愛猫におねだりされてついついあげてしまう、という飼い主さんも多いことでしょう。
でも、ちょっと待ってください。その食べ物は猫が食べても大丈夫なものですか?
私たちが普段なにげなく口にしているもののなかには、猫にとって危険な食べ物も少なくありません。
病気の原因になるものや、最悪は命を落としてしまうものまであります。
そこで今回は、猫が食べてはいけないもの、注意するべきものとして、人間の食べ物から身のまわりのものまで幅広く紹介していきます。
猫が食べてはいけない食べ物一覧
私たち人間にとっては美味しいものでも、猫が食べてはいけないものがたくさんあります。
猫が誤って口にすると健康を損なうだけでなく、命を落としてしまう危険なものも少なくありません。
そのなかでもとくに危険な食べ物を紹介します。
チョコレート

チョコレートには、猫にとって有害とされている「カフェイン」や「テオブロミン」が含まれています。
猫がチョコレートを食べてしまうと、興奮状態、嘔吐・下痢、震えなどを引き起こし、重症になると痙攣や不整脈などの症状が見られます。最悪は、命を落とすことも。
とくに、カカオの含有量が多いビターチョコは危険だとされており「体重1kgあたり10g(板チョコレート約5分の1枚)」で致死量となります。
なかでも、高カカオのダークチョコレートはひと欠けら口にしただけでも危険です。
ねぎ類(玉ねぎ・ねぎ・ニンニクなどの)

玉ねぎをはじめとするねぎ類には「有機チオ硫酸化合物」が含まれています。
猫が摂取すると、赤血球が破壊されて溶血性貧血を引き起こし、急性腎障害の原因になります。
重症化すると命を落とすこともあるため注意が必要です。
ねぎ類を摂取してから初期症状があらわれるまでは3〜4日ほどかかり、初期には、嘔吐・下痢、呼吸困難、食欲不振などの症状が見られます。
なお、ねぎ類の毒性は加熱しても変化しないため、調理済みのもの、スープや煮込み料理の煮汁、一緒に煮込んだものも食べてはいけないとされています。
関連記事:猫が玉ねぎを食べたけど大丈夫?症状や対処法などを紹介
ぶどう

ぶどうも猫が食べてはいけないもののひとつとしてあげられている食べ物です。
ぶどうに含まれているどの成分が危険なのかはわかっていませんが、犬では少量摂取しただけでも急性腎障害を起こす可能性があるとされています。
猫も同様のリスクがあると考えられているため、注意が必要です。
また、生のぶどうだけでなくレーズンやジュースなどの加工品も同様に危険です。
猫がぶどうを食べてしまった場合は様子を見ずに、早急に動物病院を受診しましょう。
アボカド

アボカドの葉、実、種には「ペルシン」という成分が含まれており、人間以外の動物には有毒です。
動物がアボカドを摂取すると、嘔吐・下痢、呼吸困難などの症状が見られると言われており、これまでに鳥、うさぎ、馬、ヤギなど幅広い種類の動物で中毒の報告があります。
猫がどれだけ食べたら危険なのか、明確な量はわかっていませんが、リスクがあるのは間違いないでしょう。
そのため、猫が食べてはいけないものとしてあげられています。
香辛料

香辛料の中には猫が食べてはいけないものがあります。
なかでも、ナツメグを摂取すると以下のような症状が見られる場合があります。
- 嘔吐
- 口の渇き
- 瞳孔の拡大・収縮
- 心拍数の上昇
- 歩行困難
そのほかにも、コショウ、わさび、唐辛子などの刺激が強いものやシナモンは胃腸障害を引き起こす可能性があるとされています。
また、ニンニクパウダーなども要注意。
ニンニクが含まれている人間用のサプリメントを数粒食べて軽い中毒症状が見られた猫もいます。
アルコール類

猫がアルコールを摂取すると急性アルコール中毒を起こすことがあり大変危険なものとしてあげられています。
人間にはアルコールに強い人、弱い人がいますが、猫も耐性には個体差があり少量でも危険な状態になる可能性があります。
そのため、一概にどれくらい飲んだら危険だとはいえません。
猫が誤ってアルコールを口にすると、嘔吐・下痢、呼吸困難などの症状が見られ、重症化すると昏睡状態、呼吸抑制がおこり、命を落とす場合も。
また、お酒を飲む以外にも、ラムレーズンや生のパン生地などアルコールが含まれる食品も猫にとっては危険なものとなります。
カフェイン入り飲料(玉露・コーヒー・紅茶など)

