2025年版 専門家が解説 猫の顎ニキビはなぜできる?原因と対処法を知って正しくケアしよう

この記事の監修者
みつはし

愛玩動物看護師
株式会社スケアクロウにて日々飼い主の皆さまサポートに奮闘中

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「猫の顎の下に黒っぽいブツブツがあるけどなんだろう?」と思ったことはありませんか?
それ、顎ニキビかもしれません。

顎ニキビの原因は多岐にわたりますが、原因を知り適切に対処することで予防が可能です。

そこで今回は、猫の顎ニキビの原因とその対処法やケア方法について詳しく解説します。

 

猫の顎ニキビとは?

猫の口まわりや顎の下にかけて黒くブツブツしたものができることがあります。
これは、毛穴に余分な皮脂汚れが詰まることで発生する「顎ニキビ」または「猫ざ瘡」と呼ばれる皮膚疾患で猫ではよく見られるものです。

軽度の場合は黒いブツブツができる程度で、腫れやかゆみなどは見られませんが、重度になると細菌に感染したり、炎症、化膿を起こしたりする場合もあります。

猫の顎ニキビはとくになりやすい猫種はなく、発症年齢も数ヶ月から高齢の猫まで見られることから、猫種、年齢、性別問わず発症のリスクがあると言えるでしょう。

 

猫の顎ニキビの7つの原因

顎の下は猫にとって毛づくろいをしにくい場所のために汚れがちで、ニキビができやすいと言われています。
ここでは、そのおもな原因を7つ紹介します。
原因に注意すれば対策にもつながりますので、ぜひ確認しておきましょう。

1.雑菌が繁殖した食器

猫の顎ニキビの原因には、雑菌が繁殖した不衛生な食器があげられます。

とくに、プラスチックの食器は注意が必要です。
プラスチックは軽くて壊れにくいこともあって使いやすい素材ですが、目に見えない小さな穴がたくさんあいており(多孔性)、雑菌が繁殖しやすいと言われています。

また、プラスチックは傷がつきやすく、傷に汚れがつくと落ちにくいため衛生管理には非常に気を使わなければいけません。

プラスチックの食器に繁殖する雑菌には、パスツレラ菌、レンサ球菌、ブドウ球菌が確認されています。

これらの雑菌が繁殖した食器を使用すると、食事の際に猫の顎に付着することになり、顎ニキビの原因になり得ます。

2.アレルギー

一見すると無関係に思えますが、アレルギーが顎ニキビの原因になることがあります。

プラスチックや金属にアレルギーを持っている猫が、それらの材質の食器を使用していると、食事の際に顎が触れてアレルギーを起こします。

また、キャットフードがアレルギーの原因になっている可能性もあります。
いわゆる食物アレルギーです。
最初は大丈夫でも長期間食べつづけることでアレルギー症状があらわれたり、知らないうちに原材料が変更になっていて突然アレルギーを起こしたりすることもあり得ます。

関連記事:猫の食物アレルギーとは?症状・検査法・アレルギー用フードの基礎知識

3.ストレス

ストレスは猫の免疫力を低下させる原因になります。
免疫力が低下すると、通常ならば問題にならないウイルスや細菌でも感染症を発症するようになります。

つまり、ストレスで免疫力が低下している状態で、細菌が繁殖している食器を使ったために顎に細菌が付着すると繁殖を抑えることができず、顎ニキビを発症しやすくなるというわけです。

4.ニキビダニ症(毛包虫症)

ニキビダニ症はニキビダニ(毛包虫)が猫の毛根(毛包)に寄生することで炎症を起こす寄生虫症です。

ニキビダニは顔に寄生しているダニの一種で、毛穴にいる常在菌です。
健康な猫であれば、悪さをすることはありませんが、なんらかの原因で免疫力が低下するとニキビダニ症を発症すると考えられています。

猫のニキビダニはまれな病気ではありますが、炎症が顎ニキビの原因になる可能性があるため注意が必要です。

5.皮脂の過剰な分泌

通常はトラブルになるほどの皮脂が分泌されることはありません。

しかし、与えているキャットフードが合わないと、皮脂が過剰に分泌されて顎の下に溜まります。
すると、それをエサにする細菌が繁殖してニキビができやすくなってしまうのです。

