寄生虫の病気

■ マダニの寄生(まだにのきせい)

【原因】

マダニは四肢やお腹、顔や耳など草に触れやすい部分に寄生します。吸血するとお腹が膨らみ、鼻や目の周囲についた時は黒いイボのように見えてダニの寄生に気づきます。マダニは野山だけでなく草むらや河川敷、公園など人が生活する身近な場所に生息していてます。バベシアという原虫を保有しているマダニに吸血されると唾液と一緒にバベシア原虫がワンちゃんの体内に入り、赤血球に寄生して破壊し、貧血や肝臓や腎臓の機能障害を起こします。ライム病はマダニを介してボレリアという細菌に感染して起こります。

【症状】

大量のマダニが付着し吸血されると貧血を起こす場合があり、ダニの唾液でアレルギー性皮膚炎を発症すると強い痒みが出ます。マダニを介して感染する病気もあり、40℃以上の発熱や舌や口にチアノーゼが出る、血尿、貧血や食欲不振などの症状がある時は、バベシア症の感染が疑われます。マダニに咬まれた周囲が赤い丘疹になり、発熱や全身痙攣が起きたり、触ると痛がったりします。足を引きずって歩くなど、関節炎の症状がある場合はライム病も考えられます。

【治療・対策】

マダニの駆除はスポット剤の投与や内服薬が有効です。マダニの活動期の春~秋は予防として駆除薬を投与します。マダニの寄生に気づいた時は、ピンセットなどで無理に取ろうとせず、動物病院で適切に処置します。無理にとるとマダニの頭だけが皮膚に残り、化膿したり、マダニの体液が体内に入ったり、感染症を起こすこともあります。バベシアに感染している場合、治療薬はないので抗生物質でバベシアの増殖を抑え、症状を緩和して体力の回復を待ちます。ライム病も抗生剤の投与で治療を行います。


■ コクシジウム症(こくしじうむしょう)

【原因】

コクシジウムとは、脊椎動物の消化管に寄生する顕微鏡でしか見えないような小さな寄生虫です。コクシジウムに感染する主な経路は感染可能な状態のオーシストを口にすることが原因です。具体的には、散歩中にコクシジウムのオーシストが含まれる感染動物の糞便を食べてしてしまう、感染している同居犬の糞便を糞食または床や体などに付いた糞便中のオーシストを摂取してしまう、コクシジウムに感染している自分の糞便を食べ再感染が起きるなどの例が挙げられます。また、感染可能なオーシストをネズミなどのげっ歯類が摂取すると、その体内で被鞘原虫(ユニゾイトシスト)が形成され、そのげっ歯類を犬が捕食して感染することもあります。コクシジウムに感染するとオーシストが糞便に排出されるので、糞便検査でオーシストを検出します。

【症状】

症状が現れないことも多いですが、下痢をすることがあり、血が混じることもあります。基本的なコクシジウム症の症状は無症状や軽度の下痢などで、命に関わる状態にはならないのですが、非衛生的な環境にいる子犬や病気などで免疫が働かなくなっている犬では重症化し、血便がみられ衰弱し死に至ることもあります。・無症状も多い・泥状または水溶性の下痢・血の混じった下痢などです。

【治療・対策】

コクシジウム症では確実な予防法はありませんが、散歩中などに他の動物の糞便を口にしたり、げっ歯類を食べたりすることのないように気を付ける必要があります。


■ 回虫症(かいちゅうしょう)

【原因】

口から感染可能な虫卵を摂取することによる感染(経口感染)・母体から子犬への感染(垂直感染)があります。垂直感染には、胎盤を介して胎児に感染する経胎盤感染と授乳時に乳汁から感染する経乳感染があります。

【症状】

少数の回虫に感染していても症状がないことが多いです。しかし、消化管内の回虫が増えてくると次のような症状が出てくることがあります。・糞便中に回虫が混ざって出てくる・下痢・回虫を吐く・食欲不振 ・成長不良・体重減少・毛づやが悪い。などです。寄生する数が重度である場合は、腸閉塞を起こす例もあります。

【治療・対策】

回虫とは消化管内寄生虫で、犬ではよくみられる代表的な寄生虫です。回虫は、人にも感染するので、気を付けなければなりません。糞便中や汚染された環境から感染可能な虫卵を摂取することで感染します。感染した犬の糞便はしっかりと処理し、環境中に残さないことが大切です。回虫症は子犬で特にかかりやすいので、子犬を飼い始めたら症状がなくても一度糞便検査を行っておくと安心です。回虫症になったときは、駆虫薬を投与します。





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