猫にとってカフェインは危険なもののひとつとしてあげられます。
猫が誤ってカフェインを口にすると以下のような症状が見られます。
- 嘔吐・下痢
- 過剰な興奮
- 痙攣
- 震え
- 動悸
- 不整脈
カフェインの中毒量は「体重1kgあたり20mg」で、致死量は「体重1kgあたり100〜200mg」とされています。
カフェインの含有量は淹れ方などの条件によって異なりますが、玉露、コーヒー、紅茶、煎茶が多いとされています。
また、カフェインはコーヒーやお茶のほかにも栄養ドリンクやコーラなどにも含まれているので注意しましょう。
生の甲殻類(イカ・タコ・エビなど)

猫にお刺身をあげているという飼い主さんは多いかもしれませんが、イカやタコ、エビなどの甲殻類は生で食べてはいけないものの代表です。
生の甲殻類には「チアミナーゼ」という酵素が含まれておりビタミンB1欠乏症を引き起こします。
ただし、チアミナーゼは熱に弱いため加熱して与えるぶんには問題ありません。
猫が生の甲殻類を摂取すると、食欲低下、下痢、体重減少があらわれ、重度になると神経症状でフラフラと足元がおぼつかなくといった様子が見られるようになります。
また、乾燥したするめなどは食べると胃腸の中で大きく膨れて、最悪は腸閉塞の原因にもなる危険な食べ物です。
猫には絶対に与えないようにしましょう。
猫が注意するべき食べ物一覧
猫が食べてはいけないものを紹介しましたが、ここでは猫が食べても大丈夫だけれど、与え方には注意が必要なものを紹介します。
とはいえ、けっして与えることを推奨するものではありません。
基本的には、人間の食べ物は与えないようにしましょう。
牛乳・乳製品

猫といえば、牛乳というイメージをお持ちの方も少なくないと思います。
しかし、猫に牛乳はおすすめしません。
猫は乳糖を分解するための酵素(ラクターゼ)の量が少ないため、乳製品に含まれている乳糖を消化吸収するのが苦手です。
また、猫のなかには乳製品にアレルギー反応を示す猫もいます。
牛乳アレルギーの場合は、数分後に嘔吐、数時間後にかゆみや発疹が見られ、翌日に下痢をすることがあります。
お腹の調子を整える目的でヨーグルトを与える飼い主さんもいるようですが、与え方や量には注意が必要です。
腸内環境を整えることが目的であれば、安全性が高いサプリメントの活用をおすすめします。
青魚(サンマ・アジ・サバなど)

猫は魚が好きと言われますが、与え方には注意が必要です。
魚には不飽和脂肪酸が含まれており、過剰に摂取すると脂肪が炎症を起こして黄色く変色する「黄色脂肪症(イエローファット)」の原因になります。
不飽和脂肪酸は、サンマやアジ、サバなどの青魚に多く含まれていると言われています。
たまに食べるくらいでは問題になりませんが、日常的に与えるのは危険です。
また、生魚にはチアミナーゼが含まれていますし、寄生虫(アニサキス)のリスクもあります。
与える際は加熱したものを与えるのが安心でしょう。
かつお節・煮干し

かつお節や煮干しを好む猫も多いのですが、ミネラル分が多く含まれているため尿石症の原因になると言われることもあります。
とくに煮干しは、かつお節より塩分が多く、カルシウムの含有量が78倍だと言われています。
そのため、尿石症にかかったことのある猫や食事制限のある猫には煮干しを与えないようにし、健康な猫でも週に1匹程度を目安にしましょう。
食べ物以外で注意が必要なもの一覧
猫が食べてはいけないものは食べ物だけではありません。
サプリメントや薬、植物など私たちの身のまわりには猫にとって危険なものがたくさんあります。
それでは身のまわりの危険なものを見ていきましょう。
α-リポ酸サプリメント

