2025年版 動物看護師解説 犬のケンネルコフとは?薬で治る?潜伏期間やワクチンはあるの?

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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「ケンネルコフ」という言葉を聞いたことがありますか?

一見すると難しい病名のように感じますが、実際一言で言うと「犬の風邪」のようなものです。
ただ、単に風邪を引いたと人間の感覚でいると甘いです。

そこで今回の記事では、犬のケンネルコフについて死亡例や潜在期間・薬で治るのか・ワクチンはあるのかなど、気になる点を徹底解説していきます。

 

ケンネルコフとは?

ケンネルコフとは、正式名称「犬伝染性気管・気管支炎」といい、主に咳などの呼吸器症状を呈する伝染性の呼吸器疾患の総称で、いわゆる犬の風邪のような病気です。

潜伏期間は約3日間〜10日間とされており、症状の出始めは犬によってまちまちです。

 

ケンネルコフの原因

ケンネルコフにかかる原因としてはかなり明確です。

メインとしては下記の3点が考えられますが、ほかにも多くの病原体が関与しているため、外出や室内の環境などにも気を配る必要があります。

細菌感染

主に細菌感染が原因でケンネルコフにかかることがあります。

ボルデテラ・ブロンキセプティカという細菌が代表的ですね。
細菌感染は免疫力が低下している際などにかかりやすいため、日頃から食生活や運動などに気をつけて体力面で栄養をつけておきましょう。

ウイルス疾患

ウイルスが原因でケンネルコフを起こすことがあります。

犬パラインフルエンザウイルス・犬アデノウイルス・犬ヘルペスウイルスなどが代表的です。
中にはワクチンがあるものもあればワクチンが存在しないものもあります。
感染源が多い環境にはなるべく行かないようにしておきましょう。

関連記事:犬の混合ワクチンは打たないとどうなる?値段や種類などを解説

飛沫感染

ケンネルコフにかかっている犬との接触、飛沫感染でも感染してしまう恐れがあります。

ケンネルコフは人には移らないとされていますが、犬同士では感染が成立してしまいます。

子犬の集まる幼稚園やしつけ教室などでは十分に注意が必要です。

 

ケンネルコフにかかりやすい犬種・特徴

ケンネルコフはどの犬種でもかかる可能性がありますが、特にかかりやすく、かかってしまうと重症化しやすい犬の特徴をご紹介します。性差での報告は特にないといわれています。

子犬

免疫力の乏しい子犬は、ケンネルコフに最もかかりやすいと言われています。

子犬同士が集まって生活しているペットショップやブリーダーの施設で発生することも珍しくなく、迎え入れてからすぐに症状が出始めるケースも多いです。

子犬同士の接触はワクチン接種が3回終了した後、ある程度の成長段階を経て行うことを覚えておきましょう。

高齢犬

高齢になってくるにつれて免疫力の低下が見られます。

そのため感染症にかかりやすく、ケンネルコフにもなってしまうリスクが高まります。

高齢犬との外出はなるべく注意して感染源の濃い場所への外出は控えておきましょう。

関連記事:犬が老犬(シニア)と呼ばれるのは何歳から?

犬が多い環境で暮らす犬

犬同士の感染が原因となるケンネルコフなので、犬が多い環境で過ごしているのであれば、感染リスクは高いと言えます。

例えば、ペットショップやブリーダー施設以外にもドッグカフェの看板犬や多頭飼育の家では注意が必要です
感染している犬がいれば、隔離して過ごすなどの対策が必須ですね。

 

ケンネルコフの症状

では、ケンネルコフの症状はどんなものがあるでしょうか。

人の風邪の時を想像してみると理解が深まりわかりやすいかもしれませんね。

ケンネルコフの一番の症状は「」です。

コフという意味は咳という意味でもあり、咳はかならず出る症状ともいえます。

犬の咳は人間のコホコホと違って痰が絡んだような咳が多いです。
呼吸器症状の中でも咳が目立つため、気付ける飼い主さんがほとんどだと思います。
気になったら重症化する前に早めに動物病院を受診しましょう。

鼻水

呼吸器症状の一つとして鼻水が確認されることがあります。

私たち人も、風邪の時は咳が出る人もいれば鼻水が出る人も居て、人によってまちまちですよね。
犬も同じで鼻水は確認されない場合もあります。

ただ、ケンネルコフだけでなく犬の鼻水は普段は出ないことが正常なので、なにかしらの原因があると考えて、獣医師に相談すると良いでしょう。

活動性の低下

人も風邪の時は倦怠感などで、あまり動きたくなくなりますよね。
犬も同じく、しんどさを感じているため活動性の低下が見られます。
子犬なのにあまりはしゃいでないときなどは要注意で、身体は倦怠感を感じている可能性があります。

食欲不振・元気喪失

活動性の低下と同じく、元気喪失や食欲不振もみられることがあります。

風邪を引いていても食欲があることもあれば、動ける時もありますよね。
犬も症状はさまざまで犬によって異なるため、よくみておいてあげましょう。

また、食欲不振や元気喪失はどんな病気であっても症状として現れる事が多いため、続くようであれば早めに獣医師に相談すると良いですね。

 

