免疫疾患の病気

■ 溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)

【原因】

溶血とは赤血球が破壊されることを意味します。遺伝性疾患や、要因で赤血球の崩壊が亢進する再生性貧血のことです。細菌感染や何らかの毒素、血漿浸透圧の低下など原因はいろいろとあり、免疫機能が原因で引き起こされた場合は急に発症することもあります。後天性の要因の中には通常は体内に侵入するウィルスや、細菌を外敵として攻撃する免疫システムが、何らかの原因で自分の赤血球を攻撃し破壊してしまうことが原因で発症し、自己免疫性溶血性貧血とも呼ばれます。

【症状】

溶血性貧血は赤血球が破壊されたことが原因で、酸素が全身に行き渡らなくなってしまったことで発症する症状です。運動を嫌がる、ぐったりして元気がない、疲れやすい、すぐに息切れをするといった症状が現れます。また、食欲の低下や嘔吐、白目や耳の中などが黄色く見える黄疸、浅くて速い呼吸など呼吸困難もみられます。この場合は口の周りが青紫になるチアノーゼや、尿の色が赤茶けて見えるといった症状が現れます。

【治療・対策】

抗生剤などでバベシアの増殖を抑えて症状を緩和させ、ワンちゃんの体力を回復させます。しかしバベシア原虫を体内から完全に駆除することは大変難しく、多くの場合は無症候性キャリアーとなります。この状態は数ヶ月から数年続き、体力や免疫力の低下をきっかけに再発する危険性があります。マダニの多い山や公園、草むらや河川敷などに行く前にはマダニ駆除薬を投与するなどの予防をする必要があります。


■ 免疫介在性血小板減少症(めんえきかいざいせいけっしょうばんげんしょうしょう)

【原因】

免疫介在性血小板減少症は、血中の血小板に対する自己免疫の異常な反応で、自己免疫が血小板に対する抗体を作ってしまい、その抗体が血小板の表面に結び付き、血小板が破壊されることにより起こります。薬剤や腫瘍などで自己免疫が刺激され、二次性という、免疫介在性血小板減少症を発症する場合もありますが、以下は、二次性以外の他の原因がない場合の免疫介在性血小板減少症(原発性)について説明します。まず、免疫介在性血小板減少症の検査は以下のようなものがあります。<免疫介在性血小板減少症の検査>・全身の出血部位の確認・記録・血液検査・出血時間(BT:Bleeding Time)※小さな切り傷を入れ、その出血持続時間により一次止血機能が働いているかを調べる検査・凝固系検査(血液検査)・X線検査・超音波検査など。この他にも、必要であれば他の検査も行われます。

【症状】

・点状または斑状出血・皮膚や粘膜での出血・血尿・鼻出血・元気消失・食欲低下・血管に針を刺した直後に血が止まりにくい。などです。点状または斑状出血とは、一次止血異常のときに特徴的に現れる症状で、小さい点状やそれより大きい斑状の出血が体のあちこちで起こります。点状出血はごく小さいことも多く、注意して観察しないと見逃すこともあります。唇などの口腔内や白眼の部分にも点状出血は現れます。また、耳介(耳たぶ)の内側や外陰部周辺、首、脇、胸部、腹部、体の側面、背部などあらゆるところで出血は起こります。

【治療・対策】

・ステロイド剤・免疫抑制剤・ビンクリスチン(抗がん剤)・ヒト免疫グロブリン・輸血(血しょうまたは全血輸血)などがあげられます。さらに、自己免疫が血中の血小板を攻撃・破壊するのが免疫介在性血小板減少症(IMT)ですが、これと同時に自己免疫が赤血球を攻撃・破壊する免疫介在性貧血(IMHA:Immune-Mediated Hemolytic Anemia)が併発することがあります。これらが併発している状態はエバンス症候群と呼ばれ、経過は非常に厳しいものになることが多く、ステロイドの治療で改善がみられた場合、長期的に少しずつ投与するステロイドの量を減らしていき、免疫の適切な状態を維持でき、かつできるだけステロイドの投与量を抑えるということを目指します。免疫介在性血小板減少症は治療を続けていても再発することもあります。また、症状が良くなったからといって飼い主様の自己判断で薬をやめてしまうと、再発してしまい、さらに今度は薬剤に反応しなくなるといったこともあります。定期的な診察と血液検査、また治療をしっかりと続け、おかしいことや困ったことがあればすぐに病院に相談するということが非常に重要です。免疫介在性血小板減少症はステロイド剤や他の免疫抑制剤を使った治療に良く反応することも多いですが、同時に治療の効果が乏しいまたはない場合もあり、そうなると致死的な病気です。非常に早く進行することもあるので、おかしい様子が見られたらすぐに動物病院を受診しましょう。




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