【2026年版】猫の口臭がひどい原因とは?症状や受診の目安、ケア方法を獣医師が解説

大きく口を開けてあくびをする猫
この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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猫の口臭がひどい原因とは?症状や受診の目安、ケア方法を獣医師が解説

愛猫が年齢を重ね、口臭がきつくなった様子を見ると、心配になりますよね。

そんななか、
「年を取ったから仕方ないのかな?」
「何か病気が隠れているのだろうか?」
「動物病院を受診したほうがいいの?」
といった疑問をお持ちではありませんか?

猫では、加齢とともに口臭が強くなることは珍しくありません。しかし、加齢だけが原因ではなく、歯周病や慢性腎臓病、糖尿病など、病気が原因となって口臭が悪化しているケースもあることをご存知でしょうか?

口臭は見逃されがちな症状ですが、猫の健康状態を知る大切なサインの一つです。

この記事では、猫の口臭がひどくなる原因や病気、受診の目安、自宅でできるケア方法について、獣医師がわかりやすく解説します。

最後までお読みいただき、愛猫の口臭が気になったときの健康管理の一助になれば幸いです。

猫の口臭の原因とは?

では、猫の口臭がひどくなる原因とはどのようなものが考えられるのでしょうか?

加齢に伴う歯垢・歯石の蓄積以外には、

  • 歯周病
  • 慢性腎臓病
  • 糖尿病
  • 消化器疾患
  • 口腔内腫瘍

といった原因が挙げられます。

猫ではこれらの病気がよく見られ、放置すると急に体調を崩すことも珍しくありません。そのため、「以前より口臭が強くなった」と感じた場合は、単なる加齢と決めつけず原因を調べることが大切です。

猫の口臭から考えられる病気とは?

では、これらの病気はどのようなものなのでしょうか?それぞれの病気を詳しく見ていきましょう。

①歯周病

猫の口臭でよく見られる原因が「歯周病」です。

歯周病とは、主に歯垢や歯石に存在する細菌やそれらに対する異常な免疫反応などが歯肉に炎症を起こし、歯槽骨をはじめとした歯の周囲の組織を破壊する病気です。

その細菌や炎症から、「魚が腐ったような臭い」「ドブのような臭い」と表現される強い口臭が生じます。歯周病を放置すると、歯が抜ける、下顎が骨折するといったトラブルへと進行することが珍しくありません。

猫で歯周病が疑われる際の症状としては、

  • 歯肉が赤く腫れている
  • 歯肉から出血する
  • 口を触ると嫌がる
  • よだれが増える
  • 硬いものを食べない
  • くしゃみが多い

といったようなものが挙げられます。

また近年では、歯周病は心臓や腎臓など全身の健康へ悪影響を及ぼすことも分かり始めているため、口臭が気になる時は放置せず、獣医師の診察を受けましょう。

②慢性腎臓病

慢性腎臓病は猫で非常によくみられる病気です。

腎臓の機能が低下すると、本来尿として排泄されるべき老廃物が体内に蓄積し、進行すると口からアンモニアのような臭いがすることがあります。

慢性腎臓病の初期は症状がわかりにくいものの、病気が進行すると、

  • 水を飲む量が増える
  • 尿量が増える
  • 食欲が落ちる
  • 体重が減る
  • 元気がなくなる
  • 嘔吐や下痢をする

といった様子が見られることが少なくありません。

慢性腎臓病は完治が難しい病気ですが、早期に発見して食事療法や点滴などの治療を開始することで、進行を緩やかにできる可能性があります。前述のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

③糖尿病

猫の糖尿病は、体内で血糖値(血液中のグルコースの濃度)を適切にコントロールできなくなる病気です。膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが不足する、あるいは働きが低下することが原因で発症します。

糖尿病が起こる原因として、遺伝的な要因や肥満などが知られており、特に肥満の猫では発症リスクが高まる傾向があるため、注意が必要です。

糖尿病では血糖値が高い状態が続くことで、

  • 水をたくさん飲む
  • 尿量が増える
  • 食べているのに痩せる

といった症状が見られることがあります。

また、病気が進行すると、「糖尿病性ケトアシドーシス」という命に関わる状態になり、甘酸っぱい独特の口臭(アセトン臭)がみられることが珍しくありません。早期治療によって良好な生活の質を維持できるケースも多いため、これらの症状に気付いたときは、早めに獣医師に相談しましょう。

