愛猫と暮らしていると、ふと呼吸が速いような感じがすると思ったことはありませんか?
実は、猫の呼吸異常は緊急処置が必要な場合もあります。
猫の呼吸が速い時、元気なのになぜ?食欲はあるけど動物病院に行った方が良い?など悩む飼い主さんもいるのではないでしょうか。
そこで今回は猫の呼吸異常についてくわしく紹介していきます。
関連記事:猫の口呼吸の原因はストレス?それとも病気?対処法や危険な呼吸も紹介
猫の正常な呼吸とは?
猫の呼吸異常を見つけるためにはまずは正常を知っておくことが重要です。
一般的に猫の呼吸数の正常は「一分間に20回前後」といわれています。
ただし、猫によって個体差があるので、日頃から愛猫の正常な呼吸をチェックしておくと良いでしょう。
数回測った上で平均を出しておくと、異常の際に気付きやすくなるため、おすすめです。
呼吸数は「熟睡している時」に測りましょう。
活動時の呼吸数は目安にはなりますが正確ではないため、正常値を把握するためには、熟睡している時が良いです。
寝ている時に胸のふくらみをみて、1分間で何回呼吸をしているか数えましょう。
10秒間測って数値を6倍、または、15秒間測って数値を4倍する方法もおすすめです。
猫の異常な呼吸とは?
猫の呼吸数がいつもより多いと感じたらまずは下記の異常のどれに当てはまるかも把握しておきましょう。
原因や状態によっては救急処置が必要な場合がありますので、注意するようにしましょう。
多呼吸
多呼吸とはいつもよりも呼吸の回数が多い状態を指します。
愛猫の呼吸数の正常値が20回程度だとすると、40回近くに上がっていると多呼吸状態になります。
活動時では40回程度になることもありますが、寝ている時に40回近くある際は要注意です。獣医師に相談することをおすすめします。
努力呼吸
努力呼吸とは、その名の通り肩を使って頑張って息をしているような異常な呼吸状態です。
開口呼吸とまではいかないが、呼吸の動作が大きかったり、息使いが荒かったり、大きな音を立てながら呼吸したりしている場合は、どこかに異常があり努力呼吸をしていると考えられます。
この際は元気な状態であっても一度獣医師に相談してみるといいでしょう。
開口呼吸(パンティング)
口を大きく開けてはぁはぁ息をしている事をパンティングといいます。
犬では良く暑い時や疲れた時にはぁはぁしているのを見ると思いますが、猫では大変危険な状態になることがあります。一分一秒を争う可能性がありますので、すぐに動物病院にかかるようにしましょう。
猫の呼吸が速い原因
では、猫の呼吸が速くなるのにはどのような原因が考えられるでしょうか。
代表的な病気や状態をご紹介します。
ストレス(怖い)
ストレスがかかっている時や恐怖心がある時に猫は呼吸が速くなる場合があります。
私たち人も同じく、怖くて心臓がバクバクしている時などに、呼吸が速くなることがありますよね。
猫はストレス状態でも呼吸促拍が見られることがあるので、あまりにストレスがかかりすぎる行為は控えるよう注意しましょう。
猫ウイルス性鼻気管炎(猫風邪)
いわゆる猫風邪といわれる猫ウイルス性鼻気管炎でも猫の呼吸促拍が見られます。
鼻水やくしゃみ、涙や目やになどが、猫の呼吸器疾患の際に現れる症状の代表例です。
猫の鼻の穴はとても小さく、鼻水が詰まってしまった状態だと口呼吸になるため、呼吸が速くなってしまうのです。
猫喘息
喘息も呼吸器疾患のひとつで、咳などの呼吸器症状が顕著に現れる場合もあり、いつもと違う呼吸が見受けられることもあるでしょう。
咳などの軽い症状でも、後遺症などの原因になりかねないため、早めに獣医師に相談することをおすすめします。
心筋症
猫は高齢になるにつれ、心筋症という心臓の病気になりやすくなってしまいます。
心筋症が進行すると、肺水腫や胸水の貯留を引き起こすことがあり、呼吸促拍や努力呼吸を行うようになります。
この場合の呼吸促拍・呼吸困難は命に関わる危険な状態ですので、あまり様子を見ずに動物病院への受診をおすすめします。
熱中症
暑さにやられて熱中症になると呼吸は速くなることがあります。
熱中症は、軽くみていると亡くなってしまうこともある怖い病気です。
開口呼吸まで起こしてしまった際は救急処置が必要と考えられます。
すぐに動物病院に連れていくことをおすすめします。
外に出ない猫は熱中症にかからないと思っている飼い主さんも多いですが、実は、大半が室内で起きています。
梅雨時期や夏場は室内の温湿度に十分注意しましょう。
犬猫を飼う上で推奨されている室内の温湿度は「20~23℃・湿度50%前後」といわれています。
今一度室内の温度をチェックしてみましょう。
疼痛
疼痛とは痛みがどこかに出ている状態のことを指します。
猫は痛みや具合の悪さをあまり表に出さず、体調の変化がわかりにくい動物です。
ですので、呼吸が速いなと感じた時はどこかに痛みが伴っているかもしれません。
愛猫の様子を逐一観察して、歩き方や食べ方など痛みがないかをチェックしておきましょう。
肺炎
肺炎などで肺に異常を呈している際も呼吸が速くなる原因になります。
肺は呼吸の要であり、肺が弱ると取り込む酸素の量が少なくなります。
