うさぎさんの去勢手術・避妊手術

病気(うさぎ)

女の子うさぎさんは避妊手術をした方がいいと言われることが多いです。
では男の子うさぎさんの去勢手術は必要ないのか?
去勢・避妊手術における問題点・リスクは何なのか?
そもそも本当に手術をした方がいいのか?
去勢・避妊手術についてご紹介します。


1.手術の目的

女の子うさぎさんの8割は子宮系疾患を発症します。
男の子うさぎさんは女の子よりも数は少ないですが、生殖器疾患を発症する場合があります。
そのリスクを取り除く為に手術を推奨する、ということは多く言われています。

■生殖器疾患の症状

<男の子>

・睾丸が大きくなる
・陰部を気にするようになる

10歳・ネザーランドドワーフ、睾丸が明らかに大きくなっているのが確認できます。

<女の子>
・尿に血が混じる
・妊娠していないのに乳首が大きくなる

7歳・ホーランドロップ、血が出ていることが確認できます。


尿と共に出る場合もあれば、血だけが滴るように流れる場合もあります。

血が出ていると症状が進んでいる証拠であり、早急に手術が必要となります。
そのままにしておくと身体中に転移してしまい、手術もできないほど手遅れとなります。


■去勢手術

<繁殖を防ぐ>
うさぎさんは非常に繫殖能力の高い動物です。
生理がなく交配する際に排卵し、ほぼ100%の確率で妊娠します。

望まない妊娠を防ぐ為の去勢手術という考えもあります。
特に多頭飼いの場合、一瞬目を離した隙に交配してしまうという可能性もあります。

術後1週間程は体内に精子が残っている場合があります。
一緒に出したい場合は年の為1カ月程間隔をあけてください。
<スプレー行為を抑える>
男の子うさぎさんは縄張りを主張する為、おしっこをまき散らす「スプレー行為」を行います。
1匹飼いでも多頭飼いでも変わらず行い、飛距離は天井まで届くこともあります
去勢手術をするとスプレー行為が落ち着くと言われいます。
<病気のリスクを取り除く>
高齢になるにつれ病気のリスクはあがっていきます。
女の子より数は少ないですが、精巣腫瘍、精巣炎、前立腺肥大といった生殖器疾患を発症する場合もあります。若いうちに手術を行うことでそれらの病気のリスクを取り除くことができます。
<攻撃性の抑制>
気性が荒いうさぎさんも、手術によって落ち着く場合があります。
特に発情期のストレスが原因の場合、ストレスを取り除くことで精神バランスを安定させることができます。

 


■避妊手術

<病気のリスクを取り除く>
女の子うさぎさんの8割以上が子宮系疾患を発症します。
子宮ガンが転移し、手遅れになることも多くあります。
病気が発症してからの手術はリスクがさらに上がってしまう為、手術を行うのであれば健康な若いうちに行うことをおすすめします。

<偽妊娠を防ぐ>
避妊手術をしていないうさぎさんは、自分が妊娠していると勘違いし偽妊娠行為をすることがあります。
生まれてくる赤ちゃんの為巣作りをしますが、その際自分の毛をむしってしまう子がいます。

毛をむしった際皮膚が傷つく恐れ、飲み込んで毛球症へと繋がる恐れがあります。
避妊手術により偽妊娠行為も落ち着きます。


牧草だけで巣作りをする子も多くいます。
2週間程度で落ち着くので牧草だけであればそっと見守ってあげても構いません。

繁殖防止・スプレー行為・攻撃性の抑制は女の子うさぎさんも同様です。
手術によりこれらの行動が落ち着きます。

 

2.手術に関する疑問


■費用

健康な状態での去勢・避妊手術は病院によっても変わりますが、大体約3~5万です。
去勢手術の方が安いことの方が多く、1.5万~3万ほどです。

病気を発症してからの費用は多少値上がりします
事前検査等も含めると15万を超えることもあります。


■手術を行う年齢

うさぎさんは生後半年で身体の骨格が大人になる為、手術を行う場合は生後半年以降になります。

手術のリスクは何歳でも変わりませんが、年齢があがるにつれて術後の体力回復が遅くなります
手術を行うのであれば早めに行いましょう。

ネザーランドドワーフ等、大人でも小柄な子は病院に断られる場合もあります。
よく病院と相談しましょう。

 

