愛犬と過ごしていたら、あくびをしている瞬間は幾度となく見ていることかと思います。
では、犬はなぜあくびをするのでしょうか?
実は、犬のあくびには理由がいくつも存在することもご存知でしょうか。
犬のあくびの意味を知って愛犬の気持ちを少しでも理解することができれば嬉しいですよね。
そこでこの記事では犬のあくびの理由や病気が疑われる時のサインをご紹介します。
犬があくびをする理由は?
犬があくびをするのには、どんな意味があるのでしょうか。
実は犬のあくびは奥深く、いろんな感情が見え隠れし、理由がわかると面白いので知っておいて損はないでしょう。
眠たい
私たち人も眠たい時にあくびをしますよね。
犬も同じく眠たい時には生理現象としてあくびが出ることがあります。
のんびりしている時にあくびをして寝る体制に入っている時は、生理現象でのあくびの可能性が高いですね。
緊張している
カーミングシグナルという言葉をご存知ですか?
簡単に言うと、犬が感情を落ち着けようとして起こす行動のことです。
そのカーミングシグナルのひとつで、犬はあくびをすることがあります。
例えば、初めての場所や動物病院などの苦手な場所、苦手な人や知らない人に会った時などにあくびをしていることはありませんか?
その時は愛犬が緊張状態にあることが多いです。
緊張をほぐすため、相手に伝える合図というよりは自分を落ちつけるためにしていることが多く、怖がりの犬に多いあくびの種類といえるでしょう。
ストレスを感じている
こちらもカーミングシグナルのひとつで、ストレス状態の時にあくびが多くなります。
例えばトリミングや自宅でのお風呂・爪切りや耳掃除などの愛犬の苦手な行為をしている時にあくびが増えているなんてことありませんか?
筆者の愛犬はお風呂のあとのドライヤー時にあくびをしていることが多いです。
そのように、自分にとって嫌なことをされている時にストレスがかかってあくびが増える習性があります。
もしも、愛犬のあくびが増えた時は何かストレスがかかっていることも考えて、行動を見直してみても良いかもしれませんね。
伝染性
伝染性と聞くと怖い響きですが、単純に人や犬のあくびがうつるという現象です。
私たち人の中でも親しい人の間ではあくびがうつることってよくありますよね。
実は犬の世界でも同じく、飼い主さんや同居犬のあくびがうつるのです。
これは気を許している証拠で、親しい間柄でないとうつらないという研究もされている不思議な現象です。
愛犬に自分のあくびがうつったときは、愛犬から絶大な信頼をされていると認識してよいのではないでしょうか。
気持ちを落ち着けたい時
これもカーミングシグナルのひとつで、気持ちを落ち着けたいときにあくびが増える傾向があります。
例えば、お留守番などで飼い主さんが出ていってしまった後や知らない人が家に来た時など、不安と葛藤している最中に気持ちを落ち着けるべくあくびをするのです。
また、叱られている時などにもあくびをしている愛犬を見たことはありませんか?
実は叱られている時のあくびは悪いことではなく、反省して気持ちを落ち着けている表れだといわれています。
私たち人の社会だと怒られている時にあくびをするなんて言語道断ですよね。ですが、犬社会ではあくびをすることで叱られていること理解しているととらえて良いかと思います。
しかし、怒られている時に限っては、ストレスを感じてのあくびか気持ちを落ち着けるためのあくびかは判断が難しいので一概にはいえないです。
敵意がないことの現れ
お散歩途中などで知らない犬に会った時、愛犬はどのような態度を取っていますか?
フレンドリーで走り寄って行ったり喜んでしっぽを振る犬もいれば、吠えたり逃げたり震えたりする怖がりの犬もいますよね。
犬にもひとりひとり性格があり、合う・合わないはどうしても出てきてしまいます。そこで、お散歩などで出会った犬同士があいさつを交わす時に、ぐいぐい来る犬に対してあくびをしている犬をみたことがありませんか?その時の犬の心理としては「争う気はありませんよ」と伝えているといわれています。
あくびをすることで落ち着いてと相手に伝え、平和にこの場を収めようとする優しい怖がりの犬に多い行動かと思います。
病気や体調不良の時
実は、あくびひとつでも病気が隠れているケースもあります。
先ほど紹介した生理現象でのあくびやカーミングシグナルでのあくびが主ではありますが、実際病気が隠れていたという報告も挙がっています。
あくびのメカニズムは、多くの酸素を体内に取り込むことで深呼吸のように気持ちを落ち着ける目的や呼吸状態を安定させる目的があります。
身体が何かしらの原因で低酸素状態になっている際にあくびが増える傾向にあります。
その際は低血糖症や呼吸器疾患などが疑われこともあるので、気になることがあれば獣医師に相談しましょう。
病気が疑われるケースは?
