犬の関節ケアにサプリは効果的?
犬の関節の病気はシニア犬に多く見られますが、近年は若い成犬でも増えています。
特に小型犬の膝蓋骨脱臼や、大型犬の股関節形成不全など、犬種により若い年齢でも起こりやすい疾患があります。
最近では治療の補助や日常ケアとして、関節のサプリメントを取り入れる飼い主様も増えています。
この記事では、犬に多い関節の病気や症状、サプリメント成分の効果、日常ケアのポイントなどを獣医師が解説します。
犬の関節疾患の症状とは?
犬の関節は、骨と骨の間をクッションのように支える「関節軟骨」と、潤滑を助ける「関節液」、それらを包む「関節包」などによって構成されています。
これらの組織が加齢や外傷、炎症などで傷つくと、痛みや腫れ、動きの制限などが起こります。そのような場合は、以下のような症状が起こります。
- 散歩に行きたがらなくなった
- ゆっくり歩くようになった
- 階段などの段差の上り下りを嫌がる
- 立ち上がるのが辛そうに見える
- 寝ている時間が長くなったり短くなったりした
- 尾を下げていることが多い
- 跛行(びっこ、ケンケン)するようになった
犬でよく見られる関節の病気とは?
犬の関節疾患は、年齢や犬種によりさまざまです。よく見られる主な疾患をご紹介します。
1. 変形性関節症
加齢や慢性的な関節疾患によって軟骨がダメージを受け、関節炎を起こす病気です。中〜高齢犬で多く見られ、根治的な治療が難しい病気です。
ある報告では、約20~25%の犬、すなわち5頭に1頭程度の犬において変形性関節症が認められると言われています。長期的に内科的な治療が必要なことから、関節のサプリメントをよく使用する代表的な病気です。
2. 膝蓋骨脱臼
小型犬に多く、膝のお皿(膝蓋骨)が本来の位置からずれやすくなる病気です。症状は無症状であるケースから、重度では持続的な跛行や痛みが見られるケースまでさまざまです。
膝蓋骨脱臼の治療には外科手術を行う必要がありますが、手術をしないケースではサプリメントによる長期的なケアがよく行われます。
3. 股関節形成不全
大型犬に多く見られ、成長段階で股関節が適切に発育せず、歩き方の異常や関節炎を起こす病気です。成長期から発症することもあり、体重管理と早期発見、早期治療が重要です。
股関節形成不全の治療には外科手術を行う必要がありますが、手術が適応とならないケースではサプリメントによる長期的なケアがよく行われます。
4. 離断性骨軟骨症
成長期の犬で軟骨の一部が剥がれ、痛みや炎症を起こす病気です。肩や肘、膝関節で発生しやすく、若齢でも発症します。特に大型犬であるラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、ロットワイラーなどによく見られます。
離断性骨軟骨症の治療は外科手術で剥がれた関節軟骨を取り除く必要があります。術後はさらなる軟骨のダメージをケアするため、サプリメントによるケアがよく行われます。
5. 肩関節不安定症
激しい運動や外傷が原因となることが多く、スポーツドッグや若い犬に見られる病気です。肩関節を支える靭帯が緩んで関節が不安定になる疾患で、軽症では一時的な症状のみですが、慢性化すると変形性関節症へ進行します。
犬の関節疾患に使用するサプリメントとは?
関節サプリの成分は大きく、関節を構成する成分と炎症を調整する成分に分けられます。代表的な成分を比較し、目的や効果の違い、使用する病気を整理しましょう。
1. グルコサミン
関節軟骨の基礎的成分であるグリコサミノグリカン(GAG)を構成する成分の1つ。軟骨の摩耗を防ぐ、摩耗した軟骨を修復するといった作用が期待されています。
2. コンドロイチン
軟骨組織の中で水分を引き寄せ、関節軟骨の保水性や弾性を保ちます。グルコサミンと併用されるケースが多く、相乗的な軟骨保護が期待されます。
3. 非変性Ⅱ型コラーゲン
軟骨の「土台」としての役割のほか、関節内の過剰な炎症反応を抑える作用も期待されます。Ⅱ型コラーゲンは熱に弱く、「非変性」である方が良いとされています。
4. プロテオグリカン
関節軟骨を構成する成分の1つで、高い保水力を持ちます。軟骨の減少を抑える効果や、痛みを緩和する効果も報告されています。
5. MSM(メチルスルフォニルメタン)
関節の炎症の緩和やコラーゲン生成のサポートが期待され、変形性関節症などに使用されます。
6. ASU(アボカド大豆不鹸化物)
関節の炎症を軽減し、軟骨を保護する効果が知られています。変形性関節症などに有効とされています。
7. オメガ3脂肪酸
抗炎症作用があり、関節痛や炎症の緩和のほか、皮膚や被毛、心臓、腎臓などの健康維持もサポートします。
与えやすいおすすめの関節サプリメントとは?
ここまでは関節の病気と使うべきサプリメント成分について解説しました。続けやすく与えやすいサプリメントとしておすすめなのが「あんよくん」です。
・小粒で錠剤のサプリメント
小型犬向けに小粒の錠剤タイプで、フードに混ぜても自然に摂取できます。チーズや液状おやつに包んで与えることも可能です。
・複数のサプリメント成分を配合
あんよくんには、コンドロイチン、グルコサミン、プロテオグリカンが配合され、相加・相乗的に愛犬の関節をサポートします。
サプリメント以外のケア方法とは?
サプリメントは補助的な手段です。それぞれの病気に適した治療を行ったうえで、体重管理・環境整備・運動の見直しなど、包括的にケアしましょう。
1. 体重管理
体重過多は関節への負担になります。適正体重を維持するだけで症状が緩和するケースもあります。ダイエットフードや低カロリーおやつを活用しましょう。
2. 床環境の工夫
フローリングは滑りやすく、カーペットやマットを敷く、段差にスロープを設置するなどの対策が有効です。
3. 運動
適度な運動は体重管理と関節維持に重要ですが、痛みや炎症がある場合は控えめに。平地で15~30分程度を目安に、状態に応じて調整します。
まとめ
関節の健康は愛犬の生活の質に大きく影響します。進行すると治療が難しくなるため、早期発見とサプリメントによる日常的ケアが大切です。ライフステージに合わせて関節のケアを取り入れていきましょう。
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この記事を書いたのは

獣医師:浅川雅清
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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