血液の病気

■ バベシア症(ばべしあしょう)

【原因】

マダニによって媒介されるバベシアという原虫によって引き起こされる溶血性の病気です。ワンちゃんに寄生するバベシアは2種類です。バベシアに感染しているマダニに吸血された際に、マダニの唾液と共に侵入したバベシアがワンちゃんの赤血球内に寄生し、分裂・増殖を繰り返しながら赤血球を破壊します。輸血、汚染された医療道具、胎盤を通じた母子感染、闘犬及び激しい喧嘩によっても感染するといわれています。

【症状】

高熱や溶血性貧血、血尿、歯茎・舌などが白くなる、食欲減退、嘔吐が見られ、劇症になると低体温、ショック、昏睡などに陥ります。、肝臓や腎臓の機能障害を起こし、幼犬または老犬では、死に至る場合も少なくありません。ワンちゃんの免疫力とバベシアが拮抗する場合や免疫力が勝っている時には無症状で、バベシアが優位になると発熱、元気消失、食欲不振、体調不良、咳、便秘、下痢のような症状を繰り返したりすることもあります。

【治療・対策】

抗生剤などでバベシアの増殖を抑えて症状を緩和させ、ワンちゃんの体力を回復させます。しかしバベシア原虫を体内から完全に駆除することは大変難しく、多くの場合は無症候性キャリアーとなります。この状態は数ヶ月から数年続き、体力や免疫力の低下をきっかけに再発する危険性があります。マダニの多い山や公園、草むらや河川敷などに行く前にはマダニ駆除薬を投与するなどの予防をする必要があります。


■ 貧血(ひんけつ)

【原因】

犬が貧血になる理由はさまざまですが、血液の生成状態により大きく2つに分類することができます。「貧血のときに新しい赤血球を盛んにつくっている状態(再生性)」と「赤血球を新しくつくれないまたは少ない状態(非再生性)」に分けられます。貧血の原因は以下のようなものがあります。

<貧血の主な原因の分類>
再生性(新しい赤血球が盛んにつくられている)・出血がある -外傷 -臓器からの出血(脾臓や消化管など) -腫瘍・赤血球が壊れる(溶血) -免疫が関わる貧血 -感染(バベシア症など)
 -中毒(タマネギ中毒など)-遺伝性。

非再生性(新しくつくられる赤血球が少ない)・慢性疾患 -慢性的な炎症など・慢性腎疾患
・内分泌疾患 -甲状腺機能低下症 -アジソン病(副腎皮質機能低下症)・鉄欠乏性貧血(再生性がみられることも)・骨髄で起こる貧血 -骨髄や血球の腫瘍 -免疫異常やホルモン、感染などの影響、など。
貧血の原因を探る検査はさまざまなものがあり、どの疾患が疑われるかにより行われる検査が異なる場合があります。

【症状】

軽度の貧血では症状がみられないことがほとんどですが、貧血が進行してくると元気や食欲の低下がみられ、動いてもすぐ疲れたりあまり動こうとしなくなったりします。貧血が重度になるとぐったりして動けなくなり、舌や歯茎などの粘膜が白っぽく見え、動くと失神することもあります。

<貧血の主な症状>
・元気がなくなる・食欲不振・動きたがらない・疲れやすい・舌や歯茎、耳の内側が白っぽい、など。

【治療・対策】

<貧血で行われる検査>
・血液検査・X線検査・超音波検査・クームス試験 ※免疫異常で赤血球が破壊されているか調べる検査・ホルモン検査・病原体の検査・骨髄穿刺(こつずいせんし)※骨髄内の細胞を採取し調べる検査、など。
犬の貧血には、マダニが媒介するバベシア症やタマネギを食べることで起こるタマネギ中毒などがあります。また、ノミの多量の寄生でも貧血になることがあります。これらの疾患は、ノミ・ダニの予防や誤食を防止することによって防ぐことができます。軽度の貧血では症状がほとんど出ないため、気付いたときには貧血が重度になっていることもよくあります。普段健康な状態での赤血球の割合を把握するためにも、血液検査を含む定期的な健康診断を行いましょう。
<貧血の予防方法>・ノミ・マダニの予防・誤食への対策(タマネギ)・定期的な健康診断。




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