛犬の歯を見ると、黒や茶色がかっていることはありませんか?
その正体は歯石であることが多く、歯石になってしまうと歯磨きでは取るのは難しく、スケーリングという専用の機械を使って歯石除去をするほかありません。
歯石除去は全身麻酔下で行うため、手術としてリスクがあるので慎重に考えましょう。
食べる速度が遅くなる
虫歯や歯周病を患っていると、歯や歯茎に痛みがありご飯を食べる様子がいつもと異なることがあります。
その代表が食べる速度が遅くなるという症状です。
食欲はあるのに痛くて食べられないためゆっくり完食する傾向にあります。
ドライフードを嫌がる
歯に痛みがあると速度が遅くなるだけでなく、噛まなくてはいけないドライフードを嫌がるようになることがあります。
その際は、ふやかしたりウェットフードを与えるなどして、食欲がいつも通りで食べっぷりもいつも通りになるか試してみましょう。
ドライフードのみを嫌がる場合は、口の痛みが原因であることが多いので、一度獣医師に相談してみましょう。
噛む遊びをしなくなる
ドライフードを嫌がるようになるのと同様に、噛む遊びをしなくなる傾向にあります。
これも、歯に痛みがある犬の特徴です。
引っ張り遊びやぬいぐるみぶんぶん遊びなどが好きだったのに急にしなくなったという場合は要注意です。
一度、愛犬の歯肉の状態をチェックしてみましょう。
愛犬の虫歯を見分ける方法
では、虫歯を見抜くにはどうしたら良いのでしょうか。
簡単な物から取り入れてみてくださいね。
口腔内を定期的にチェックする
まずは、愛犬の口の中をチェックする習慣をつけることが大事です。
普段から見ていることで異常に気付きやすくなり、さらに犬も口を見られることに慣れてきて、お手入れがしやすくなるメリットもあります。
歯茎が赤くなっていないか、歯石が付き始めていないかなど、定期的に見ておきましょう。
口臭のチェックをする
口の中を見るのと同時に、口臭も確認しておきましょう。
歯石が溜まると、どうしても犬は口臭がひどくなってしまいます。
歯周病の犬の特徴です。スキンシップの時などに愛犬の口臭も気にしておきましょう。
歯肉の後退がないかチェックする
歯肉の後退とは、本来あるべき歯肉が溶けてしまい歯根という歯の根元が見えてしまっている状態のことを指します。
この場合、歯肉炎を併発しているケースが圧倒的多く、歯茎が真っ赤になっていることと思います。
歯肉の後退が進むと、人間でいう神経がむき出しになっている状態ですので、かなり痛みが生じるはずです。
ここまで悪化してしまうと食欲が落ち始めたりすることがあるので、動物病院で一度診てもらうことをおすすめします。
ご飯の食べる様子をチェックする
愛犬の食事の様子をチェックするのも異常に気付く近道です。
食べる速度が遅くなったり、噛むのが嫌がったりドライフードの食いつきが悪くなったり、かすかな変化に気付けるように日々見ておくといいですね。
虫歯の予防法
虫歯や歯周病にならないために、できることはなんでしょうか。
できることから少しずつトレーニングしていきましょう。
歯みがき
虫歯の予防法として一番効果のあるものが歯磨きです。
犬用の歯磨き粉(歯磨きペースト)を歯ブラシに塗り、歯周ポケットめがけてブラシを当てます。
さらに奥歯まですべての歯を終えたら、できるのであれば歯の裏側も磨きましょう。
とはいえ、歯磨きが苦手な犬が多いため、なかなか歯磨きを習慣づけられるご家庭は少ないかと思います。
そんな時は、歯肉炎や歯石沈着に効果ある歯磨きジェルを使用しましょう。
また、歯ブラシが難しい場合は、手にジェルやペーストを塗り、歯茎をマッサージする感じで、優しい歯磨きをしてあげましょう。
歯磨きガム
歯ブラシでも指磨きでも犬の性格的にできない飼い主さんもいるかと思います。
そんな時は、歯磨きガムなどでケアするといいですね。
歯ブラシや指磨きほどの効果は得られませんが、歯の健康のためにはガムを嚙ませるのも必要です。
歯垢が落とせる歯磨きガムと名高いものもありますが、基本的にはガムはデンタルケアのメインではなく、少し手助けするくらいと認識しておきましょう。
出来るのであれば、歯みがきが習慣化できるようにトレーニングできるといいですね。
デンタルケアグッズ
噛んで歯を強くする噛みおもちゃやお水に入れるタイプのデンタルケア用品、さらにスプレータイプの口臭除去グッズなど、歯に関してのデンタルケアグッズが多く存在します。
歯みがきができる犬では歯磨きと併用して使うとかなり効果が期待できます。
特に、お水に入れるタイプのデンタルケア用品は需要が高く、良く選ばれています。
しかし、やはりガムと同じくメインではないため、なるべく歯磨きができるようにしていきたいですね。
犬は虫歯で死亡するって本当!?
犬は虫歯で死亡すると一度は聞いたことがあるでしょうか。
実はあながち間違いではないのです。
直接的な原因は歯周病であることが多いですが、犬は歯周病が悪化すると死に至る危険性もあります。
というのも、歯周病になってしまうと、口の中に菌が溜まり食事や飲水をすることで体内に菌が巡ってしまいます。
健康な犬であれば特に問題はないのですが、体調を崩した犬や高齢の犬では、菌が体中に回りその菌に体が勝てなくなる「敗血症」という病気になり死に至ってしまうのです。
また、口腔内の菌が溜まると膿ができ、顔が腫れて皮膚が破れてしまう状態になることも多く、犬の歯周病はありふれている分、よく知っておかなければならない病気のひとつです。
まとめ
犬も虫歯になります。しかしそれは非常にまれなケースです。
ただし、9割以上の犬が歯周病にかかってしまうことがわかっています。
歯周病は侮っていたら死亡するリスクもある怖い病気です。
症状としては口臭が出る・食べる速度が遅くなる・ドライフードを嫌がる・噛むおもちゃで遊ばなくなる・歯肉が赤くなるなどさまざまです。
飼い主さんができることとしては、定期的に口の中をチェックしておくことや食べる様子に異常がないか見ておくなど、日々愛犬の観察をして、早めに異常に気付くことが大切です。
また、予防法としては歯ブラシをすることが一番の予防法であり、歯ブラシを使った歯磨きができない場合は、指で歯茎のマッサージをしながら優しく歯を磨きましょう。
それもできない性格の犬であればデンタルケアグッズや歯磨きガムなどを使ってデンタルケアをなるべくしていくことをおすすめします。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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