血液の病気

■ 貧血(ひんけつ)

【原因】

貧血はその原因から非再生性貧血、溶血性貧血、失血性貧血の3つに分類できます。非再生貧血は、赤血球を再生する機能に異常が生じ、自然に壊されていく赤血球を補えなくなることで起こります。その原因からさらに、骨髄の赤芽球減少、ヘモグロビンの合成障害、赤芽球の合成障害の3つに分かれます。それらを引き起こす原因は様々ですが、猫白血病ウイルス感染症の影響が最も多く、他に腫瘍、薬剤、ホルモン、基礎疾患の影響が考えられます。溶血性貧血は、生産機能は正常なものの赤血球の寿命が極端に短くなることで起こります。原因は免疫の影響によるもの、感染症、化学物質などの有害物質、先天性、基礎疾患の影響が考えられます。失血性貧血は、外傷や寄生虫、腫瘍などで血液が失われることで起こります。

【症状】

貧血は生産される赤血球と、寿命で壊れていく赤血球のバランスが崩れている状態です。赤血球は酸素を全身へ届ける役割を担っており、その数が減ることで様々な臓器や組織に影響が出ます。食欲不振や運動量の低下、元気がなく粘膜や皮膚は蒼白し、呼吸が早くなるなどの症状が表れます。貧血はその原因から非再生性貧血、溶血性貧血、失血性貧血の3つに分類できます。溶血性貧血の場合、発熱や黄疸、血色の尿が見られる場合もあります。症状の程度は様々で、ほとんど症状が表れないケースもあります。

【治療・対策】

その原因によって、治療方法は異なります。例えば猫白血病ウイルス感染症が原因の場合、インターフェロンの投与や輸血を行い、寄生虫の場合は薬剤による駆除、腫瘍などの切除、免疫性の場合は投薬など様々です。基礎疾患の影響による発症も多いため、その場合は基礎疾患の治療を行います。貧血の症状がほとんど表れず、進行して元気がなくなったり、食欲が低下したり、初めて気づくケースもあるため、日頃からよく観察しておき早期に気づけるようにしましょう。

■ 骨髄異形成症候群(こつずいいけいせいしょうこうぐん)

【原因】

発症した猫の多くが猫白血病ウイルスに感染しているため、猫白血病ウイルス感染症との関連が推察されています。

【症状】

骨髄中で造血反応があるものの造血細胞の何らかの分化異常で、抹消血液に赤血球、白血球、血小板の中の1つ以上で血球の減少が見られる無効造血が特徴です。血液中には赤芽球、顆粒球、巨核球のうちの2つ以上で異形成が見られます。食欲不振や元気消失、紫斑や歯茎からの出血、粘膜の蒼白などの症状が表れます。急性白血病へ移行する前段階と考えられていますが、実際に移行するのはその一部です。しかしながら、死に至る可能性が高いため注意が必要です。

【治療・対策】

血液検査を行い、赤血球、白血球、血小板のどれかの減少や赤芽球、顆粒球、巨核球のうちの2つ以上で異形成があるかどうかを確認して診断されます。抗がん剤が投与されますが、あまり効果は見られていないのが現状です。免疫抑制剤が投与されたり、全血輸血や成分輸血を行ったり、抗生物質を投与したりする支持療法が行われます。ワクチンの接種で猫白血病ウイルスへの感染の大半を防ぐことができます。しかしなワクチンでの予防率は90%程のため、室内飼育にして他の猫との接触を避けることが予防策です。

■ 止血凝固異常(しけつぎょうこいじょう)

【原因】

止血凝固機構になんらかの異常が生じ、出血が止まりにくくなったり、血栓ができたりてしまったりすることが原因です。止血凝固機構には、血小板、血液凝固因子、フォンウィルブランド因子などが関与しています。それぞれの疾患により、その原因は異なりますが、血小板減少症では、炎症や腫瘍、感染症や免疫介在性、再生不良性貧血などの基礎疾患の影響が原因と考えられます。血小板増加症は基礎疾患の影響が原因です。血友病とフォンウィルブランド病、播種性血管内凝固症候群は遺伝性の疾患です。

【症状】

正常な場合は、外傷などで外部に血が流れた時、止血凝固機構の働きによってすぐ血の流出が止められるようになっています。この止血凝固機構に異常が生じると、出血が止まりにくい出血傾向や血管の中で血液が固まってしまう血栓症になります。止血凝固異常には血小板減少症、血小板増加症、血友病、フォンウィルブランド病、播種性血管内凝固症候群などの疾病があります。症状別により、皮膚や粘膜などの体表の紫斑や点状出血、消化管からの持続的な出血、鼻出血、皮下や関節内出血、血栓の形成などの症状が表れます。血友病での頭蓋骨内で出血した場合や、播種性血管内凝固症候群で全身性血栓によって多臓器不全に陥いると、死に至る危険性があります。

【治療・対策】

疾患別により、治療方法が異なります。血小板減少症は、免疫介在性が原因となるケースが多く、副腎皮質ホルモン剤を中心とした免疫抑制療法が一般的です。血小板増加症は、基礎疾患の治療を行います。血友病は出血を伴うため新鮮凍結血漿の輸血が必要です。ブリティッシュショートヘアでの発症が比較的多いとされています。フォンウィルブランド病でも血友病と同様に、新鮮凍結血漿の輸血が必要です。播種性血管内凝固症候群では血栓化を抑制するヘパリンなどの投与による抗血栓療法と凝固因子などの輸血をする補充療法が行われます。


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