老犬の目が白いのは病気のサイン?病気や受診の目安、日常ケアを獣医師が解説
愛犬が年齢を重ねるとともに、目が白くなっているように見えると、心配になりますよね。
そんなとき、
「白内障になったのかな?」
「動物病院を受診した方がいいのかな?」
「目薬をさした方がいいのかな?」
といった疑問をお持ちではないでしょうか?
実は、老犬の目が白いときに考えられる病気は、白内障以外にもさまざまなものが挙げられます。
場合によっては、重大な病気の初期症状であることをご存じでしょうか?
本記事では、犬の目の構造から、老犬の目が白いときに考えられる病気や症状、受診の目安、日常ケアなどを獣医師がわかりやすく解説します。
最後までお読みいただき、愛犬の目の健康管理に役立てていただけると幸いです。
老犬の目が白く見えるのはどの部位?
まず、飼い主様が「目が白い」と思ったときに、犬の目のどの部位が白く見えているのでしょうか?
主な部位をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
①角膜
角膜とは、目の一番外側の薄い膜のことを指します。
角膜は本来、光を通すために無色透明です。
しかし、角膜にトラブルが起きた場合は白濁し、目が白くなったように見えます。
②前眼房
前眼房とは、角膜と水晶体の間の領域を指します。
前眼房の中は「眼房水」という無色透明な液体で満たされています。
炎症などで眼房水が白濁したときも、目が白くなったように見えることが少なくありません。
③水晶体
水晶体は通常、網膜にピントを合わせる「レンズ」の役割をしています。
65%が水分、35%がタンパク質でできており、血管が通っておらず無色透明です。
年齢を重ねたり、水晶体のトラブルが起きたりすると白濁し、目が白くなったように見えます。
老犬の目が白いときに考えられる病気とは?
ここまでは、老犬の目が白いときにどこが白くなるかを解説しました。
では、目が白いときにはどのような病気が考えられるのでしょうか?
実は、どの部位が白くなるかによって、考えられる病気が異なります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
①白内障
白内障は、高齢の犬においてよく見られる目の病気で、目の「水晶体」という部分が、病的に白く濁る病気です。
多くは遺伝的な要因や加齢に伴う変化ですが、
- 糖尿病
- 緑内障
- ぶどう膜炎
- 腫瘍
- 進行性網膜萎縮
などの病気に伴って発症することも少なくありません。
| 初発白内障 | 白濁が水晶体の10%未満 |
|---|---|
| 未熟白内障 | 白濁が水晶体の10%~99% |
| 成熟白内障 | 白濁が水晶体の100% |
| 過熟白内障(モルガニー白内障) | 成熟白内障の進行により水晶体の吸収が始まり、透明性の回復や前嚢の皺、皮質内結晶様物質を認める |
白内障の治療には主に、点眼による治療と、手術による水晶体の摘出が用いられます。
②核硬化症
核硬化症は、白内障と同様に「水晶体」が白濁する現象です。
主に加齢性の変化で、視覚に影響を及ぼさないことが多く、治療対象にならないことが一般的です。
③角膜ジストロフィー
角膜ジストロフィーとは、目の「角膜」が白く濁る病気です。
視覚への影響は少ないため、経過観察となることが多いです。
④緑内障
緑内障は、眼圧が上昇し、強い痛みや視覚障害を引き起こす病気です。
- 白内障
- 水晶体脱臼
- ぶどう膜炎
- 腫瘍
などが原因になることがあります。
進行が早く失明のリスクが高いため、早期受診が重要です。
⑤ぶどう膜炎
ぶどう膜炎は、目の内部に炎症が起こる病気です。
- 感染症
- 外傷
- 角膜潰瘍
- 白内障
- ドライアイ
- 免疫異常
- 腫瘍
などが原因となります。
老犬の目が白いときに見られる症状とは?
- 白目が充血している
- 目やにが多い
- 暗い場所で動きにくい
- 目をこする
- 動きが慎重になる
老犬の目が白いときに受診すべき目安とは?
目が白いと思ったときは、可能な限り早めに受診しましょう。
- 目をしょぼしょぼさせる
- 強い痛みがある
- 物にぶつかる
- 出血している
- 目が飛び出たように見える
- 食欲や元気がない
老犬の目が白いときにやるべき日常ケアとは?
①定期検診
定期的な検診により、目の病気を早期に発見できます。
②サプリメント
- フランス海岸松樹皮抽出物
- プロアントシアニジン
- クルクノミド
- アスタキサンチン
- ビタミンE
- アントシアニン
- ルテイン
サプリメントは補助的なものなので、必ず獣医師に相談して使用しましょう。
まとめ
老犬の目が白い原因は、生理的な変化から病気までさまざまです。
「年齢のせい」と判断せず、早めの受診と定期検診が重要です。
日頃からよく観察し、適切なケアで愛犬の健康を守っていきましょう。
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この記事を書いたのは

獣医師:浅川雅清
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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