消化器系の病気

■ 巨大食道症(きょだいしょくどうしょう)

【原因】

猫の巨大食道症は、一時的(原発性)なものと、二次的(続発性)なものの二つに分かれます。原発性は、先天性に食道に分布する神経の欠如か異常に起因する症状で、遺伝的素因。

【症状】

食道の役割は、口から今で食物を円滑に運ぶことです。この食道から何らかの原因で拡張すると、食物が停滞し、食後すぐに、吐出してしまいます。猫の巨大食道症は、犬に比べてまれであり、突発性食道拡張症、あるいは、食道アカラジアともよばれます。さらに、それらの予後は、悪いものが多い。犬の食道は、全体が横紋筋(おうもんきん)に対し、猫は、人間同様、2/3が横紋筋で、1/3が平滑筋(へいかつ)です。原発性の場合は、拡張した食道内に食物が停滞する結果、離乳を開始した子猫では、食後比較的短時間で未消化な食べものを吐出します。これは、食後数分の間におこるが、食道拡張が著しいと延長します。多くは、吐出物が鼻に入り、誤嚥して、鼻炎は肺炎を併発するケースが多い。

【治療・対策】

外科手術により、胃の入り口の噴門括約筋(ふんもんかつやくきん)を切開して広げる方法がありますが、良い結果ばかりでもありません。姑息的治療になりますが、流動食を立位で食べさせるか食後しばらく立位で抱いて保定する方法もあります。ただし、このようなケアをしても、鼻炎や肺炎で死亡するケースもあります。


■ 食道炎(しょうどうえん)

【原因】

外傷と基礎疾患の影響、感染症の主に3つが原因として考えられます。外傷はプラスチックなど異物の飲み込みや魚や肉の骨によって、また熱いものによる火傷や薬品による爛れなどによってできます。基礎疾患の影響は、消化器系疾患による嘔吐などで胃液が逆流した場合による爛れや咽頭炎による影響などがあります。感染症は、ウイルスや細菌による感染症によって食道粘膜に生じることが原因になります。

【症状】

様々な原因で食道が炎症を起こした状態です。食べた直後に吐き出す吐出や、食欲不振、痛みで唾を飲み込めず多量のよだれを流す流涎といった症状が表れます。進行すると食べ物を飲み込めなくなる嚥下困難になり、食欲不振が続くことで体重の大幅な減少や脱水症状、元気消失などの危険な状態を引き起こす可能性があります。その後炎症によって食道が狭まる食道狭窄や巨大食道症を引き起こす場合もあり、早期の発見と治療が必要です。

【治療・対策】

症状が軽い場合は、抗炎症剤や抗生物質や状況によって胃酸分泌抑制剤や粘膜保護剤を投与します。重度になると絶食・絶水による点滴治療や胃チューブに水分や栄養補給を行い、その後はビタミン剤や高カロリー流動食を与えるようになります。また食道狭窄が進行している場合には外科手術による切除を行う可能性があります。基礎疾患や感染症が原因の場合は、その症状に合わせて治療を行います。食道への外傷を防ぐために、食餌の骨など硬いものを取り除き温度に気を付けたり、飲み込めそうな金属やプラスチックなどを遠ざけておくことが予防策になります。


■ 食道狭窄(しょくどうきょうさく)

【原因】

嘔吐を繰り返すうちに食道が傷つき、傷痕に増殖した肉芽組織が古くなって繊維化したものが見られる瘢痕化が起こることで徐々食道の内径が狭くなっていきます。異物を飲み込むことで傷ついたり毛玉をよく吐いたり、また、逆流性食道炎などが原因と考えられます。逆流性食道炎では、強酸性の胃液が食道へ逆流することで食道が傷つけられて炎症を起こします。腫瘍が原因となるケースも考えられますが、猫ではほとんど見られません。

【症状】

食道が何らかの原因で狭くなっている状態。食べ物が入りづらくなる、吐出などの症状が見られ、お腹が空いているのに全く食べれないという状態が続き、栄養失調を引き起こす可能性があります。食べ物は吐くが液体は飲めるという状態から、悪化して食道閉塞に近い状態になると液体すら吐くようになります。また吐出によって吐物が気管に入ると、誤嚥性肺炎を引き起こす場合もあります。

【治療・対策】

食道を広げる必要があるため、全身麻酔の上、内視鏡を用いてバルーンダイレーターを食道内に入れ、バルーンを膨らませることで食道を広げます。特に咽頭の部分では再発しやすいため、何度もこの治療を行う場合もあります。しかし、食道は他の臓器と比べて縫合してもくっつきにくく、合併症が多いとされているため、外科手術は一般的ではありません。猫の口にしそうな異物を遠ざけたり、食餌に骨が入らないように、予防策が必要です。日頃から生理整頓をして安全な飼育環境を整えましょう。


■ 食道内異物(しょくどうないいぶつ)

【原因】

消化できない異物を飲み込むことが原因です。猫は普段から食餌を丸呑みするため、近くにあるものに興味を持って遊んでいるうちに飲み込んでしまうことがあります。特に好奇心旺盛な子猫によく見られます。飲み込むものは様々ですが、遊びの延長から、口に入ることが一般的で、特に音のするビニール類や毛糸などの紐類、ボタンや石などを好む傾向にあります。

【症状】

異物を飲み込み、食道内に停滞している状態です。食道内異物では、釣り針や骨がよく見られます。食欲不振、嘔吐や吐出、よだれや体を触られるのを嫌がるなどの症状が表れ、誤嚥性の肺炎を引き起こすこともあります。食道壁を損傷している可能性もあります。異物は大きいほど症状が激しいとされており、紐状の異物を飲み込んだ場合、食道から胃、小腸まで異変を引き起こす場合もあります。

【治療・対策】

レントゲンや内視鏡で異物を確認します。食道内では釣り針や骨が食道壁に刺さってしまっているケースが多く、異物によっては潤滑剤などの投与で詰りがとれる場合や、内視鏡で見ながら鉗子で摘出する場合もあります。食道は他の臓器と比べて縫合してもくっつきにくく、合併症が多いとされているため、外科手術は一般的ではなく、多くの場合内視鏡下での摘出が行われます。猫の口にしそうな異物を遠ざけたり、食餌に骨が入らないようにしたりすることが予防策です。日頃から生理整頓をして安全な飼育環境を整えましょう。


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