ケンネルコフの治療法

ケンネルコフにかかった際の治療としてはどのようなものが選択されるのでしょうか。

症状が見つかれば、早めに治療に取り掛かることをおすすめしているので、治療の選択も知っておくと良いですね。 

自然治癒

ケンネルコフは自然治癒することも珍しくありません。

しかし、1〜2周間ほど症状が続くことも多く、愛犬は倦怠感や喉の違和感などを感じているため、放置しておくことはQOL(生活の質)の低下に繋がります。

あまりにひどい症状の時は早めに受診し、元気や食欲があって受診を迷っている場合でも、獣医師に一度相談してみることをおすすめします。

ネブライザー

ネブライザーと呼ばれる吸入治療もよく選択されます。

小さな箱に入り、その中に気化した薬剤を充満させ、吸入して投与する方法です。

侵襲性がなく10分程度じっとしていれば終わる処置なので、子犬などにも適しています。

内服薬の投与

細菌感染やウイルス感染には抗菌薬を投与するのが一般的な治療として選択されます。

7〜10日間の連続投与で一度症状などを観察し、継続治療の有無を判断します。
ケンネルコフは比較的治りやすいといわれているため、一度の通院で治療終了になることも多いです。

 

ケンネルコフの予防法

ケンネルコフにかかるリスクを下げる予防法としては大きく下記の2点が効果的だと考えられています。
簡単に実施できることなので、ケンネルコフの予防法だけでなく他の病気予防のためにも取り入れてみてはいかがでしょうか。

ワクチン接種をする

ケンネルコフのウイルスの原因に犬パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルス2型が考えられます。
その2種類の病原体に対してはワクチン接種が有効的です。
犬を迎えると5種混合ワクチンがコアワクチンとして推奨されますよね。
その中に上記の2種類の感染源が入っています。
その他の病原体に関しては、ワクチンが存在しないものもありますが、ワクチン接種で予防ができるのは安心ですよね。

犬が密集する場所へのお出かけは避ける

ケンネルコフは犬同士の感染が成立すると説明しました。

そのため、犬が多く集まるイベントやドッグラン・犬との旅行などは注意を払っておく必要があります。

トリミング施設やペット同伴のカフェ・旅館・ドッグランなどではワクチン接種を義務化している施設を選ぶとリスクは少し減るため、証明書の提出が必須な施設を探すとよいですね。

また、ケンネルコフの病原体は潜伏期間が長くて10日間ほどある場合があるため、元気な犬同士でも感染している可能性は十分にあります。
他の犬との接触には慎重になっておくと良いですね。

 

ケンネルコフの治療にかかる費用の目安

ケンネルコフの治療は主にネブライザーとよばれる吸入治療か内服薬の治療によるものだとご説明しました。

そのため、ネブライザーの1回の通院では約3,000円〜5,000円程度の治療費が相場です。

初診で、ケンネルコフの病原体を見つけるための検査や全身状態によって輸液療法や注射などが発生するケースも多く、10,000円を超えることも珍しくありません。

内服薬での治療も約3,000円〜5,000円程度が相場となっており、一概にはいえませんがおおよその見積もりで心づもりして来院しましょう。

 

ケンネルコフは死亡する?

結論から言うと、ケンネルコフで犬が死亡する可能性はあります。

免疫力の低い子犬や高齢犬・喘息などの呼吸器に疾患を患っている犬では重症化するリスクが非常に高く、放って置くと命に関わります。

一方で自然治癒することもある病気ですが、治療が遅れると肺炎や気管支炎に発展し、命を落としてしまう病気でもあるため注意が必要です。

人は風邪と聞くと大した事ないと考えてしまいがちですが、犬の風邪であるケンネルコフは甘くみてはいけない病気です。

特に若齢の犬でもワクチン接種をしていない場合は、そのウイルスが原因だった際には重症化してしまうこともあるため、健康な間でも年に1回のワクチン接種は受けておくことをおすすめします。

 

まとめ

ケンネルコフは「犬伝染性気管・気管支炎」といい、犬の風邪といわれている呼吸器症状を呈する病気です。

原因として考えられるのは細菌感染・ウイルス感染・飛沫感染などの感染症です。

人の風邪と同じく「咳」「鼻水」「倦怠感(活動性の低下)」「食欲不振」「元気喪失」などの症状がメインで現れます。

免疫力の低い子犬や高齢犬に多く発症し、中でも子犬の発症率がかなり高いです。

重症化すると肺炎や気管支炎に発展し、死亡してしまう病気でもあるため、早めの受診をおすすめします。

治療としては自然治癒することもありますが、ネブライザーとよばれる吸入治療や内服薬による治療が主に選択されます。
自然治癒するかなと思って長期間様子見すると、進行してしまい命が脅かされることも珍しくないため、おかしいなと思ったらすぐに獣医師に相談してくださいね。

予防策には、ワクチン接種をすること・犬の集まる環境にはあまり出向かないことなどが効果的で、中でもトリミングやドッグランなどではワクチン接種の証明書の提出が必須な施設を選ぶとよいでしょう。

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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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