サプリメントは食事に混ぜても大丈夫?
結論から言うと、ほとんどのサプリメントはフードやおやつと一緒に与えても問題ありません。
人と同様に、サプリメントは投与するタイミングに指定はありません。また、食事と一緒に与えることで吸収率が高まるサプリメント成分もあります。
ただし、「何でも混ぜてよい」というわけではありません。中には食事と一緒だと吸収効率が落ちうる成分や、薬と相互作用する成分もあります。
安全に使うためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
サプリメントを混ぜて与える際の注意点
では、実際にどのようなことに注意して、サプリメントを与えればよいのでしょうか?
1. 食事と一緒に与えることが推奨されるサプリメント
脂溶性ビタミンであるビタミンA・D・E・Kやオメガ3脂肪酸などは、理論上フードやおやつと一緒に摂取することで吸収率が高まります。
実際に、犬用のオメガ3脂肪酸のサプリメントで、食事と一緒に投与することを推奨している商品もあります。また、乳酸菌などの菌を用いたサプリメントで、生菌(生きた菌)を使用している製品は、菌が胃酸で死滅してしまわないよう食事と一緒の摂取が好ましいとされています。
このようなサプリメントは、食事やおやつと同じタイミングで与えましょう。
2. 食事と一緒に与えることが推奨されないサプリメント
現在のところ、「空腹時に与えてください」と明記されたサプリメントはあまり見かけません。
一方で、鉄や亜鉛、マグネシウムなど一部のミネラルは、他の栄養素と一緒に摂ることで吸収が妨げられる場合もあるため注意が必要です。使用するサプリメントの用量・用法を必ず確認し、必要に応じかかりつけの獣医師や販売・製造元に確認しましょう。
3.併用するサプリメントや薬との相互作用
食事のタイミングで、既にサプリメントや薬を使用している場合は、それらとの相互作用には注意が必要です。
人において、サプリメントの規定量を守っているのに十分な効果が得られない際の機序として、肝臓の薬物代謝酵素(特にCYP450)酵素誘導が関係していると言われています。
犬でも人と同様に、一部の薬はこの酵素誘導を起こすと言われていて、サプリメントの成分の分解が早まってしまう可能性があります。そのことにより、サプリメントの効果を感じなかったり、逆に効きすぎたりする可能性が想定されます。
薬を服用している犬にとっては、サプリメントの使用も慎重になる必要があります。
セントジョーンズワートは人間においてはCYP450に作用する可能性があると言われており、抗てんかん薬などとの相互作用が懸念されます。
また、ビタミンEにおいては、抗血小板薬との併用で出血傾向を助長することがあると言われています。そのほか、活性炭は毒素を吸着する目的で、腎臓病や誤食の際に用いられるサプリメント成分ですが、毒素のみならず薬の成分も吸着する可能性があります。活性炭を使用したサプリメントは、薬やほかのサプリメントとタイミングを離して与えましょう。
これらのサプリメントを使用する際はもちろん、新しくサプリメントを使用する際は、現在使用しているサプリメントと成分が重複しないか、薬と相互作用がないか確認したうえで使用しましょう。
4.療法食との兼ね合い
犬の心臓病や腎臓病、皮膚病などにおいて、療法食として特別に配合されたフードを使用することが多いです。療法食はすでに栄養バランスが調整されており、意図的に特定の成分を増やしたり減らしたりしています。そこにサプリを加えると、本来減らしたい栄養素が過剰になるリスクがあります。必ずかかりつけの獣医師に相談して栄養のバランスを確認しましょう。
サプリメントを与える正しいタイミングとは?
上述の通り、サプリメントには、与えるタイミングは明確に指定されてはいません。ですが、サプリメントだけ与える習慣にすると、つい与え忘れてしまうこともありますよね。
多くのサプリメントが食事に混ぜて大丈夫ですので、朝晩の食事のタイミングで同時に与えるように決めると、与え忘れることも少なくなると思われます。
ただし、ほかのサプリメントや薬を併用している場合は、例えば「サプリメントはお昼のおやつに混ぜて与える」、「食事の〇〇時間後に与える」などと予めタイミングを決めておくと、相互作用に配慮して与えることができると思われます。
このように、犬のライフスタイルや併用している薬やサプリメントの内容に合わせて、最適なタイミングを工夫しましょう。
サプリメントの与え方のポイント
ここまでは、サプリメントは食事混ぜて大丈夫か、サプリメントを与えるタイミングとその注意点について解説しました。
次は、犬にサプリメントを与える際の与え方について解説します。
1.用量・用法を必ず守る
サプリメントは「多く摂取すればその分効果が上がる」というものではありません。
むしろ脂溶性ビタミンや一部のミネラルのように体内に蓄積されやすい成分は、過剰摂取による副作用が懸念されます。パッケージに記載された用量・用法を必ず守りましょう。
2.犬が投与を嫌がるときの工夫
人とは違って、犬が自らサプリメントを飲もうとすることはあまりありません。薬と同様に、与えるのにも苦労する場合がありますよね。そのような時は、以下のような方法がおすすめです。
●おやつに包む
大好きなおやつに包むと、気づかずそのままサプリメントも飲んでくれます。特に、チーズのように捏ねることができるおやつや液状のおやつだとよりサプリメントを上手に包むことができます。
また、「投薬補助おやつ」として、投薬に特化したおやつを使うのも良いと思います。
●粉末にして混ぜる
錠剤であれば、スプーンやすり鉢などで粉々にして食事やおやつに混ぜると与えやすいでしょう。また、カプセルタイプや液状タイプのサプリメントも同様で、中身だけを食事やおやつに混ぜる方法も可能です。ただし、どちらも砕いたり中身を出したりして大丈夫かどうかは、事前に確認したうえで行いましょう。
まとめ
犬用のサプリメントは、多くの場合フードに混ぜて与えて問題ありませんが、成分によっては食事と一緒に与えない方が良い場合や、薬との相互作用に注意すべき場合があります。
サプリメントは自己判断で増減せず、愛犬の体調や持病に応じて獣医師と相談しながら使用することが大切です。こちらを参考に、現在使用しているサプリメントを正しく使用できているか、再度見直してみましょう。
もし気になる点がありましたら、一度かかりつけの獣医師に相談しましょう。
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この記事を書いたのは

獣医師:浅川雅清
2016年、日本大学生物資源科学部獣医学科卒
同年4月から、東京都内のペットショップ併設の動物病院に勤務
犬・猫・ウサギ・ハムスターの診療業務を行う傍ら、
ペットショップの生体管理や、動物病院の求人管理や、自社製の犬猫用おやつやフードの開発に携わる。
2023年から1年間、分院長を経験し、2024年にフリーランス獣医師として独立。
現在は診療業務の他、電話での獣医療相談や、ペット用品の商品監修など幅広い業務を行っている
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