■手術の内容

<去勢手術>
手術をする箇所の毛を刈り、切開して陰嚢という精巣が入った袋から精巣を取り出します。
麻酔投薬~手術終了までの時間は約1時間です。

<避妊手術>※取り出した子宮の写真があるので注意※
去勢手術の同様、手術をする箇所の毛を刈ります。
切開し、卵巣と子宮を取り出します。
麻酔投薬~手術終了までの時間は約1時間です。

7~8歳・ホーランドロップ、乳腺腫瘍を発症した際一緒に摘出した子宮です。

■出産することで子宮系疾患になりにくくなる?

「妊娠・出産をしたうさぎさんは子宮系疾患になりにくくなる」というお話を聞いたことあるでしょうか?

一部でささやかれていましたが、全くそんなことはございません。
そのような研究もされておらず、出産を経験していても子宮系疾患を発症するリスクは変わりません。


3.去勢・避妊手術はした方がいいのか


■麻酔のリスク

うさぎさんは犬猫よりも麻酔のリスクが高いです。
麻酔関連偶発死亡率を調査した結果、うさぎさんの死亡率は1.39%
ちなみにわんちゃんで0.17%、猫さんで0.24%です。

<何故リスクが高いのか>
うさぎさんは体格が小柄であるため血管確保が容易でなく、全ての項目の麻酔モニタリングが困難です。
また、うさぎさんの麻酔専門医がいないことも要因の一つであると言われています。
何かしらの疾患を発症したうさぎさんは、健康な子に比べ麻酔リスクがより高くなることが確認されています。

 

■術後の回復
どの年齢で手術をしても、麻酔のリスク自体は変わりません。
しかし、年齢があがるにつれて「術後の回復スピード」は遅くなります。また、若い年齢のうさぎさんでも手術自体のショックにより、術後体力が戻らず亡くなるケースもあります。

■術前と術後の違い
去勢・避妊手術を行ったうさぎさんは肥満になりやすいと言われています。
術前より食事管理・運動管理をしっかりと行うことが必要です。女の子だと、ホルモンの関係によりマフマフ(肉垂)がなくなる場合があります。

また今までの性格と変わってしまう場合もあります。
もちろん変わらない子もいますし、それは手術をしてみないとわからない部分です。
そういった面でも手術をするべきかどうかしっかりと考えましょう。

もともと人懐こく優しい子が、術後人間に警戒心を抱き全く近寄らなくなったというケースもあります。
手術自体のリスク以外にもこのようなケースがあることを頭に置いておいてください。

 


4.私たちにできること

麻酔関連の死亡例は、術後24時間以内がほとんどです。
研究の結果、手術開始から3時間は徹底した麻酔管理が必要であること手術終了24時間後までは全身を配慮した対応が必要があることが言われております。

*ストレスを取り除く
手術自体により相当なストレスがかかっています。
環境によるストレス等、取り除けるものはなくしてあげましょう。

*日々のコミュニケーションを大切に
その子がどのような性格か、何が好きで何が嫌いか、日々のコミュニケーションを大切にしその子を理解してあげましょう

*術後は安静に、様子を見る
去勢・避妊手術の多くは日帰りで、その日のうちに帰宅することができます。帰宅後ご飯を食べているか、お水を飲んでいるか、排泄しているか様子を見てあげましょう。
またしばらくは部屋んぽは控え、安静にしましょう。

手術をするかどうかは、結局は「飼い主さんの考え方次第」です。
手術が原因で亡くなることもあり、手術をしても別の病気で亡くなることもあります。

生殖器疾患は日ごろのケアとは関係なく発症します。
手術に関して様々な意見があります。
飼い主さんが一番納得し、お家のうさぎさんが一番幸せだと思う方法を選ぶことがベストだと思います。

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