6.ホルモンバランスの変化

避妊・去勢手術のあとにホルモンバランスが崩れることで免疫力に影響をおよぼし、顎ニキビができてしまうことがあります。

手術のあとに猫の顎に黒いブツブツを見つけたら要注意です。

7.毛づくろい不足

猫の顎はご飯の食べカスがつきやすく汚れやすい場所です。
とくにウェットフードは汚れやすくなります。

通常は、毛づくろいをして被毛を清潔にしますが、顎の下は舌が届かないため、手を舐めて擦ることできれいにします。
しかし、この動作が上手にできない猫やケガで手が使えない猫は顎が汚れたままになりがちです。

汚れをそのままにしていると、細菌が繁殖して顎ニキビの原因になります。

 

猫の顎ニキビの症状

猫の顎ニキビでは、顎の下に以下の症状が見られるようになります。

  • 黒いブツブツができる
  • 腫れる
  • 出血する
  • 脱毛する
  • 皮膚が硬くなる
  • しきりに掻く

顎ニキビには、症状のひどさによって軽度から重度まであります。
大きな違いは炎症の有無になります。

軽度の顎ニキビは、少量の黒いブツブツが見られますが、擦ると簡単に取れます。かゆみなどの症状はありません。

中度になると黒いブツブツが増え、赤い発疹が見られるようになります。かゆみから顎の下を掻くようになったら、二次感染に注意しなければいけません。

重度では皮膚が赤くなり、脱毛や腫れ、炎症が見られ、化膿してしまうこともあります。
このような状態になると膿皮症に発展してしまう場合も。

また、重度になると二次感染を起こしやすく、ほかの病気を引き起こす原因にもなりえます。

 

猫の顎ニキビの治療法

軽度の場合は、自宅のケアでも対処できる可能性が高いですが、症状が進行してしまった場合は、動物病院での治療が必要となります。

猫の顎ニキビのおもな治療法には以下があります。

  • 薬用シャンプー
  • 消毒薬
  • 塗り薬
  • 内服薬

猫の顎ニキビの治療では、患部を洗浄して塗り薬を塗ります。
細菌感染が疑われる場合は、消毒液や抗生剤の塗り薬、内服薬を使用します。
ほとんどは治療開始から2〜3週間ほどで症状が改善するでしょう。

アレルギーや免疫機能に異常がある猫は、そちらの病気の治療をおこなうことになります。

アレルギー症状の軽減に効果が期待できる、あるいは免疫力をサポートするサプリメントの使用も検討してみてはいかがでしょうか?

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猫の顎ニキビのケアは?

猫の顎ニキビは、症状が軽いなら自宅でのケアも可能です。
患部の汚れを取り除き、清潔にするだけでも改善が望めます。

顎ニキビの正しい拭き方とやってはいけないケア方法を知り、適切にケアしてあげましょう。

顎ニキビの拭き方

猫の顎ニキビでは、軽度の場合は自宅でのケアも可能です。
清潔なコットンやガーゼをぬるま湯に浸し、患部を優しく拭いてあげてください。
黒いブツブツをふやかして拭き取るようなイメージです。

強く擦ると、皮膚が傷ついて症状を悪化させる原因になりますので注意してください。

また、猫が嫌がっているときは無理におこなわずに様子を見ながら少しずつおこなうようにしましょう。

汚れがどうしてもとれないときは、猫用のシャンプーを使い洗ってあげるのも効果的です。
低刺激で肌に優しいシャンプーを使うのがおすすめです。
シャンプーはていねいに流し、濡れた被毛をしっかりと乾かすようにしましょう。

顎ニキビでやってはいけないケア

猫の顎ニキビのケアでは以下の点に注意しましょう。

  • 強く擦らない
  • 人間用のニキビ薬を使わない
  • 歯ブラシなどで擦らない
  • アルコールで拭かない

顎ニキビのケアでは、強くゴシゴシとこすったり、歯ブラシなどで擦ったりすると皮膚を傷つけて症状を悪化させる原因になります。

また、自己判断で人間用のニキビ薬を使用するのは大変危険ですのでやめましょう。
猫に使用すると副作用や中毒を起こす可能性があります。

顎が化膿している場合、アルコールで拭くのはNGです。
猫の皮膚にアルコール消毒は刺激が強すぎます。
しみて痛い思いをさせてしまうことになるでしょう。
気になる場合は動物病院で相談してください。

