2025年版 犬用サプリは本当に必要?獣医師が「必要な子」と「不要な子」を解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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近年は犬の高齢化が進み、それに伴い慢性的に付き合っていく必要のある病気も増えてきています。サプリメントは、そのような病気の犬の健康のサポートに使用することができます。

また、病気でない犬でも、サプリメントを使用することで健康をサポートしてあげることも可能です。最近は様々なサプリメントが発売されていて、どれを選べば良いのか迷ってしまうと思います。

ここでは、どのようなケースでサプリメントがいるのか、それともいらないのか、その判断の一助になるような内容を解説します。

犬用のサプリメントにはどんな成分が入ってるの?

人においてサプリメントとは、「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」と定義されています。食事で補いきれない栄養素や機能性成分を補助するために作られた、いわゆる「健康食品」に近いものと言われています。

犬においても同様で、健康維持や体調管理などを目的に与えるケースがほとんどです。近年はフードの中に既にサプリメント成分が配合されている商品も発売され始めています。様々な商品が発売される中で、主な種類は以下のようなものが挙げられます。

【関節ケア】
グルコサミン、コンドロイチン、モエギイガイ、ASU(アボカド大豆不鹸化物)、MSM(メチルスルホニルメタン)、コラーゲン、プロテオグリカン、オメガ3脂肪酸など

【皮膚・被毛ケア】
オメガ3脂肪酸、亜鉛、ビタミンE、コラーゲン、植物発酵糖脂質LPSなど

【腸内環境ケア】
乳酸菌、ビフィズス菌、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、酪酸菌、サイリウム、イヌリン、ラクリス菌、オリゴサッカライドなど

【肝臓ケア】
SAMe、ニカショウハーブ、シリマリン、オルニチン、タウリン、プラセンタ、BCAA(分岐鎖アミノ酸)など

【腎臓ケア】
炭酸カルシウム、キトサン、オメガ3脂肪酸、活性炭、クエン酸鉄など

【認知機能ケア】
DHA、EPA、MCT(中鎖脂肪酸)、GABA、テアニン、ホスファチジルセリンなど

【免疫ケア・抗酸化作用】
フランス海岸松樹皮抽出物、アスタキサンチン、冬虫夏草、ラクトフェリン、プロポリス、アガリクス、タヒボエキス、アセチル化α-1,4グルカンなど

【尿ケア】
N-アセチルグルコサミン、クランベリー、ウラジロガシエキス末など

【目のケア】
ルテイン、アントシアニン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、クルクミノイドなど

【心臓ケア】
コエンザイムQ10、タウリン、フランス海岸松樹皮抽出物、オメガ3脂肪酸など

【口内環境ケア】
アスコフィラムノドサム、グロピゲンPG、ラクトフェリン、リゾチーム

これだけの種類がありますので、一般の飼い主様が独断で選ぶと、適切な商品が選択できない可能性があります。また、全ての成分が健康な犬が必ずしも必要という訳でもありません。
適切な成分を適切な量で使用するのが、サプリメント選びで重要なポイントのひとつといえるでしょう。

どのような犬にサプリは必要なの?

次に、上記の成分が配合されたサプリメントが必要になる犬の典型的なパターンを紹介します。

【関節のトラブル】
●子犬の頃から関節のトラブルがある
●高齢になって、歩きにくそうにしている
●過去に関節の手術をしたことがある(膝蓋骨脱臼、前十字靭帯断裂など)  など

【皮膚・被毛ケア】
●アレルギーによる皮膚炎を繰り返す
●乾燥肌や脂っぽい肌で皮膚トラブルを繰り返す
●年齢や病気で毛が薄くなっている  など

【腸内環境ケア】
●よく下痢や軟便をする
●便秘傾向である
●腸内環境を整えて、全身のケアをしたい  など

【肝臓ケア】
●子犬の頃から肝臓の数値が高いと言われている。
●病気で肝臓の数値が高い
●エコー検査などで肝臓の異常があると言われている  など

【認知機能ケア】
●徘徊行動が増えた
●夜鳴きが増えた
●日中良く寝て、夜起きてしまう昼夜逆転が見られる
●「おすわり」や「ふせ」などのしつけができなくなった
●トイレの場所が分からなくなった
●留守番が出来なくなった  など

【免疫ケア・抗酸化作用】
●最近老いが目立つようになってきた
●健康だが、何かサプリメントを取り入れてあげたい など

【尿ケア】
●膀胱炎を繰り返している
●頻尿や血尿を繰り返している
●結石が出来ている  など

【目のケア】
●目が白くなってきた
●物が見えにくくなった
●白内障になり始めていると言われた
●病気で目が見えにくくなっている  など

【心臓のケア】
●聴診で心臓に雑音があると言われた
●心臓病が多い犬種と言われていて心配 など

【口内環境のケア】
●最近口臭が気になり始めた
●トリミングや診察時に歯石がついていると言われた
●歯が着色しているように見える
●歯磨きができない など

もちろん病気があればその治療は薬などで行いますが、治療の補助としてサプリメントを使用する場合があります。
また、薬などで治療をする程度ではない状況であれば、サプリメントによるケアから始めてみるのもひとつの選択肢でしょう。

犬にサプリメントがいらないケースは?

