うさぎさんの消化器疾患<うっ滞>

病気(うさぎ)

どの年齢のうさぎさんもかかる可能性がある「うっ滞」。
進行度が早く、早期発見・早期治療が非常に重要です。
命を落としかねない疾患であるこの病気についてご紹介します。

 

1.うっ滞とは
■うっ滞の原因
2.こんな症状が出ていたら病院へ
3.治療法とは
■内科的治療
■外科的治療
■家庭での過ごし方
4.私たちにできること


 

1.うっ滞とは
草食動物であるうさぎさんは繊維質を消化するため、特徴的な消化機能をもちます。
食べ続けることで消化管を休むことなく動かし、効率的に消化を促します

特徴的な消化器官の為に犬猫よりも消化器疾患が多く、早期に治療しないと重篤な状態になることもあります。

消化器疾患で最も多いのが「うっ滞」です。
何かしらが要因で胃腸の動きが低下し、正常に消化できなくなる疾患です。

消化管以外の病気が原因のこともあり、一連の併発症状を総称して「ウサギ消化器症候群(RGIS)」と呼びます。

以前は消化器疾患が原因の病気を「毛球症」と総称して呼んでいました。
現在では研究が進み、「急性胃拡張」「鼓脹症」「うっ滞」等と細かく分類している病院もあります。

■うっ滞の原因
様々なことが原因となり、うっ滞を引き起こします。

・過度な毛づくろい(毛球症)
・換毛期のグルーミング不足
・繊維質不足
・ストレスによる蠕動運動の低下
・気圧、急激な温度変化
・異物誤飲
・不正咬合による食欲不振
・腸内の最近バランスの崩れ
・免疫力の低下
・加齢による内臓機能の低下
・その他の疾患による内臓機能低下

うっ滞を引き起こす原因は一つではなく、明確にはされていません。
一つの疾患から次々と疾患を引き起こし、うっ滞へと繋がるケースが非常に多いです。

 


 

2.こんな症状が出ていたら病院へ
うっ滞は進行度が早く、最悪の場合その日中に亡くなることもあります。
兆候が出ていたら、いち早く病院へ行きましょう。

・食欲不振
・排泄をしなくなる
・繋がった便(数珠状)をする
・便が小さい、いびつな便をする
・うずくまって動かなくなる
・耳が冷たい(体温の低下)
・歯ぎしりをする
・落ち着かない様子で色々と姿勢を変える
・お腹を触ると張っている
・触られるのを嫌がる
・痛そうに目を細める


 

3.治療法とは
年齢・性格・症状によって治療法は変わります。

■内科的治療
消化器の動きを促す薬・鎮痛剤を投与します。
軽度であれば病院で投与された薬で良くなる子もいますが、数日薬を飲む場合もあります。
投薬の仕方がわからない場合は獣医師に確認しましょう。

また、食欲が落ちている子には強制給仕が有効な方法であることが確認されています。
給仕用のドロッとした専用食が処方される場合もあります。
市販で販売している商品もある為、いざという時の為に買い置きしておくことをおすすめします。
太目のシリンジを使い、口の横側から差し込んで与えます。
※普段食べているペレットをふやかして与えることもできます。


強制給仕用のシリンジ。
病院やネットショッピングで購入できます。

強制給仕がうっ滞には有効であることは確認されていますが、胃腸にガスがたまっている場合(急性胃拡張)ガスが押されて悪化してしまうケースもあります。
強制給仕を行っても良いか獣医師の指示を仰ぎましょう。

■外科的治療
緊急の場合は手術を行うこともあります。
全身麻酔で胃腸に詰まっている内容物を取り除きます。

全身麻酔はリスクを伴う為、よく獣医師と相談して行いましょう。

■家庭での過ごし方
うっ滞を引き起こしている子は体温が低下している場合があります。
ペットヒーターを用いたり、エアコンが直接当たらないようケージにカバーをかけたり保温を心がけましょう。


 

4.私たちにできること
うっ滞は時間との勝負。
いかに初期のうちに治療するかが大事になります。
予防策はたくさんあります。
その子に合った予防策を行ってあげましょう。

*牧草を食べる
繊維質の高い牧草を日ごろから食べるようにしましょう。
おすすめは1番狩りですが、硬くて食べにくい(食べない)のであれば2・3番狩りも混ぜたり工夫してみましょう。

うさぎさんは味蕾(味を感じる部分)が非常に発達している動物です。
牧草の産地によっても食べる・食べないがあるので、その子の好きな牧草を探してあげましょう。

*水分をしっかりとる

水分不足に気を付けて、毎日新鮮なお水に替えてあげましょう。
硬水はミネラル成分が高く結石へと繋がるリスクがあります。
軟水(水道水)・うさぎさん専用のお水にしましょう。

水分不足解消・胃腸を動かす為に生野菜を与えるのもおすすめです。
与えすぎには注意しましょう。


*毎日部屋んぽを行う
ケージの中だけで過ごしていると運動不足となり、内臓の動きも低下してしまいます。
また運動をしないと肥満にもなってしまいます。
運動不足を解消し、胃腸の動きの活性化を図りましょう。

*グルーミングを怠らない
うさぎさんはとっても綺麗好きな動物。
頻繁に毛づくろいを行います。
その際に一緒に毛を飲み込んでしまい、うっ滞(毛球症)へと繋がります

換毛期には念入りにグルーミングしてあげましょう。
特に長毛種は日ごろから毛を飲み込むリスクが高いので、こまめに行いましょう。

*救急・夜間対応のある病院を調べておく
近くに救急・夜間対応してくれる病院があるか事前に調べておきましょう。
犬・猫専門の病院も多いので、うさぎさんを診てくれる病院か確認しておくことが大切です。
また初診は応対していない病院もあるので、前もって定期健診等でかかっておくことをおすすめします。

 

気を付けていても気圧・天候の変動、何らかのストレスで胃腸の動きが低下してしまうこともあります。
日ごろからうさぎさんとコミュニケーションを図り、その子の好きなこと・嫌いなこと・性格等を理解しておくことが大切です。その子を守れるのは飼い主さんだけです。少しでも長く、健康に、一緒に楽しく過ごせるようやれることは全てやってあげましょう。

 

 

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