 

猫の顎ニキビの対処法と予防法

猫の顎ニキビは、原因に対して対策をおこなうことで、予防することも可能です。
また、顎に黒っぽいブツブツを発見したら早めに対処し、悪化を防ぐようにしましょう。

陶器の食器に変更する

プラスチック製や金属製の食器を使用している場合は、材質を変えてみるのが良いでしょう。
おすすめは陶器製の食器です。

陶器製の食器は割れるというリスクはありますが、傷がつきにくく、汚れが落としやすいというメリットがあります。

また、陶器はプラスチックや金属など特定の素材にアレルギーのある猫も安心して使える素材です。
アレルギーが原因の場合は、陶器の食器にしただけで顎ニキビが改善するケースもあります。

食器を清潔に保つ

猫の使用する食器はいつも清潔にしておきましょう。

ご飯を食べる食器は、食事のたびに洗うようにして、週に1回は消毒をおこなうのが理想です。
陶器の食器であれば、熱湯消毒、煮沸消毒、漂白剤などの使用も可能です。

また、水飲みの器も最低限1日1回は水を換えるようにし、そのときに洗うようにしましょう。
ご飯用の食器と同様に1週1回の消毒が理想です。

できるだけ、陶器やガラス、ステンレスなどの傷がつきにくく衛生的に使える素材の食器を使うようにしましょう。

キャットフードを変更する

キャットフードの原材料が原因で、過剰に皮脂を分泌している可能性がある場合は、フードを変更しましょう。

原因となっている原材料がわかっている場合は、使用されていないフードを選ぶようにします。
原因がわからない場合は、与えているフードの原材料を確認し、異なる原材料を使用したものを選ぶようにすると良いでしょう。

生活環境を見直す

生活環境によるストレスが原因の場合は、環境を変えることで改善する可能性があります。

猫のストレスの原因には、引越し、家族の増減、仲の悪い同居猫、大きな音がしているなどがあげられます。

引越しや家族の増減など難しい場合もあるかもしれませんが、対処可能な原因の場合は、排除するなどの対策をおこないましょう。

排除が難しい場合は、猫が安心できる隠れ家を用意するなど猫が落ち着ける環境を整えてあげてください。

顎の下を定期的にケアする

猫ニキビの予防には、顎の下を清潔に保つことが重要です。

たとえば、食後に猫の顎の下を濡れタオルで拭く、定期的に顎の下をシャンプーで洗うなど汚れを落としてあげるようにしましょう。
とくに、ウェットフードを与えている場合は汚れやすいのでこまめに拭いてください。

シャンプーは頻繁におこなうと皮膚の負担になってしまうため、多くても月に1回程度にします。

 

猫の顎ニキビの治療費は?

猫の顎ニキビの治療費は、重症度によってことなります。
1回の通院で「3,500〜4,000円程度」を想定しておくと良いでしょう。

免疫力の低下が原因で基礎疾患がある場合は、そちらの治療もおこなうことになりますので、さらに治療費が必要になります。

 

まとめ

猫の顎ニキビは軽症であれば自宅でのケアも可能ですが、症状がひどくなると動物病院での治療が必要です。

白っぽい毛色の猫は気づきやすいですが、黒っぽい毛色の猫は気づくのが遅くなり、受診したときにはかなり悪化していたというケースも少なからずあるようです。
気になる症状が見られたら、早めに動物病院を受診して悪化を防ぐようにしてくださいね。

軽度の場合は、衛生面、食器、生活環境を見直し症状の改善に努めましょう。

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この記事を書いたのは
ネコヤ カエ
愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|
ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定
2019年よりフリーライターとしての活動を開始。
ペット専門のライターとしてWebメディアや動物病院HPなどでコラムを多数執筆。
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