みなさんはうさぎの妊娠期間をご存知ですか?
うさぎの多頭飼育では、自宅で妊娠出産を希望される飼い主さんも多いかと思います。
しかし、うさぎの出産は品種によっては難産になることも多く、簡単に考えてはいけません。
自宅でうさぎの妊娠出産を考えているのであれば、しっかりとした知識を持ち、環境を整えてから万全の状態で臨むようにしましょう。
そのためにも、今回はうさぎの妊娠から出産・育児までの流れや注意点をご紹介します。
うさぎの妊娠期間
うさぎの妊娠期間は約1ヶ月程度となっています。
私たち人で考えるとかなり短いですよね。
平均すると28~36日といわれているので、早くて4週間ほどで生まれてきてもおかしくありません。遅くても5週間程度で生まれるので、基本的に予定日は交尾してから1か月程度と認識しておくと良いでしょう。
短い期間ですが、うさぎにもかなりの負担がかかります。精神的に過敏になったり、身体の調子がよくなかったりさまざまなことが考えられるため、妊娠期間はいつもよりも念入りに観察しておきましょう。
うさぎはいつから妊娠できる?
うさぎの女の子の性成熟は生後4ヶ月齢頃から始まります。
そのため、4ヶ月齢でも妊娠が可能になります。
個体差はありますが、うさぎの女の子は4~8ヶ月、男の子は生後6~10ヶ月で性成熟します。また、早熟な場合は生後3ヶ月でも訪れる子もいるため、注意が必要です。
うさぎの妊娠の仕組み
では、うさぎはどのように妊娠する仕組みなのでしょうか?
私たち人と同じような感覚では理解不足となるため、しっかりとうさぎの繁殖学をしっておきましょう。
発情期
うさぎの男の子には発情周期がなく、条件が揃えば発情する仕組みになります。
対して女のコは一定の発情周期はあるものの、常に排卵が起こり得る卵胞が備わっているため、基本的には年中繁殖が可能です。
私たち人の妊娠では排卵日が周期で存在しますが、うさぎはそうでなくいつでも排卵可能な生き物なのです。
交尾
うさぎの女の子は交尾刺激で排卵します。
うさぎは繁殖力がかなり高く、1回の交尾だけでもかなりの確率で妊娠します。
女の子が男の子を受け入れる期間に、男の子と合わせると交尾が始まります。
女の子うさぎが男の子を受け入れる期間は15~16日、その後1~2日間だけ休止期を挟みまた受け入れ期間と繰り返されます。
うさぎの交尾はなんと30秒程度で終了し、目を離した短時間でも交尾が行われていたということも少なくありません。
そのため、未避妊の男の子と女の子を一緒にする際は十分注意しておきましょう。
妊娠中の症状
では、妊娠した際の症状はどんなものが現れるのでしょうか。
人のような、つわりなどはうさぎにはないと考えられますが、
たった1ヶ月の妊娠期間の間にさまざまな体の変化が出るため、一日一日しっかりと観察してうさぎの体調管理をしていきましょう。
初期(~2週間)
交尾から1~2週間程度のいわゆる妊娠初期には「食欲の増進」が顕著に現れます。
食欲が増しているからといって、一概に妊娠だと決めつけるのは安易ですが、心当たりがあるのであれば、気にしてみておきましょう。
中期(2~3週間)
妊娠してから2週間以降には、警戒心が強くなり、神経質になったり怒りっぽくなったりと精神的な症状が出始まることがあります。
いつもよりもスタンピング(足をダンダン踏み荒らす行為)が多くなったり引きこもったりすることがあるため、あまり構いすぎずそっと様子を見るように見守りましょう。
また、3週間近くなるとお腹が膨れてくるようになり、肉眼的にも妊婦であることが確認できるようになります。
後期(3週間~)
出産の1週間前くらいから母親うさぎは出産のため、巣作りを始めます。
自分の胸やお腹の毛をむしって巣をつくります。作った巣には人間があまり干渉しないようにしておきましょう。
準備が整ったらいよいよ出産に入ります。
偽妊娠
うさぎは「偽妊娠」と呼ばれる、妊娠していないのにもかかわらず妊娠したような症状が現れることがあります。
おっぱいが張ったり巣作り行動をしたり、乳汁が分泌したりとホルモンの影響で症状が現れます。
偽妊娠はうさぎにストレスがかかるため、なるべくはでないようにしてあげたいですね。
しかし、作った巣を片づけたりすると、さらに警戒して巣を作り直す行動が見られたりする場合もあるため、手を出さない方がいいケースもあります。
基本的に偽妊娠は15日間程度で収まることが多いので、見守ってあげるといいでしょう。
うさぎの出産・育児の流れ
妊娠しておしまいではありません。
出産や育児も今後気にしてみていかないといけません。
そんな母親うさぎをサポートするためにも、うさぎの出産・育児について知っておきましょう。
出産
うさぎは一度に6~10頭ほど出産します。
一般的に夜中から明け方に出産をするうさぎが多く、静かな環境を用意するといいですね。
また、出産中は手助けしたい気持ちもわかりますが、順調そうであれば手出しせずにうさぎに任せて見守ることに専念しましょう。
基本的には安産といわれていますが、品種によっては難産になることも少なくありません。
自宅での出産を考えている飼い主さんは、獣医師のサポートを受けられるよう相談しておくことをおすすめします。
育児
母親うさぎは妊娠中だけでなく、育児中も警戒心が強く子ウサギを守ろうと敏感になっています。