身体はより多くの酸素を取り入れるよう努めるため、呼吸が速くなってしまうのです。
肺炎は、適切な治療が行われれば生活の質を維持できることがあります。
獣医師とよく話し合い治療方針を決めていくと良いですね。
貧血
慢性腎不全などの貧血を呈する持病や溶血性貧血などの急性貧血の際にも呼吸促拍がみられるケースがあります。
腎臓病の治療中であれば獣医師に相談を、中毒が疑われる際の呼吸異常はすぐに動物病院の受診をおすすめします。
猫の呼吸が速い時の対処法
では、猫の呼吸が速いなと感じた時はどのような対処法があるでしょうか。
愛猫の正常時の呼吸状態を観察し、緊急時には適切な行動ができるよう、知識として知っておくことが求められます。
動物病院を受診する
やはり、呼吸の異常は命に関わるケースや治療が必要とするケースが多いため、まずは動物病院の受診が一番の対処法だといえます。
呼吸状態が呼吸促拍や努力呼吸など、どの異常に分類されるかは予め把握しているとスムーズです。しかし、飼い主さんが見ていて呼吸が苦しそうなことはわかっても、正確な判断が難しいですよね。その際は家での呼吸の様子を動画にとり、獣医師にみせるとわかりやすくて良いです。
また、開口呼吸の際はすぐにでも動物病院に駆け込む必要性があり、ほかの症状を呈している場合はいつからどんな症状が出ているかをしっかりと伝えた上で診察を受けましょう。
緊急を余儀なくされている時は、向かっている最中にでも一本電話で連絡を入れておくと最速での処置が受けられることもあるのでおすすめです。
熱中症時は、体温を下げる
熱中症の疑いがある場合は、猫を涼しい場所に移動させたり、冷水で冷やしたり、まずは体温を下げるようにしましょう。
夏場だけでなく、梅雨時の湿気の多い季節も熱中症になる危険性が高まるので注意が必要です。
熱中症は呼吸促拍以外にも、食欲不振や元気喪失・下痢嘔吐などの症状が現れます。
熱中症疑いがある場合は、部屋の冷房を効かし、保冷剤などで体を冷やしてあげましょう。
重度になるとふらつきや卒倒などが起こり、命の危険が出てきてしまいます。
体を冷やす処置をしながら、動物病院に急いで連れていくことが大切です。
熱中症は侮ってはいけない怖い病気ですので、心がけておきましょう。
怖いものや不安要素を取り除く
ストレスや恐怖心から呼吸が速くなってしまっている場合は、その不安の根源やストレスの除去が優先されます。
例えば、爪切りが苦手な猫で爪切り中に呼吸が速くなってしまうというケースもありますよね。その対策として早急に終わらせるか、何日かに分けて少しずつ切り進めるかなどして短時間で終わらせることを目指しましょう。
家の周辺で工事している・来客があるなど、どうしても除去が難しい環境もあると思います。その際は抱っこして落ち着かせる・部屋を隔離するなど何かしら不安が和らぐようにしてあげるといいですね。
猫の呼吸異常を防ぐためにできること
猫の呼吸異常を予防するために、日頃から気にかけられることはあるのでしょうか。
できることから取り入れていきましょう。
健康診断を受ける
まず、健康な時でも動物病院で健康診断を受けておくことが重要です。
貧血や腎不全などは、健康診断の血液検査で早期発見できる可能性があります。
猫は体調の悪さを隠すのが上手な動物です。
呼吸促拍などの異常は気付けることもあるかもしれませんが、内臓疾患はかなり悪くなってからでないと症状に現れないことも多いです。
早期治療で寿命を全うできるよう健康診断は大切です。
健康な時から、通院、投薬や処置などの練習をしておく
やむを得ずストレス要因になってしまうことに健康時から慣れさせておくことで、いざとなった時のストレスを最小限に抑えることができます。
貧血やストレスなどには、サプリメントが処方されるケースもあります。
サプリメントはお薬と違ってコツコツ継続していくことで健康をサポートするものですので、日頃から毎日服用できるように練習しておくことも大切です。
サプリメントを使用する
肺などの呼吸器をサポートしたり、心筋症の症状を緩和したり、痛みの改善を目的としたサプリメントがあります。
必要に応じてこのようなものを日常から取り入れておくことで、健康な体づくりをしていくことができます。
まとめ
猫の呼吸が速くなる原因は様々です。
単に呼吸が早いというだけではなく努力呼吸や開口呼吸など状態にも種類やグレードがあります。
猫の呼吸異常には、重篤な疾患が隠れていることもありますので、あまり様子を見ず動物病院への受診をおすすめします。
とくに開口呼吸をしている時は緊急で、命の危険がある可能性の高い状態です。
すぐに獣医師に診てもらいましょう。
また、熱中症は室内の温湿度管理で予防できる病気ですので、梅雨時からしっかりと部屋の空調を気にかけておきましょう。
猫の呼吸数には個体差があるため、自分の愛猫の正常値を知っておくと、いざという時の早期発見になります。
ぜひ測定してみましょう。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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