【2026年版】猫のうんちがゆるいときは受診すべき?原因や受診の目安を獣医師が解説

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
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猫のうんちがゆるいときは受診すべき?原因や受診の目安を獣医師が解説

愛猫のうんちがいつもよりゆるいと、体調を崩したのではないかと心配になりますよね。
そんなとき、

「動物病院へ連れて行ったほうがいいのかな?」
「様子を見ても大丈夫?」
「何か病気が隠れているのでは?」

といった不安や疑問をお持ちではありませんか?
実は、猫の軟便や下痢の原因は、一過性のものから感染症、内臓の病気など重大な病気までさまざまです。
また、特に子猫やシニア猫では、下痢による脱水が命に関わることも少なくありません。

今回は、猫のうんちがゆるいときに確認すべき体調や考えられる原因、受診の目安、自宅でできる対処法について獣医師が分かりやすく解説します。最後までお読みいただき、愛猫のうんちがゆるいときの正しい対処法について理解を深めましょう。

猫のうんちがゆるいときは受診すべき?

愛猫に軟便や下痢が見られても、すべてのケースで緊急の受診が必要というわけではありません。しかし、症状の程度や猫の状態によっては早急な受診が必要なケースもあります。
具体的には、

  • 嘔吐しているか?
  • 食欲はあるか?
  • ぐったりしていないか?
  • 発熱していないか?
  • 尿は出ているか?

といった点について、まずは落ち着いて愛猫の様子を観察し、受診の必要性を判断するための情報を集めましょう。

猫のうんちがゆるくなる原因とは?

では、なぜ猫に軟便や下痢といった症状が見られるのでしょうか?
軟便や下痢は腸の異常だけでなく、全身の病気が関係していることもあります。
特によく見られる病気は、

  • 消化不良
  • 感染症
  • 消化管腫瘍
  • 甲状腺機能亢進症
  • 慢性腎臓病
  • 慢性腸症

といったものが挙げられます。
それぞれを詳しく見ていきましょう。

消化不良

猫の軟便や下痢で比較的多い原因が、食べ物に関連した消化不良です。
具体的には、

  • 急にフードを変更した
  • 人の食べ物を誤食した
  • おやつを与えすぎた

といったケースが挙げられます。
このような場合は、時間経過とともに症状が改善する可能性はあるものの、症状が続く場合は受診するよう心がけましょう。
また、受診する前には、原因となった心当たりについてまとめておくことがおすすめです。

感染症

猫では、ウイルスや細菌、寄生虫などの感染症が原因となり、軟便や下痢が見られることが珍しくありません。
具体的には、

  • パルボウイルス
  • クリプトスポリジウム
  • 猫回虫
  • 瓜実条虫
  • ジアルジア
  • コクシジウム

といった病原体が挙げられます。
特に子猫ではパルボウイルスの感染がよく見られ、急に体調を崩すことも少なくありません。
子猫やシニア猫では、様子を見ずに早めに動物病院を受診しましょう。

消化管腫瘍

消化管に「リンパ腫」や「腺癌」といった腫瘍が発生した場合も、軟便や下痢がよく見られます。これらの腫瘍はシニア猫に起こることが多いです。
また、猫では前述の慢性腸症が、年齢を重ねることでリンパ腫に移行する可能性が知られています。そのため、特にシニア猫で軟便や下痢が繰り返し起こる場合は、様子を見ずに早めに動物病院を受診することをおすすめします。

甲状腺機能亢進症

猫の甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、全身の代謝が異常に高まる病気です。
主に「甲状腺」という臓器が過形成を起こし、ホルモンを過剰に分泌することが原因であることが多いです。
その結果、

  • 食欲増進
  • 体重減少
  • 嘔吐・下痢
  • 多飲多尿

などの症状が見られます。
一般的には、薬でホルモンの分泌を抑える治療が行われますが、甲状腺を外科的に摘出する治療や、療法食による治療が行われるケースも少なくありません。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は、シニア猫で頻繁に認められる病気です。
主に加齢とともに腎臓が変性し、機能が低下することでさまざまな症状を引き起こします。
最終的には「尿毒症」を引き起こし、命に関わることも少なくありません。
猫の慢性腎臓病では、軟便や下痢以外に、