子ウサギの様子が気になっても、子ウサギに近づかないように注意しましょう。
子ウサギに違うニオイがついていると母親うさぎは子ウサギをかみ殺してしまったり、育児放棄をしたりしてしまう事態になりかねません。
うさぎは基本的に自身の作った巣に子ウサギを産み落とし、授乳の時以外は近づかない性質があります。
飼い主さんから見て育児放棄だと思ってしまうかもしれませんが、深刻な事態だと判断できない限りは気になっても巣をのぞいたり子ウサギに触ったりはしないように心がけましょう。
子ウサギの状態が命に関わったり危ない状態であれば、手袋をして子ウサギに触ることをおすすめします。
また、母親が授乳をしていないなど育児放棄が疑われる場合は人工保育も検討しなくてはいけないため、母親うさぎを刺激しないように見守ることは必要です。
離乳
うさぎの赤ちゃんは生後10日前後で目が開き、3~4週間程度で離乳が始まります。
約1か月程度で離乳が行われますが、焦って無理やり離乳をしてしまうと消化障害などで子ウサギが死亡してしまうこともあるため、慎重に行いましょう。
授乳から離乳までの期間は、母親うさぎが十分な授乳ができるよう、栄養管理や健康管理で子育てのお手伝いをしましょう。
自宅で出産した際の注意点
自宅での出産は気にしておかなければならないことがいくつも存在します。
しっかりと準備をして母親うさぎも子ウサギも、健康で元気に育つためにサポートしましょう。
育児放棄がないかチェックする
先ほど説明した通り、母親うさぎは子ウサギを守ることに必死で警戒心がかなり強くなっています。神経質にもなっているため、むやみに子ウサギに干渉してはいけません。
しかし、本当に育児をしているかのチェックは必要です。
まれに育児放棄をしてしまう母親うさぎも少なからずいるので、授乳を行っているかのチェックは必要です。
万が一育児をしていなさそうなら、人工保育を考えなくてはいけないので、母親うさぎを刺激しないように子ウサギの様子も見ておきましょう。
母親うさぎの健康ケアを念入りにする
出産後は授乳や育児に追われ、母親うさぎは体調を崩しやすくなってしまいます。
授乳もしっかりとできるよう母親うさぎの健康をサポートすることは大事です。
栄養管理や食事管理・体重管理などはいつもより念入りに行いましょう。
雌雄判別をする
自宅で生まれた子ウサギは基本的に多頭で生まれます。
うさぎの女の子は4ヶ月程度で性成熟する子も出ます。
早熟だと3か月程度でも性成熟するうさぎもいるため、雌雄判別は大事です。
雌雄がわからないまま、また雌雄判別が誤ったまま一緒に過ごしている内に、子ウサギが妊娠してしまう可能性があります。
同じ母親から生まれた子ウサギ同士は兄妹にあたるため、血縁の関係上、その子ウサギは奇形や遺伝子異常が起きてしまう危険性があるため、おすすめできません。
雌雄判別の仕方は陰部の観察ですが、一般的にうさぎの雌雄判別はかなり難しく、生後6カ月ほどまでは簡単ではないといわれています。
うさぎの陰部を観察し、肛門と陰部の位置で男の子か女の子かを見分けます。
男の子は肛門と陰部の距離が女の子に対して広くなっていて、女の子は陰部と肛門の距離が近めになっています。また、陰部の形にも少し違いがあり、男の子が丸い形に対して女の子は細長くみえます。
生後3ヶ月くらいで男の子のお腹を優しく押すことでペニスを確認できますが、かなり難易度が高く難しいので、動物病院で診てもらうのが良いでしょう。
6ヶ月齢を過ぎると睾丸が降りてくるので、肉眼でもはっきりと確認できます。
雌雄判別が難しい場合は獣医師に診てもらうまで、3カ月齢になったら1頭1頭隔離しておくと安心ですね。
まとめ
うさぎの妊娠期間は28~36日前後です。
妊娠中は食欲が増したり、警戒心が強まり神経質になったりすることが予想されます。妊娠の1週間前から巣作りをはじめ、出産準備に入ります。
しかし、うさぎには妊娠していないのに関わらず、妊娠症状が出てしまう偽妊娠というものが起こります。
その際はなるべく巣作り行動などをやめさせるように働きましょう。
また、うさぎは妊娠から子育てまで警戒心を強めており、子ウサギの匂いにも敏感です。
子ウサギに違うニオイがついていたら自分の子供じゃないと勘違いし、噛み殺してしまったり育児放棄につながってしまう恐れがあるため、子ウサギの様子は母親うさぎを刺激しないようにそっと行い、健康そうであれば基本手出しはしないように心がけましょう。
また、飼い主さんができることとしては、母親うさぎの健康管理や子育ての環境づくりが挙げられます。
子ウサギの子育てを手伝いたい気持ちもわかりますが、健康に被害がなさそうであれば見守るだけにしましょう。
さらに、自宅で出産した場合は3ヶ月齢くらいから雌雄隔離をおすすめしています。
うさぎの雌雄判別は難しいため、自信がない場合は動物病院で診てもらってくださいね。
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この記事を書いたのは
中村千尋
愛玩動物看護師
大阪ペピイ動物看護専門学校卒業
認定動物看護師資格取得・ペット栄養管理士資格取得
兵庫県内の動物病院で勤務(現在も勤続中)
愛玩動物看護師国家資格取得
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