④口腔内腫瘍

猫では、口腔内にしこりができることがあります。その多くは悪性と言われており、

  • 扁平上皮癌
  • メラノーマ
  • 繊維肉腫

といった種類の腫瘍がよく見られます。

腫瘍が壊死や感染を起こすと、腐敗したような強い口臭が感じられることも珍しくありません。日頃から愛猫の口腔内をチェックする習慣をつけておくと、腫瘍の早期発見・早期治療につながります。

⑤消化管のトラブル

繰り返す嘔吐や進行した腸閉塞、便秘などの消化管のトラブルが見られた際にも、口臭がひどくなることがあります。

特に便秘や腸閉塞の際は、便が腸内に長時間とどまることで、口臭がひどくなるケースがあると言われています。そのため、頻回に吐いている、3日以上便が出ないなどの症状が見られ、口臭が気になる場合は、消化管にトラブルが生じている可能性があるため注意が必要です。

猫の口臭で受診する目安とは?

では、愛猫の口臭がひどくなった場合は、すぐに動物病院を受診するべきなのでしょうか?

結論から申し上げますと、早めに動物病院を受診する必要があるケースが多いです。しかし、まずは愛猫の体調をよく観察し、どのような原因で口臭がひどくなったのかを確認しましょう。

また、以下のような様子が見られた場合は、早急に受診する必要があります。

  • ぐったりしている
  • 食欲がない
  • 嘔吐や下痢がある
  • 痙攣している
  • 便や尿が出ていない
  • 顔がはれている
  • 口や鼻から出血している

これらの症状が見られる場合は、病気が進行している可能性が考えられます。様子を見ずに、早急に獣医師に相談しましょう。

猫の口臭の自宅でのケア方法とは?

では、愛猫の口臭がひどい場合は、どのようなケアをすれば良いのでしょうか?自宅でできるケアには「デンタルケア」と「定期的な健診」があります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

①デンタルケア

歯周病が原因である口臭の予防には、毎日のデンタルケアが最も重要です。理想は毎日、猫用の歯ブラシでケアを行うことですが、猫が歯ブラシを嫌がるケースが少なくありません。

そのようなときには、歯磨きシートやデンタルジェル、デンタルスナックなど、取り入れやすいデンタルケアグッズを活用することもおすすめです。また、飲み水に混ぜるタイプや、ふりかけタイプのデンタルケアグッズも選択肢の一つです。

具体的には、

  • ラクトフェリン
  • 口腔内善玉菌
  • アスコフィラムノドサム
  • グロピゲンPG
  • リポポリサッカライド(LPS)
  • 白金
  • セチルピリジニウムクロリド

といったサプリメント成分が使用されます。

ただし、これらはあくまで補助的なもので治療の代替にはならず、すべての猫に効果が見られるわけではないことに注意が必要です。

②定期的な健診

口腔内の腫瘍や、慢性腎臓病をはじめとした内臓の病気は、飼い主様が早期に発見することが難しいケースも少なくありません。そのため、獣医師による定期的な健診を行い、病気の早期発見・早期治療につなげることがおすすめです。

成猫では1年ごと、老猫では半年~1年ごとの健康診断が目安とされています。

また、自宅では口臭だけではなく、

  • ごはんの食べ方
  • 飲水量
  • 尿量
  • 体重

などを日頃から記録しておくと、病気の早期発見につながります。

まとめ

猫の口臭は加齢によってひどくなることがありますが、歯周病や慢性腎臓病、糖尿病、口腔内腫瘍など、病気が原因となっているケースも少なくありません。

口臭に加えて、食欲がない、ぐったりしているなどの体調の変化が見られた場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。

定期的な健康診断などを行うことで、これらの病気の早期発見・早期治療につながります。愛猫が長く健康に過ごせるよう、自宅でのケアもぜひ取り入れていきましょう。

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この記事を書いたのは

浅川雅清
獣医師
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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