急性胃拡張は早期治療が非常に重要な疾患です。
発覚してから、最悪その日中に亡くなることもあります。
このような悲しい出来事に陥らない為にも、しっかりと予防・対策を取れるようご紹介します。
急性胃拡張とは
急性胃拡張とは、うさぎさんの消化器疾患の一つです。
何かしらが原因で胃腸の動きが低下し、腸がつまります。
腸がつまることによって出口がなくなり、水分を出すことができなくなります。
腸内バランスが崩れた胃腸は、ガスを生成します。
外に出ることのできない水分と生成されたガスがどんどん腸内に溜まっていき、お腹が膨れてきます。
病気が進むにつれ胃がパンパンに張れ、痛みも伴います。

3歳・ドワーフホト、胃がパンパンに張れている様子が見られます。
胃が膨れることで血管を圧迫し、呼吸困難に陥ることもあります。
呼吸をしようと息が荒くなり、さらに空気を飲み込むため胃の拡張がどんどん酷くなります。
さらに胃が大きく膨らむと破裂、この時点でうさぎさんは即死です。
以前は消化器系が原因の疾患を「毛球症」とひとくくりにされていましたが、現代では「誇張症」「うっ滞」「毛球症」「急性胃拡張」と区別されることが多いです。
※獣医学的な分類はされていないので呼び方は獣医師によります。
急性胃拡張の原因
- 異物誤飲
- 毛を飲み込んだことによる腸閉塞
- 気圧、天候変動によるストレス
- その他ストレスによる蠕動運動の低下
- 免疫力の低下
- 胃内容物の異常発酵
- 繊維質不足
- 消化しにくい食べ物(高たんぱく・高デンプン等)の食べすぎ
急性胃拡張の原因は明確には判明していません。
今後うさぎさんの医療が発達していくにつれ判明することも多々あると思います。

こんな症状があれば病院へ
急性胃拡張は早期治療が非常に大切です。
症状が見られたらすぐに病院へと行きましょう。
- 食欲不振
- いびつなうんこをする
- 排便をしなくなる
- お腹がパンパンに張れている
- うずくまって動かなくなる
- 歯ぎしりをする
- 落ち着かない様子で体勢を何度も変える
- 体温の低下(お耳が冷たい)
- ぐったりしている
- 呼吸が荒くなる
- 触れられるのを嫌がる
急性胃拡張の場合は様子を見てはいけません。
人間にとっての1日はうさぎさんにとっての6日と言われています。
「ご飯を食べないので2日間様子を見た」を人間でいうと
「ご飯を食べないので2週間様子を見た」に値します。
こう考えるとどれだけ緊迫な病気であり、様子を見てはいけないことがわかります。
うっ滞との見分け方
うさぎさんの消化器疾患として「うっ滞」も非常に多い疾患です。
<急性胃拡張>
- 病気の傾向が少なく、突然食べなくなる/動かなくなる。
- 胃腸の中に原因となる内容物が見られる。
- お腹がパンパンに張れる。
<うっ滞>
- その他の疾患(不正咬合、肥満など)が原因でなるケースが多い。
- 徐々に食欲が落ちていく。
関連記事: うさぎのうっ滞とはどんな状態?どのくらいで治る?
どちらの疾患も非常に似た症状が見られます。
急性胃拡張もうっ滞も、早期治療が重要な疾患です。

治療法とは
急性胃拡張は投薬・皮下点滴により改善する場合もあります。
症状によっては胃の内容物除去を行わず、しばらくの投薬治療を行います。
すでに重い症状、投薬しても胃拡張が治まらない場合は麻酔下での外科的治療となります。
口からカテーテルを胃に挿入し、胃の内容物とガスを吸引します。
この吸引によりお腹がつまっていた原因(飲み込んだ異物や毛玉)が取り除ければ、症状が改善します。
吸引治療でも症状が良くならない場合、切開による治療となります。
うっ滞の症状では「強制給仕」を行いますが、急性胃拡張の場合は行ってはいけません。
胃がパンパンになっている状態で食べ物を入れると、ガスが押されより痛みを引き起こす原因となってしまいます。
強制給仕を行う場合は病院で診てもらってから行いましょう。

私たちにできること
牧草をしっかりと食べる
牧草は歯を削るだけでなく、高繊維質で胃腸を動かしてくれます。
新鮮な牧草を常に食べられるようにしておきましょう。
うさぎさんにとっての適温を守る
温度15~25度、湿度40~60%がうさぎさんにとって快適に感じるお部屋です。
暑さには非常に弱い動物の為、夏場は常に涼しくしておく必要があります。
ケージの場所は、エアコンの風が直接当たらないところに置きましょう。
また湿度が高いのも苦手です。
空気の通りがよく換気ができる場所にケージを置くことをおすすめします。
除湿器を用いることもおすすめです。
寒さには比較的強いですが、高齢うさぎさんや子うさぎさん、個体によっては寒さに弱い子もいます。
ペットヒーター等をうまく用い、適温を保ちましょう。

うさぎさんにとって危険な物を置かない
うさぎさんは齧ることが大好きです。
カーペット、カーテン、電気コード等、齧れるものは何でも齧ります。このまま飲み込んでしまうと非常に危険です。
部屋んぽスペースをサークルで囲う、うさぎさんの届く範囲に物を置かない、入ってほしくない部屋はしっかりと戸締りをする等の対策をしましょう。
電気コードは感電死、観葉植物は中毒を起こす等、急性胃拡張以外の危険もあります。
転んで骨を折る危険もあります。
部屋んぽ中は目を離さないようにしましょう。
夜間・救急対応可能な病院を調べておく
急性胃拡張はいつ発症するかわかりません。
夜間・救急で対応してくれる病院が近くにあるか事前に調べておきましょう。病院によっては救急でも初診はお断りの病院もあります。
予め診てもらっておくのをおすすめします。

まとめ
急性胃拡張は日々気を付けていても発症する可能性があります。
少しでも早く治療する為、しっかりと病気について理解しましょう。







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