  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 脱水
  • 痙攣

といった症状が見られることがあります。
これらの症状が見られた場合は、様子を見ずに早めに動物病院を受診しましょう。

慢性腸症

猫の慢性腸症とは、前述のような明らかな原因がなく、3週間以上続く慢性の消化器症状を起こす病気です。
この病気は、一般的な血液検査や画像検査、内視鏡検査で原因が特定できないケースが多いです。そのことから、免疫系の異常により自己の腸管組織を攻撃することで、腸に慢性的な炎症が生じるのではないかと言われています。
猫の慢性腸症は大きく以下のように分類されています。

  • 食事反応性腸症(Food-responsive enteropathy:FRE)(フードを特定の療法食や低アレルゲンフードなどに切り替えることで、消化器症状が改善するタイプ)
  • ステロイド反応性腸症(Immune-modulating responsive enteropathy:IRE)
    (ステロイド剤やその他の免疫抑制剤を使用することで改善が見られるタイプ)
  • 治療抵抗性腸症(Non-responsive enteropathy:NRE)
    (どの治療を行っても消化器症状が改善しないタイプ)

猫のうんちがゆるいときの受診の目安とは?

前述の通り、猫に軟便や下痢が見られても、すべてのケースで緊急の受診が必要というわけではありません。
ただし、症状によっては早急な受診が必要になります。
特に、

  • 血便が出ている
  • 尿が出ていない
  • 嘔吐を繰り返している
  • 食欲がない
  • ぐったりしている
  • 呼吸が荒い
  • 痙攣している

といった場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
また、元気や食欲があっても、軟便や下痢が24〜48時間以上続く、繰り返し再発するといった場合も、背景に病気が隠れている可能性があるため、動物病院を受診しましょう。

猫のうんちがゆるいときに行う検査の流れとは?

では、実際に動物病院を受診した場合、どのような検査が行われるのでしょうか?
軟便や下痢で受診した場合、その原因を見つけるために、

  • 便検査
  • 血液検査
  • 画像検査

といった検査のうち、愛猫の状態に合った検査を行うことが一般的です。
それぞれを詳しく見ていきましょう。

便検査

子猫からシニア猫まで、便検査はどの症例でも行う基本的な検査です。
動物病院を受診する前に、便を回収してから受診することをおすすめします。
便検査では、

  • 寄生虫の有無
  • 細菌のバランス
  • 消化の状態

などの確認が行われます。
一般的に、一度の検便で寄生虫が判明しないこともあるため、複数回検査を行うケースも珍しくありません。

血液検査

便検査だけで原因が分からない場合は、血液検査が行われることもあります。
血液検査では、内臓の状態の確認やホルモンの測定などが行われます。
血液検査は主に、慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症をはじめとした病気を疑うときに行われることが多いです。

画像検査

ここまでの検査で、軟便や下痢の原因が分からない場合は、

  • レントゲン検査
  • 超音波検査
  • 内視鏡検査

などの画像検査で、原因の精査を行うことがあります。
これらの検査は、消化管の腫瘍を疑う場合によく行われます。
ただし、内視鏡検査は全身麻酔が必要となるため、実施されないケースも少なくありません。

猫のうんちがゆるいときにできる自宅でのケアとは?

では、愛猫が軟便や下痢を繰り返してしまう場合は、自宅ではどのようなケアができるのでしょうか?
実際、軟便や下痢を繰り返す猫は、臨床の現場でもよく見られます。
予防するためには、日頃自宅で行うケアもとても重要です。
具体的には、腸内環境を整えるフードやサプリメントを使用することで、愛猫のお腹の健康維持につながります。
代表的なものとして、

  • ビフィズス菌
  • フラクトオリゴ糖
  • ガラクトオリゴ糖
  • 酪酸菌
  • サイリウム
  • ラクリス菌

といったものがよく用いられます。
ただし、サプリメントは薬ではなく、病気を治すものではありません。
自己判断せず、下痢を繰り返す場合は必ず獣医師に相談しましょう。

まとめ

猫のうんちがゆるい原因は、フードの変更や消化不良といった一時的なものから、感染症や内臓の病気までさまざまです。
一時的な軟便であっても、嘔吐や食欲不振、元気消失、血便などの症状を伴う場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。
特に子猫やシニア猫では脱水が進みやすく、症状が急激に悪化することも少なくありません。
また、元気や食欲があっても、軟便や下痢が24〜48時間以上続く場合や繰り返し再発する場合は、背景に病気が隠れている可能性があります。

受診の際は便を持参し、症状の経過や原因の心当たりを記録しておくと診断の助けになります。
愛猫の健康を守るためには、日頃から便の状態や食欲、飲水量などを観察し、小さな変化にも気付けるようにしておくことが重要です。

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この記事を書いたのは

浅川雅清
獣医師
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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