人間用のサプリメントのなかには、猫が食べてはいけないものがあります。
とくにα-リポ酸に対する感受性が高く、猫にとっては猛毒とも言われています。
猫の場合、体重1kgあたり30mg摂取すると、神経や肝臓の損傷を引き起こすとされています。
1粒に100mgのα-リポ酸を含むサプリメントもありますので、たった1粒でも危険だと覚えておきましょう。
猫がα-リポ酸を摂取した場合、以下のような症状が見られます。
- 嘔吐
- よだれの増加
- 運動失調
- 震え
- 痙攣
猫はα-リポ酸を好む傾向があり、積極的に食べてしまうことがあります。
日本でも猫の死亡例がありますので取り扱いには十分に注意しましょう。
人間用の薬
抗うつ剤や神経抑制薬、解熱鎮痛剤、ホルモン剤、抗生剤など人間の薬の中には、猫にとって危険なものも少なくありません。
そのなかでもとくに注意したいのが、常備薬として置いている人も多いと思われる解熱鎮痛剤です。
解熱鎮痛剤のなかでも「アセトアミノフェン」「イブプロフェン」が含まれている解熱鎮痛剤は注意が必要です。
とくに、アセトアミノフェンはたった1錠でも重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。
おもな症状としては、貧血、血尿、チアノーゼ、呼吸が速くなるなどがあげられます。
猫がアセトアミノフェンを摂取すると次第に症状が悪化し、多量の場合は摂取後18〜36時間程度で命を落とします。
不凍液
車のエンジン用の不凍液には、猫にとって危険な「エチレングリコール」が使われています。
猫が不凍液を舐めてしまうと、2〜3時間で血中に到達し、4時間ほどで中毒症状があらわれ、2〜24時間以内に急性腎障害を引き起こします。
摂取後30分から数時間ほどで、嘔吐、運動失調、多飲多尿などが見られるようになり、さらに症状が進むと頻脈、呼吸が速い、沈欝といった症状があらわれます。
猫の致死量は「体重1kgあたり1.5ml(または1ml)」程度です。
このように、ごく少量でも重篤な腎障害を起こして命を落とす可能性があります。
また、最近では使われなくなりましたが、以前は保冷剤にもエチレングリコールが使われていました。
古い保冷剤には注意が必要です。
エッセンシャルオイル(精油)

最近は知られるようになってきましたが、アロマオイルなどに含まれるエッセンシャルオイルも猫には危険です。
エッセンシャルオイルを直接なめるのはもちろんですが、呼吸から吸収する、皮膚から吸収する場合も危険だとされています。
また、香りを嗅ぐだけでも危険だと言われている種類もあるようです。
猫がエッセンシャルオイルを摂取すると以下のような症状やリスクがあります。
- 嘔吐・下痢
- 中枢神経の症状
- 誤嚥性肺炎
- 痙攣
- 肝機能障害
とくに危険だとされてされているエッセンシャルオイルには、ティーツリーやユーカリがあげられていますが、危険な種類や量などはまだよくわかっていません。
エッセンシャルオイルはすべて危険だとして対応しましょう。
ユリの花

猫にとってユリは猛毒です。
花、葉、茎、花粉などのすべての部位に毒性があります。
花や葉を少し噛っただけ、活けている花瓶の水や花粉を舐めただけでも中毒症状を起こすことがわかっていますが、危険な成分や量はわかっていません。
猫のユリ中毒では、急性腎障害を引き起こし、最悪は命を落とします。
ユリ中毒の初期症状としては嘔吐が見られ、抑うつ、元気消失、食欲不振、多飲多尿などがあげられています。
ユリの花だけでなく、ユリ科に属するチューリップやカタクリ、ヒヤシンスなども危険だとされています。
猫が食べてはいけないもの食べてしまったときの対処法
猫が食べてはいけないものとして、食べ物から、薬品、植物までさまざまなものを紹介しましたが、どれも基本的には早急に動物病院を受診することです。
受診の際は、いつ、なにを、どれくらい食べてしまったのか確認しておきましょう。
薬や薬品などの場合は、パッケージがあれば持参するのがおすすめです。
吐かせようとする飼い主さんもいらっしゃるようですが、食べたものによっては症状を悪化させてしまいます。
今回は紹介していませんが、竹串や針など先が尖っているもの、漂白剤などは吐かせてはいけないものとされています。
応急処置が必要な場合も獣医師の指示に従っておこなうようにしましょう。
猫の誤食を防ぐためにできること
猫が食べてはいけないものを食べないようにするには、持ち込まないこと、猫が触れられない場所に片づけることです。
また、日頃から人間の食べ物を与えないようにすることも大切です。
食べ物として認識しなければ食べられるリスクを減らすことができます。
さらに、ゴミ箱は蓋付きで倒れにくいものにしましょう。
全て当たり前のことばかりかもしれませんが案外できていないことも少なくありません。
定期的に室内を確認し、問題があれば改善に努めましょう。
まとめ
猫が食べてはいけないもの、注意するべきものを紹介しました。
今回紹介したものはほんの一例です。
猫が食べたら危険なものはあげればキリがありませんし、すべてを把握するのは無理があるでしょう。
愛猫の健康と命を守るためには、人間のものは食べさせない、安全かわからないものには近づけないようにすることがいちばんの対策です。
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この記事を書いたのは
ネコヤ カエ
愛玩動物救命士|猫疾病予防管理士|猫健康管理士|犬猫行動アナリスト|
ペット災害危機管理士3級|猫のシニア生活健康アドバイザー|ペットフード/ペットマナー検定
2019年よりフリーライターとしての活動を開始。
ペット専門のライターとしてWebメディアや動物病院HPなどでコラムを多数執筆。
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