実際、あくびは病気の兆候でもあることを説明しました。
では、カーミングシグナルや生理現象でもない、病気を疑うあくびはどのようなものがあるでしょうか。
あくびだけでは動物病院に連れて行くか行かないかのラインが難しいですよね。ですので、以下のような明らかにおかしいなと思うことがあれば受診するといいですね。
あくびの回数が異常に多い
一日を通してあくびの回数が異常に多い時は病気を疑うケースもあります。
一日数回ならカーミングシグナルや生理現象でのあくびだと考えられますが、気になるほどしている際は要注意です。
体内に酸素を取り込むべくあくびをします。
ですので、あくびがあまりにも多い場合は低酸素状態が続いているとも考えられます。
低酸素状態になる原因としては気管狭窄や肺水腫など、さまざまな原因が考えられるため一概には言えません。検査を行わない限り診断はつかないため、異常だと感じたら獣医師に相談しましょう。また、肺水腫が原因であれば早急に治療が必要なので、あまり様子見せずに受診しましょう。
さらに、低血糖症にも注意が必要です。糖尿病治療中の犬や子犬に多く、低血糖症を発症した場合も命に関わる状態ですのですぐに受診しましょう。
あくびをする様子がおかしい
単純なあくびでなく、顎をがくがくさせる・悲鳴のような声とともにあくびをするなどの異常がある際も病気が疑われるケースがあります。
口腔内疾患などの時に痛みがあれば悲鳴のように声をあげる可能性もあります。顎をがくがくしてあくびをしている時もてんかんや脳の疾患が疑われるケースがあります。様子のおかしいあくびが見られたら獣医師に相談しましょう。
舌や歯茎の粘膜の色がいつもと違う
犬の通常の舌や歯茎の色はピンク~赤みがかった色ですよね。チャウチャウなど一部の犬種では紫色が通常である犬もいますが、一般的に正常はピンク色になっています。
そんな舌の色や歯茎の色が白っぽくなっている時は要注意です。
可視粘膜とよばれる歯茎や舌の色は酸素の充満状態を表しています。白っぽくなっているのは貧血していることが疑われます。貧血は重症になるとふらつきや卒倒の原因となり、気分が悪かったりして身体を動かすことが難しくなります。腎臓病や慢性的な出血などで貧血が進んでしまっている場合や中毒状態による溶血性貧血など貧血の原因もさまざまですが、溶結性貧血が疑われる際は早急な治療が必要です。中毒性の場合は血尿などの症状が出ることがあるのですぐに動物病院を受診しましょう。
口腔内の疾患
口の中に違和感がある際もあくびが増える傾向にあります。
口内炎や歯肉炎・歯肉退縮など口の中に疾患がある場合は、違和感があり痛みを和らげるためにあくびが増える仕組みです。
しきりに口を掻いたりむにゃむにゃしていることが増えたりとあくびの増加以外にも気が付くことが恐らくあることでしょう。
私たち人も、口内炎や歯の痛みなどが生活の質に直結することもあるでしょう。
犬も同じく口内の痛みは食欲低下や生活の質の低下につながるので、必要であれば痛み止めの処方やスケーリングをはじめとする歯の治療など、獣医師と相談することも必要かもしれませんね。
あくびが多い時の対処法
愛犬のあくびが多いなと感じた時はどのように対処すればよいのでしょうか。
あくびの理由別に対処法をご紹介します。
カーミングシグナルでのあくび
ストレス状態や緊張状態・気持ちを落ち着けたいときにするあくびに関しては何らかの対処をしてあげることが求められます。
お散歩中にほかの犬に会った際にあくびをしている時は、はちあわないようにルートを変える、接触が最小限で済むようにするなど工夫しましょう。
また、ストレスがかかっている時はそのストレスをなるべく排除してあげるようにし、緊張状態にある際は抱っこして落ち着かせる、場所を変えるなどしてあげましょう。
カーミングシグナルでのあくびは病気ではない可能性が高いですが、精神面で愛犬に負担がかかるため、対処してあげたいですね。
体調不良でのあくび
あくびの回数が異常に多い・舌の色や歯茎の色がおかしいなど病気が疑われるケースがあるあくびの例を紹介しました。
もしも愛犬のあくびに気になる点がある場合は、動物病院の受診をおすすめします。
これは病的なあくびなのかな、など悩まれる際も手遅れになる前に一度受診するようにしましょう。
生理現象でのあくび
眠たい時や伝染性のあくびの際はとくに対処法はありません。
数回のあくびであれば恐らく異常はないでしょう。あくびのあとしっかりと寝ている、自分がした後に一回のみの伝染であれば気にせずに笑いあえることでしょう。
まとめ
愛犬のあくび一つにも様々な理由があることがわかりましたね。
精神面でのあくびが多いですが、病気が隠れているケースも少なからず存在します。ストレス状態や緊張状態の時のあくびはその原因の除去が求められます。また、いつもよりおかしいあくびだと感じた際は獣医師に相談しましょう。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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