ここまでは、サプリメントがどのような場面で使用されるかを解説しました。全ての犬が、上記のようなケースに当てはまらないことはもちろんで、健康な証だと思います。
裏を返せば、有能なサプリメントでも以下のようなケースでは不要であることが考えられます。

●健康診断で異常がなく、年齢が若く気になる症状が無い
●食生活に問題が無く、ドライフードにサプリメント成分が含まれている
●過去にサプリメントを使用してアレルギー反応が出たことがある

特に、ドライフードに既にサプリメント成分が含まれている場合、追加でサプリメントを使用すると重複してしまう可能性があります。サプリメントの多くは、多量に接種してもメリットが無いことが多いです。まれに体へ悪影響を及ぼすことも懸念されますので、注意が必要です。
以上を踏まえて、犬にサプリメントを与えるかどうか、判断のポイントにしてみてはいかがでしょうか?

犬用サプリメントを与えるときに気をつけたいことは?

サプリメントは薬品ではありませんが、食品として摂取するものである以上、気をつけるポイントがあります。

人の事例では、2024年に紅麹を含む健康食品で健康被害が発生しました。また、海外製のサプリメントの中には、表示されている成分が実際には含まれていなかったり、含有量が不足していたり、表示されていない成分が含まれていることがあるとも言われています。

【与えるときの注意点】
●成分表示や原産、製造国を確認すること
●「犬用」のサプリメントを使用する
●過剰摂取を避けるため、フードとバランスを考える
●病気で投薬中の犬は予め獣医師に相談をする
●メーカーの信頼性・販売元の情報をチェックする

犬にサプリメントを与えるか、判断に迷ったときは一度かかりつけの獣医師に相談しましょう。

犬用サプリメントって、本当に効果はある?

せっかくサプリメントを与えるなら、きちんと効果があるものを選びたいですよね。しかし法律上、サプリメントは過度な効果を期待する表現をすることが規制されています。
ですので、実際に有効性を確認した科学的根拠(エビデンス)などは公開されていないことが多いです。

ただし、すべてのサプリメントにエビデンスがあるわけではありません。
そのような場合、どのように効果の期待できるサプリメントを選べばよいのでしょうか?

【サプリの選び方の例】
●獣医師推奨と表記されているもの
●かかりつけの獣医師が良く使用しているもの
●臨床試験データや信頼性のあるメーカーから製造・販売されているもの
●レビューやSNSの情報を信用しすぎないこと

私自身も、飼い主様にサプリメントをご提案する場合は、メーカーから提供されたエビデンスや自身の使用経験に基づき、信頼できる製品をおすすめするようにしています。
また、最近はレビューやSNSの情報が偏った表現をされている商品も多く見かけます。どのサプリメントにするか判断に迷った場合は、獣医師に相談するのが良いかもしれません。

どのサプリメントを使用すべきか、判断するポイントは?

ここまでは、サプリメントが必要と思われるケースや、サプリメントの選び方について解説しました。最後に、実際にサプリメントが必要かどうか判断する際のポイントを整理してみましょう。

最近は高品質なサプリメントも多く発売されていますが、一番大切なのは「うちの子にとって本当に必要かどうか」を冷静に見極めることです。

【判断のポイント】
・上記の典型的なパターンに多く当てはまったかどうか
・病歴や、犬種的・遺伝的な病気のリスクがあるかどうか
・獣医師からのアドバイスの有無

繰り返しになりますが、病気がある場合は、まずは薬などによる適切な治療が優先されます。仮に「サプリメントが必要かもしれない」と思っても、まずはかかりつけの獣医師に相談したうえで使用を検討することをおすすめします。

まとめ

犬用サプリメントと一口に言っても、現在は非常に多くの商品が存在します。「なんとなく」で選ぶのではなく、根拠を持って選ぶことが、サプリメント選びには重要です。そのためには、愛犬の健康状態を正しく把握し、サプリメントの成分や効果についても正確な情報を得る必要があります。かかりつけの獣医師のサポートを受けながら、愛犬に本当に合ったものを慎重に選んでいきましょう。

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この記事を書いたのは

獣医師:浅川雅清
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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